脳神経外科速報 2023年増刊 二刀流術者のための脳血管障害手術テキスト

  • ページ数 : 216頁
  • 書籍発行日 : 2023年10月
  • 電子版発売日 : 2023年9月14日
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商品情報

内容

【ハイブリッド手術を支える知識と技術を解説】
脳血管障害手術の二刀流術者となるための必要なトレーニング、解剖、機器・デバイスの知識や手術のテクニックを解説。また、二刀流術者を育てるチーム運営や教育についても紹介。エキスパートが求めるベースライン・指標を知ることで、実践につなげる。

序文

序文

「武士は将卒ともに直に二刀を腰に付る役なり.一命を捨る時は道具を残さず役に立てず腰に納めて死する事本意にあるべからず」(五輪書)

これが二刀流開祖・宮本武蔵のコンセプトであるならば,本来の二刀流は「サイ・ヤング賞とホームランキングのタイトルを同時受賞する」ような華麗な夢物語とはかけ離れた,生死にかかわる切実なものであったはずだ.私の意図した「脳血管外科二刀流」も同じく切実なものであり,「この症例は血管内治療が無難」「これはクリッピング術のほうが無難」といったような合併症リスク回避を目指した治療選択が根本であり,ある時は一刀流術者から「夢がない」とお叱りを受けたこともあった.しかしながら,この治療選択こそが二刀流術者の最大の武器であり,虎視淡々とその判断力を研ぎ澄ませることが私たちの生命線となる.

二刀流は直達手術と血管内治療の双方がスタンダードレベルを超えてこそ,その威力を発揮するのであって,中途半端な二刀流は二流の誹りを逃れることはできない.そのためには,各治療モダリティのスタンダードをよく知ること,そして,それぞれのlearning curveをよく理解し,自分の技量がどこまで向上しているかを常に把握することが肝要である.今回,「二刀流術者のための脳血管障害手術テキスト」を編集する上で最も留意したのはこれらの点であるが,二刀流術者・一刀流術者を問わず,国内の代表的な施設・著者の温かいご協力と,吉村紳一先生のご監修をいただき,ワクワクするようなインパクトのあるテキストが仕上がった.

血管内治療専従医,あるいは直達手術専従医への分化が進む現状において,「二刀流とは時代の徒花に過ぎないのか?」と幾度となく自問してきたが,脳血管外科二刀流という生き方を歩むうちに,10年後,いや20年後もこの花は力強く咲き続けることを確信するようになった.このテキストが,二刀流を目指す脳血管外科医のみならず,脳神経外科専門医を目指す全ての先生方にとっても,魅力的な羅針盤になることを祈るのみである.


関西ろうさい病院
脳神経外科・脳神経血管内治療科部長
豊田真吾

目次

【Chapter1 トレーニングを知る】

1 「思い立ったその時に行える」卓上トレーニング法の勧め

2 血管内術者が二刀流術者に知っておいてほしいトレーニング

  血管内治療ハンズオン

3 直達術者が二刀流術者に知っておいてほしいトレーニング

  バイパスハンズオン

【Chapter2 解剖を知る】

1 血管内術者が二刀流術者に知っておいてほしい解剖

  絶対に忘れてはならない

  Dangerous anastomosisについて

2 直達術者が二刀流術者に知っておいてほしい解剖

  Anterior interhemispheric approachに必要な解剖

【Chapter3 機器・デバイスを知る】

1 血管内術者が二刀流術者に知っておいてほしい機器・デバイス

  W-EB

2 直達術者が二刀流術者に知っておいてほしい機器・デバイス

  Yasargilクリップ・杉田クリップ・ Dクリップ

Topics1 Hybrid Neurosurgery研究会の歩み

【Chapter4 疾患を知る】

1 血栓回収療法

  血管内術者が二刀流術者に身につけてほしいテクニック

2 内頚動脈狭窄

  血管内術者が二刀流術者に身につけてほしいテクニック

3 内頚動脈狭窄

  直達術者が二刀流術者に身につけてほしいテクニック

4 未破裂脳動脈瘤

  血管内術者が二刀流術者に身につけてほしいテクニック

5 未破裂脳動脈瘤

  直達術者が二刀流術者に身につけてほしいテクニック

6 破裂脳動脈瘤

  血管内術者が二刀流術者に身につけてほしいテクニック

7 破裂脳動脈瘤

  直達術者が二刀流術者に身につけてほしいテクニック

8 AVM

  血管内術者が二刀流術者に身につけてほしいテクニック

9 AVM

  直達術者が二刀流術者に身につけてほしいテクニック

10 dAVF

  血管内術者が二刀流術者に身につけてほしいテクニック

11 dAVF

  直達術者が二刀流術者に身につけてほしいテクニック

12 頭蓋内血管狭窄(バイパス/PTA)

  血管内術者が二刀流術者に身につけてほしいテクニック

13 頭蓋内血管狭窄に対するSTA-MCAバイパス術

  直達術者が二刀流術者に身につけてほしいテクニック

Topics2 ハイブリッド手術の実際

【Chapter5 二刀流術者のチーム運営について知る】

1 大阪医療センターのチーム運営

2 関西ろうさい病院のチーム運営

3 慶應義塾大学のチーム運営

4 埼玉医科大学国際医療センター

  脳卒中センターのチーム運営

5 西湘病院のチーム運営

6 東京女子医科大学のチーム運営

7 新潟大学のチーム運営

8 兵庫医科大学のチーム運営

9 横浜新都市脳神経外科病院のチーム運営

Topics3 脳神経内科二刀流とは

【Chapter6 資格について語る】

1 日本脳神経血管内治療学会専門医

  認定制度について

2 脳卒中の外科技術認定制度の現状と今後

【Chapter7 一刀流のすすめ(二刀流への意見)】

1 脳血管内治療一刀流の立場から

2 直達手術一刀流の立場から

  “一刀流も楽ではない”

Topics4 「二刀流の勧め」から10年

  ・監修のことば

  ・序文

  ・監修・編集・執筆者一覧

  ・WEB動画の視聴方法

  ・索引

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書籍情報

  • ISBN:9784840479851
  • ページ数:216頁
  • 書籍発行日:2023年10月
  • 電子版発売日:2023年9月14日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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