心カテのはなしをしましょうか

  • ページ数 : 176頁
  • 書籍発行日 : 2023年10月
  • 電子版発売日 : 2023年9月14日
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商品情報

内容

【語り口調でスラスラ読めて理解できる!】
心臓の仕組みから心臓カテーテル検査・治療における注意点まで、西日本コメディカルカテーテルミーティング(WCCM)の人気セミナー講師が長年かけてつくってきたイラストをもとに解説する。楽しみながら学びたい心カテナース、臨床工学技士におすすめ!

序文

はじめに


私が心臓カテーテル検査・治療にイチバン大切だと思うもの、それは情報です。情報が患者さんを安心・安全な治療に導きます。

【心カテを知る】

心カテに関係するすべてのスタッフは、まずは心カテというものを知らなければなりません。自分が担当する患者さんが、いまから「何のために、何をするのか?」 ということは、知っておかなくてはいけないことだと思います。

病棟・外来スタッフも同じです。その患者さんが、「これからどのような治療をするのか?」「これまでどのような治療をしてきたのか?」ということは、知っておかなくてはなりません。それが医療を提供する私たちの仕事なのです。

患者さんに安全に治療を受けてもらえるように、医師がやるのではなく、先輩がやるのではなく、「私が、私のできることをやるんだ!」という気持ちが大切です。患者さんに安心してもらえるように、患者さんの疑問に答えられるような情報をまずはもっておきましょう。

【患者さんを知る】

特に心カテスタッフは、心カテ室に入ってきた患者さんと「はじめまして」ではいけないと思うんです。それは、「術前訪問をしよう!」ということだけではありません。心カテ室に入ってくる患者さんの情報をあらかじめ知っておこうということです。

身長・体重を知っておくことによって、薬剤の投与量などをあらかじめ決めておくことができます。腎機能を知っておくことによって腎保護のため造影剤の使用を最小限にとどめたり、アレルギー歴を知っておくことで造影剤アレルギーの発症に備えて、あらかじめ万全の準備をしておくことができるでしょう。心カテ室で待つ私たちが、「〇〇さん待ってましたよ、あなたのことはわかっていますよ!」ってお迎えすることができれば、患者さんは安心して身を任せてくれるでしょう。

【情報を共有する】

さらに心カテチームにとって重要なのは、もっている情報を共有すること。私だけが知っている情報、病棟だけが知っている情報、医師だけが知っている情報……。それらは、情報としてはとても小さなものになってしまいます。

情報は、チーム内で共有することにより、より大きな情報になります。

それぞれがもっている情報が重なり合うことによって、より深いものになり、それが結びつき合うことによって、治療を行ううえで有益で大切な情報になるのです。

【情報を生かす】

最後に、最も重要なのは、情報を生かすこと。情報は貯蓄するために収集するのではありません。生かすために情報収集するのです。

心カテスタッフは、事前に収集された情報から、患者さんに合わせて、それぞれのシチュエーションに合ったモニタリングをする必要があります。

ここまでお話ししたように、心カテにかかわるすべての方にとって大切なもの、それは情報です。心カテを知る、患者さんを知る、情報を共有する、情報を生かすことによって、患者さんに安心・安全な治療を提供できます。本書が、読者の皆さんに役立つ一冊になれば幸いです。この本を読んだ方が、心臓に、そして心カテに興味をもち、もっと知りたいと思ってもらえたらうれしいです。


2023年8月

野崎暢仁

目次


・はじめに

【第1章 心臓の解剖が身につくはなし】

1 心臓の役割

2 心臓はどうやって動いているのか?

3 よい血圧はタイミングがすべて

4 心臓には血管が張り巡らされている

5 冠動脈には番号が付けられている①:右冠動脈

6 冠動脈には番号が付けられている②:左冠動脈・前下行枝・中隔枝・対角枝

7 冠動脈には番号が付けられている③:回旋枝

8 動脈血管の構造は?

9 動脈硬化にとってのリスクファクターは?

10 動脈硬化が起こるとき

【第2章 急性冠症候群(ACS)の症状・観察項目が身につくはなし】

1 虚血性心疾患になる要因は?

2 冠攣縮性狭心症の症状と診断の流れ

3 狭心症と心筋梗塞の違いって?

4 動脈硬化によって起こる労作性狭心症

5 冠動脈が細くなっている不安定狭心症

6 心筋梗塞の分類

7 急性心筋梗塞では、徐脈、血圧、胸痛に気をつけよう

8 急性冠症候群(ACS)の痛みの特徴を知っておこう

9 疾患、病態への理解が確実な鑑別診断につながる

10 ST上昇型心筋梗塞(STEMI)はどのくらい緊急?

11 ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者では、いかに早く心カテ室に搬入するかが大切

12 ST上昇の流れをマンガで理解しよう!

13 ST上昇型心筋梗塞(STEMI)の12誘導心電図を読んでみよう

14 心筋梗塞で起こるST変化の特徴を知ろう

15 aVRのST上昇は超重症の可能性大!

16 心室細動(VF)になりますよ!

17 Ⅱ、Ⅲ、aVFでのST上昇は徐脈になる

18 心臓の仕事はSV×HR=Coの式そのもの

19 SV×HR=Coは手足に触れるとおおよそわかる

20 ノーリア・スティーブンソン分類で見逃せない7つのポイント

21 一回拍出量(SV)からわかる心臓の「仕事」ができる条件

22 前負荷が低下すると血圧が下がるのはどうして?

23 心収縮力が上がるときに起こっていること

24 現場で思い出したい後負荷と薬の関係

25 緊急カテーテルでまずすること、できること

26 急性心筋梗塞患者で押さえておきたい観察ポイント

【第3章 冠動脈治療が身につくはなし】

1 冠動脈バイパス術(CABG)への治療アプローチ

2 造影カテーテルとガイディングカテーテル、その違いは?

3 心カテ室で使うガイドワイヤーと血流予備量比(FFR)、安静時機能評価法

4 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)で使うガイドワイヤー

5 冠動脈穿孔が発生したときの止血はどうする?

6 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)のバルーンが病変を拡張するとき

7 スコアリングバルーンはどんなバルーン?

8 ドラッグコーティッドバルーン(DCB)はどんなバルーン?

9 パーフュージョンバルーンはどんなバルーン?

10 バルーン治療のときの私たちの目線①:症状と心電図変化に気をつけよう

11 バルーン治療のときの私たちの目線②:血圧、冠動脈造影透視・撮影画像

【第4章 心カテ中のポイントが身につくはなし】

1 穿刺部位を選択するときの観察ポイントは?

2 キシロカイン(R)ショックと迷走神経反射で注意すべきことは?

3 異様に血栓が形成されたら、ヘパリン起因性血小板減少症を疑おう

4 カテーテル挿入後のチェックポイント

5 カテーテルが冠動脈に挿入されるときに注意したいこと

6 冠動脈造影で冠動脈を見るときのコツ①:よく見えるビュー(角度)を探す

7 冠動脈造影で冠動脈を見るときのコツ②:3本の冠動脈、大きさの違いは?

8 冠動脈造影で冠動脈を見るときのコツ③:狭窄の度合いはどれくらい?

9 糖尿病・透析患者の冠動脈、痙攣する冠動脈を見てみよう

【第5章 機器の特徴が身につくはなし】

1 冠動脈攣縮試験で使われる薬剤は?

2 冠動脈攣縮試験の流れを押さえておこう

3 冠攣縮狭心症かどうかを評価するときのポイント

4 テンポラリーペースメーカ植込みの流れ

5 ペーシングカテーテルとテンポラリーペースメーカとの接続

6 病棟で起こりうるテンポラリーペースメーカの合併症とは?

7 スワンガンツカテーテルではフォレスター分類が必須

8 スワンガンツカテーテルの必要物品と手技の流れ

9 スワンガンツカテーテルでは心内圧測定もできる

10 血管内超音波アイバスで血管内診断を行うときにわかること

・索引

・著者紹介

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書籍情報

  • ISBN:9784840482110
  • ページ数:176頁
  • 書籍発行日:2023年10月
  • 電子版発売日:2023年9月14日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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