医療従事者のための意識障害管理ハンドブック

  • ページ数 : 280頁
  • 書籍発行日 : 2023年8月
  • 電子版発売日 : 2023年8月14日
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商品情報

内容

重篤な遷延性意識障害の診断・治療がわかる

急性期から慢性期・遷延性意識障害までを網羅した本邦初の意識障害ガイド! 臨床、研究、教育、管理の第一人者執筆による最新かつ包括的な内容で、遷延性意識障害の病態、診断、治療、リハビリテーション、患者家族の心のケアとレスパイトケアなどがわかる!

序文

はじめに


意識障害患者に関わる医師、医療関係者は、急性・慢性を問わず、日々その回復を願って診療や看護を行っている。多岐にわたる意識障害の原因の究明は時間との闘いでもあり、ときに奥の深い原因を探索することにもなる。

本書は、意識障害患者に関わるすべての臨床医、看護職、リハビリテーション専門職、ソーシャルワーカー、臨床研修医、医学生、看護学生、そして患者さんとご家族に、意識障害に関してより理解を深めていただくことを目的として、急性期から慢性期までを包括的にまとめたものである。

意識障害は “ 橋・中脳の被蓋傍正中部から視床下部にかけて存在する上行性網様体賦活系から両側大脳半球に至る投射経路の障害に起因” し、原因が脳神経由来であることは周知のことである。しかしながら、原因は多岐にわたることが多く、本書では、この複雑なテーマを紐解くために、多くの先生方にわかりやすく解説していただいている。本書は、意識障害に関わる診療、研究、教育、管理、療養、福祉の第一人者によって書かれたわが国初めての最新かつ包括的なハンドブックである。全5章および資料で構成され、すべての章をエキスパートの専門家が執筆した。1章は意識障害をめぐる医学・医療の進歩、課題と今後の方向性について、2章は意識・意識障害をめぐる基礎医学から見た病態生理について、3章は急性期意識障害について、4章は遷延性意識障害について、5章では遷延性意識障害をめぐる社会医学と福祉制度についてまとめられている。資料では患者さんのご家族(全国遷延性意識障害者・家族の会)に医療者へ伝えたい内容をご執筆いただいた。

本書が多くの方々に気軽に手にとっていただけるよう、そして貴重な参考資料となることを願っている。一般の方々にも意識障害に関心をお持ちいただき、実際に手にとって通読していただければ、ありがたく存じます。

最後になりますが、本書の作成にあたり、一般社団法人日本意識障害学会の役員の先生方に多大なご協力を賜りましたこと、感謝の意を表します。


2023年7月

監修者・編者代表
一般社団法人日本意識障害学会 代表理事
加藤 庸子

目次


・序文

・執筆者一覧

・本書に掲載している評価スケール一覧

【1章 意識障害をめぐる医学・医療の進歩、課題と今後の方向性】

1 脳神経外科学における意識障害

A 意識障害の原因

脳神経外科学における意識障害の原因

B 意識障害患者にみられる症状

脳神経外科学における意識障害患者にみられる症状

C 意識障害の診断と治療

2 急性期意識障害の診療・研究の現状と課題

はじめに/初期対応の変化/急性期意識障害の初期診療/

初期診療に連続した専門的治療・集中治療/諸検査による評価/

シミュレーショントレーニング/課題/将来の展望

3 脳神経内科学・国際動向

意識と意識障害/意識障害診療の専門性、継続性/Curing Coma Campaign

4 意識障害スコアリング

はじめに/医療保健尺度とは/

慢性期意識障害における判別的尺度および急性期評価尺度の予測性/

NASVAに対するRasch分析による項目難易度設定/

慢性期意識障害患者のレジストリ作成とナースのための評価的尺度開発

【2章 意識・意識障害をめぐる基礎医学から見た病態生理】

はじめに/意識・意識障害をめぐる解剖/

意識障害に関する歴史的変遷/意識・意識障害をめぐる神経化学/

意識・意識障害をめぐる生理/意識・意識障害に関連する病態生理

【3章 急性期意識障害】

1 病態と鑑別診断

意識とは、意識障害とは/背景となる神経生理/

意識障害を引き起こす病態/意識障害をきたす代表的な疾患の鑑別/

臨床所見からの鑑別のポイント/おわりに

2 医療面接と身体診察

定義と原因/医療面接(病歴聴取)のポイント/

身体診察のポイント/重症患者に生じた意識障害の原因/

発症年齢による意識障害の特徴/急性意識変容の鑑別診断/

非痙攣性てんかん重積状態(NCSE)/心因性意識障害の診かた

3 補助診断(画像診断、電気生理学的診断、臨床検査ほか)

画像診断/電気生理学的診断/臨床検査(血液検査)

4 ER・ICUにおける全身管理

A 昏睡患者に対する初期対応

はじめに/昏睡患者に対する初期対応

B 不穏、せん妄患者に対する初期対応

はじめに/不穏の初期対応/不穏の鑑別と緊急度評価/

不穏の原因検索とその対応

C ICUでの神経集中治療

はじめに/脳損傷の病態生理とTTM/

神経集中治療における体温管理の趨勢と現状/おわりに

5 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応

COVID-19の急性期神経筋症状と急性期神経筋合併症/

神経障害の機序/意識障害への対応

6 リハビリテーション評価・治療

意識障害のリハビリテーションプログラムの考え方/

意識障害患者のADL予測/

急性期意識障害患者に有用なリハビリテーション評価/

意識障害患者の診方のポイント/

急性期意識障害患者のリハビリテーション治療/

急性期意識障害患者の嚥下障害、高次脳機能障害

7 意識障害のアウトカム

はじめに/重篤な意識障害の分類別の予後やアウトカム

8 認知症と意識障害

はじめに/せん妄と認知症/

レビー小体型認知症における意識レベルの変動/

見逃されやすい軽い意識障害・注意障害

【4章 遷延性意識障害】

1 病態と鑑別診断

はじめに/意識とは/意識の局在/

遷延性意識障害に関わる用語の定義/慢性期意識障害の臨床評価/

遷延性意識障害患者の脳画像/遷延性意識障害患者の脳波/

遷延性意識障害患者の実態調査/遷延性意識障害からの脱却/

慢性期に見られる特殊な意識障害

2 薬物治療

薬物治療に関するエビデンス/

難治性遷延性意識障害の治療:私見

3 機能的電気刺激

はじめに/機能的電気刺激:総論/

呼吸ペースメーカー(横隔膜ペーシング)

4 ニューロモジュレーション治療

はじめに/これまでの意識障害の治療/

脳内の電気的な活動/電気刺激を用いた治療/

現在臨床で用いられているニューロモジュレーション治療とその例/

遷延性意識障害に対するニューロモジュレーション/

経頭蓋電気刺激の基礎的研究も含めた最近の知見/まとめ

5 音楽療法

はじめに/音楽療法の基礎/

音楽療法の実際 1(運動を用いた音楽療法)/

音楽療法の実際 2(音楽心理療法)/

音楽療法の実際 3(神経学的音楽療法)/

音楽療法の実際4(わが国でよく行われている音楽療法)

6 看護管理

A 概論

遷延性意識障害の看護的な定義/遷延性意識障害の看護とは

B 看護実践

遷延性意識障害の看護実践

7 遷延性意識障害患者の入院リハビリテーション

はじめに/遷延性意識障害の分類と評価の重要性/

覚醒機能、認知機能に対するリハビリテーション/

不動・廃用症候群に対するリハビリテーション/

摂食嚥下障害に対するリハビリテーション

8 在宅医療機器・モニタリング

はじめに/在宅医療/在宅医療機器とモニタリング/

おわりに

9 在宅看護・介護(感染管理を含む)

はじめに/感染しない、させない、在宅における感染管理の実際/

在宅での療養を継続するためのエッセンス

10 在宅リハビリテーション

はじめに/在宅リハビリテーションの内容/

家族介護者への指導/在宅リハビリテーションの利点と欠点

11 家族の心身の負担とレスパイトケア

遷延性意識障害と廃用/廃用の進行予防と介護/

介護負担の軽減のためのレスパイトケア/

その他のレスパイト的なアプローチ

【5章 遷延性意識障害をめぐる社会医学と福祉制度】

はじめに/急性期/リハビリテーション期/

生活再建期/福祉制度・社会資源の利用にむけて/

まとめ(遷延性意識障害をめぐる社会医学)

【資料 私たちを支援して下さる方々にお伝えしたいこと・患者家族の会連絡先一覧】

1 私たちを支援して下さる方々にお伝えしたいこと(全国遷延性意識障害者・家族の会代表より)

発症直後の家族/発症から2週間程度経ち、回復が思わしくないとき/

リハビリテーション/慢性期の医療について/

看護師・理学療法士・作業療法士と家族/福祉に求めること/

意識レベルとコミュニケーション/家族会/おわりに

2 患者・家族の会 連絡先一覧(全国遷延性意識障害者・家族の会)

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書籍情報

  • ISBN:9784840481861
  • ページ数:280頁
  • 書籍発行日:2023年8月
  • 電子版発売日:2023年8月14日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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