PT・OT・STのための現場のギモンQ&A 77

  • ページ数 : 176頁
  • 書籍発行日 : 2023年5月
  • 電子版発売日 : 2023年7月5日
¥3,630(税込)
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商品情報

内容

誰しも一度は思ったことがある「現場ならではの疑問」
回復期/生活期リハの勘所をQ&A形式で解説します!

理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)は、それぞれに専門性をもつ職種です。しかし、リハビリテーションという大きな括りで捉えることも多い患者さん利用者さんという受け手からすると、実臨床では、各療法で明確な専門性はありながらも、オーバーラップすることはあるでしょう。
そのような実臨床においては、誰しも一度は思ったことがあるといった「現場ならではの疑問」が多々あります。本書では、①回復期から生活期のリハビリテーションにおいて、②特に若い療法士が迷いやすいことがらについて、③Q&A形式で、なるべくわかりやすい答えをまとめてみました。

最も近しい関係にあるPT、OT、STの三療法士には、自職種および他職種の専門性を理解し、質の高いリハビリテーションを提供していくことが求められています。医学を土台とし、機能や活動へのアプローチのみならず、患者さん利用者さんのこれからの生活を見据えた参加へのアプローチがますます重要視されることはいうまでもないでしょう。

長期にわたるリハビリテーションの推移を考えると、すべての時期をしっかりと学び、理解する機会というのは、必ずしも多くはありません。本書でこれらの勘所を押さえ、ぜひ、患者さん利用者さんへ還元してほしい、そんな熱い思いも詰まった一冊です。

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序文

はじめに


2000年に回復期リハビリテーション病棟と介護保険制度がスタートして,20年以上が経過しました.その間に療法士の数は右肩上がりに増え続け,リハビリテーションに対する社会の認知度も,ずいぶん高くなってきたと感じます.

日本社会の少子高齢化は一段と進み,医療・福祉をめぐる状況は大きく変化しつつあります.急激な社会構造の変化のなかで生まれる新しいニーズに対して,リハビリテーションもまた,新たなかたちでの貢献を求められているのだと考えられます.

療法士の現状をみると,急性期,回復期,生活期のいずれの病期に所属していても,日々の業務に追われ,忙しい状況が増していると感じられます.自分が所属する病期の特徴は理解していても,長期にわたるリハビリテーションの推移や,それぞれの時期の間に必要となる連携について,しっかりと学び,理解する機会は,必ずしも多くありません.そのために,起こりうる事象をしっかりと見据えた早めの退院支援や,能力の変化に柔軟に対応するための多職種連携などがうまく進まずに,患者さんや利用者さんに不利益が生じてしまうことも,少なくない現状にあると感じます.

今後数十年にわたり続いていくことが予想される高齢社会のリハビリテーション支援においては,「参加」支援が大きな鍵を握っていると思われます.そして,より充実した参加支援を行うために,多施設・多職種の理解と連携がリハビリテーションの軸となっていくでしょう.

本書は,臨床経験の長いベテラン療法士が集まり,侃々諤々の議論を行いながら,若い療法士が迷いやすい疑問に対して,なるべくわかりやすい答えをまとめてみました.ここに書いてあることは唯一の正解ではないかもしれませんが,「困った」「どうしよう」と思っている皆さんにとって,何かしらの示唆とヒントを与えてくれるものと思います.

未来ある理学療法士,作業療法士,言語聴覚士が,迫りくる時代の課題に逞しく立ち向かい,リハビリテーションによって社会が希望の光で照らされるよう,心から期待しています.


2023年3月

編著者一同

目次

はじめに

編著者一覧

Ⅰ 多職種アプローチ編

役割分担

Q1  PTは基本動作をみる職種ですか.

Q2  PTはなぜセルフケアをみないのですか.

Q3  OTの専門性をうまく説明できません.

Q4  「 作業」と「行為」は同じと考えればよいでしょうか.

Q5  STはコミュニケーションが専門ですか,食事が専門ですか.

Q6  高次脳機能障害はSTの専門ですか,OTの専門ですか.

Q7  認知機能が低下している患者さんはリハビリテーションが進みません.

Q8  看護師と療法士の専門性の違いはどこにありますか.

Q9  回復期リハビリテーション病棟における介護福祉士の役割は何ですか.

Q10 ソーシャルワーカーはどのようなことをする職種ですか.

Q11 ソーシャルワーカーと,社会福祉士やケアマネジャーとの違いは何ですか. 

連携・協力

Q12 PT・OT・STがお互いに無関心で,バラバラです.

Q13 私はSTですが,多職種連携の仕方がわからず,個室にこもりがちです…

Q14 生活のなかでのコミュニケーション能力を高めるためには,どんなことをすればよいでしょうか.

Q15 早朝や夕方に患者さんのケアを担当していますが,これは療法士の仕事でしょうか.

Q16 ADLの自立度は,誰が決めるとよいのでしょうか.

Q17 回復期で医師に報告・相談しなければならないことは何でしょうか.

Q18 主治医は元泌尿器科でリハビリテーションを専門としていませんが,大丈夫でしょうか.

Q19 医師が忙しすぎて,リーダーの役割を果たせていません.

Q20 療法士は「できるADL」,看護師は「しているADL」とよくいわれますが,どのような意味ですか.

Q21 看護師さんは忙しくてFIMを評価してくれず,すべて療法士に任せっきりです.どのようなやり方がよいのでしょうか.

Q22 ソーシャルワーカーとの関わり方を教えてください.

Ⅱ カンファレンス編

会議の運営

Q23 カンファレンスはどのように進めればよいでしょうか.

Q24 カンファレンスが議論の場にならず,各職種の報告で終わっています.

Q25 医師の方針に意見を言うのはタブーなのでしょうか.

Q26 目標が曖昧で,チームでの共有や見直しもできていません… 

Q27 看護師と療法士で目標がずれてしまうことが多く,しばしば意見が対立します…

Q28 カンファレンスで決めた目標内容が家族にうまく伝わりません…

Q29 患者さんから「少しでも長く入院していたい」と言われます.その希望に沿うべきでしょうか.

ICFの活用

Q30 回復期ではICIDHのほうがわかりやすいのですが,なぜICFなのでしょうか. 

Q31 「活動」と「参加」は何が違うのでしょうか.

Q32 「環境因子」の捉え方を教えてください. 

Q33 家屋調査は,訪問しなくても写真と図面で十分ではないでしょうか.

Q34 年齢・性別・生活歴などの「個人因子」は,「活動・参加」にどのように影響するのでしょうか.

Q35 入院中は患者さんの「役割」についてどのように考えたらよいのでしょうか.

Q36 「参加」の評価が難しく,人によって捉え方が様々です.

Q37 「参加」はどのように支援すればいいのですか.

Q38 ICFはリハビリテーション計画に活かせますか.

Q39 能力の回復が見込めない重度の患者さんに対してはどうしたらよいのでしょうか.

Q40 「したいことは何もない」と言う患者さんの目標設定に困っています…

Ⅲ 退院支援編

退院支援

Q41 退院支援とは何をすることですか.

Q42 退院後のリハビリテーション目標に,何をあげればよいかわかりません.

Q43 公共交通機関の利用練習では何をみておくべきでしょうか.

Q44 外泊評価では何をみておくべきでしょうか.

Q45 職場訪問では何をみておくべきでしょうか.

Q46 退院に向けた家族への関わりで大切なことは何ですか.

Q47 退院前の家庭訪問は何をしてくるのですか.

Q48 退院時のリハビリテーション指導とは,何をすることですか.

生活期への連携

Q49 病院から在宅チームへの申し送りにはどんな情報が必要ですか.

Q50 退院時のリハビリテーション計画にどのように関わるとよいでしょうか.

Q51 退院時は,ケアマネジャーに情報提供書を渡すだけでよいでしょうか.

Q52 退院後も機能訓練の継続が必要ですが,適当な介護事業所がみつかりません.

Q53 ADLの回復がゴールに達していれば,生活期でのリハビリテーションは必要ないのではないでしょうか.

Q54 退院前に行った住宅改修が失敗作だと在宅スタッフに言われてしまいますが,どうしてでしょうか.

Q55 下肢装具の再調整や修理などのフォローアップで困っています.

Ⅳ 生活期リハビリテーション編

生活期の理解

Q56 生活期は,維持期ともいわれますが,何か違いがあるのでしょうか.

Q57 訪問の場面で,マナーが悪く常識がないと患者さんに言われたのですが,何が悪いのかわかりません…

Q58 生活期では機能回復が難しいとされていますが,療法士には何ができますか.

Q59 急性期や回復期と違って療法士の専門性が低く,自分の技術を研くことができません.

Q60 退院後の目標設定に悩んでいます.患者さんは機能回復にばかり関心があり,自宅での「活動・参加」に目を向けてくれません.

回復期との連携

Q61 入院リハビリテーションでADLを回復させきってから生活期につなげたほうがよいのでしょうか.

Q62 回復期リハビリテーション病棟のスタッフが退院後も継続して関わる場合の注意点はありますか.

Q63 自宅に退院した直後はどんなことが課題になることが多いのでしょうか.

Q64 入院部門と在宅部門のスタッフが互いに批判し合ってばかりです.

Q65 初めて連携する介護事業所に患者さんを紹介するときの注意点はありますか.

生活期のアプローチ

Q66 在宅では入院中のように集中的な介入ができず,効果的なアプローチは難しいと思います.

Q67 患者さんのリスク管理は入院と在宅で違いがありますか.

Q68 PT・OT・STの方針とケアマネジャーの方針が違うのですが,どうしたらいいのでしょうか…

Q69 サービス担当者会議に初めて出席します.何を話したらよいのでしょうか.

Q70 在宅リハビリテーションでは関わる職種や事業所が多く,連携に苦労しています…

Q71 プライバシー保護のため,患者さんの私生活のことは聞かないほうがよいのではないでしょうか.

Q72 自分の意思を十分に表出できない人に対して,どのように支援していけばよいのでしょうか.

Q73 患者さんの思いが尊重されず,家族の意向だけでリハビリテーションが進んでいきそうです.どうしたらよいでしょうか.

Q74 通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションは,利用者さんに寄り添い,ずっと継続すべきではないでしょうか.

Q75 神経難病でどんどん悪くなっていく利用者さんに療法士が関わる意味があるのでしょうか.

Q76 進行性難病やがんの末期などで死が迫っている利用者さんに療法士は何ができるのでしょうか.

Q77 生活期では専門を絞り込むより,いろいろと広く対応できるほうがよいのではないでしょうか.

Memo

理学療法とは

入浴動作は歩行よりも難しい

言語聴覚士とは

高次脳機能障害と認知能力

個別的認知能力と全般的認知能力

回復期の看護とは

介護福祉士とは

PT,OT,STの専門性の相互関係

適切な個室の数

教育としてのケア業務

よくある看護師と療法士の対立

SMARTの法則

ADL共有

医療ソーシャルワーカーと療法士

写真撮影における注意事項

「社会への参加」と「自己への参加」

環境や状況の相違による影響

ちょっと困った情報提供書!?

外来,訪問,通所の選び方

治療用装具と更生用装具

お互いの“プラス”を活かし合おう

医療事故と訴訟問題

在宅でのサービス担当者会議はケアマネジャー任せでよいのか

個人情報保護と地域共生社会

ナラティブな対応(アプローチ)

作業療法士のひとこと

「家族が暮らす家」と「住宅改修の提案」

訪問療法士のひとこと

利用者さんの要望をどう考えるか

もっと患者さんの心持ちを聞いてみましょう

専門職としての自己研鑚

百聞は一見に如かず

「人それぞれ」を知る

人となりを知る

ALS患者さんとの出会い


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書籍情報

  • ISBN:9784895907804
  • ページ数:176頁
  • 書籍発行日:2023年5月
  • 電子版発売日:2023年7月5日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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