• ページ数 : 238頁
  • 書籍発行日 : 2023年8月
  • 電子版発売日 : 2023年11月21日
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商品情報

内容

日本泌尿器科学会、日本尿路結石症学会、日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会の3学会で編集された、尿路結石症診療ガイドライン第3版!
10年ぶりの大幅改訂!!
リアルワールドでの尿路結石症の診断・治療に関わる全ての医療従事者の必携書。
是非、ご覧ください。

序文

尿路結石症診療ガイドライン第3版 序

『尿路結石症診療ガイドライン』は日本泌尿器科学会,日本Endourology・ESWL 学会(現日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会),日本尿路結石症学会3 学会公認の診療ガイドラインとして2002 年12 月に出版されました。この診療ガイドラインは日本泌尿器科学会として最初の公認診療ガイドラインとして,日常診療に広く用いられてきました。その後,AUA(American Urological Association),EAU (European Association of Urology)が改訂版,診療ガイドラインのレビューと妥当性の検討や白書など刊行していること,2005 年尿路結石全国疫学調査によるわが国の独自の新知見,およびmedical expulsive therapy(MET),上部尿路結石内視鏡治療など保存的・積極的治療法の進歩や変革などがあり,2013 年に第2 版(2013 年版)がクリニカルクエスチョン(CQ)形式に変更して初版同様に日本泌尿器科学会,日本泌尿器内視鏡学会(現日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会),日本尿路結石症学会の3 学会公認診療ガイドラインとして出版されました。

しかし,2015 年尿路結石全国疫学調査で尿路結石症と生活習慣病が関連するというエビデンスがより明確になったことや高齢化社会を反映して下部尿路結石症の罹患率が増加したこと,percutaneous nephrolithotripsy(PNL/PCNL)の細径化,flexible-transurethral lithotripsy( f-TUL)の急速な普及,endoscopic combined intrarenal surgery( ECIRS)の出現などの上部尿路結石内視鏡治療が大きく変化したこと,などから第3 版を従来同様に日本泌尿器科学会,日本尿路結石症学会,日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会,3 学会公認診療ガイドラインとしてMinds 診療ガイドライン作成マニュアル2017 に従い,手順の透明化すなわち作成手順の明記,綿密かつ体系的な作成方法,先入観と偏りを避け,現場での適応などを重視して作成しました。

改訂にあたって多大な労力を惜しみなく傾注していただきました各委員長はじめ各委員の方々と文献検索にご尽力いただいた札幌医科大学医療統計・データ管理学ならびに札幌医科大学公衆衛生学講座,さらに外部評価委員とリエゾン委員の皆様に改めて感謝を申し上げます。

本診療ガイドラインがリアルワールドで尿路結石症を診断・治療されておられる先生や医療関係者に大いに活用していただくとともに医療利用者と医療提供者の協働意思決定(shared decision making:SDM)を支援するために役立つことを期待しております。また,ご意見・ご批判もいただき,皆様のお力によって今後の改訂に際してもより良い診療ガイドラインに育つことを願っております。


2023年8月

日本泌尿器科学会 理事長 江藤 正俊
日本泌尿器科学会 前理事長 野々村祝夫
日本尿路結石症学会 理事長 宮澤 克人
日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 理事長 武中  篤

目次

はじめに

Ⅰ 尿路結石症診療ガイドライン改訂の背景と目的

Ⅱ 尿路結石症診療ガイドライン(第 3 版)の使用方法

Ⅲ 手術用語の略称について

Ⅳ 診療アルゴリズム

Ⅴ クリニカルクエスチョンの推奨と解説

Ⅵ クリニカルクエスチョンと推奨文

Ⅶ 重要用語の定義

Ⅷ 略語一覧

第 1 章 尿路結石症診療ガイドライン(第 3 版)のスコープ,作成組織と作成経過

Ⅰ スコープ

Ⅱ 作成組織

Ⅲ 作成経過

Ⅳ クリニカルクエスチョンと診療アルゴリズム

Ⅴ システマティックレビューと推奨作成

Ⅵ 尿路結石症診療ガイドライン(第 3 版)の公開と普及

第 2 章 尿路結石症の疫学

Ⅰ はじめに

Ⅱ これまでの全国疫学調査の概要

Ⅲ 世界的な疫学的動向

Ⅳ 全国疫学調査の将来的展望

Ⅴ おわりに

第 3 章 尿路結石の診断と保存的治療

アルゴリズム 1:初期評価~治療まで

CQ1:尿路結石による閉塞性腎盂腎炎患者に対して,積極的治療(腎瘻造設や尿管ステント留置)を行うことは,保存的治療と比較して,推奨されるか?

CQ2:自然排出が期待できる上部尿路結石を有する患者に対して,一定期間,保存的治療(経過観察や排石促進療法)を行うことは,積極的治療(結石除去)と比較して,推奨されるか?

CQ3:尿管結石を有する患者に対して,結石の排出促進を目的として,薬物(α1 受容体遮断薬,抗コリン薬,カルシウム拮抗薬,ウラジロガシエキス,漢方製剤)の投与は,非投与例と比較して,推奨されるか?

関連事項の解説

1 問診・理学所見と臨床検査

2 画像診断

3 疼痛緩和と medical expulsive therapy

4 閉塞性腎盂腎炎

5 高齢者や長期臥床患者に対する初期評価と保存的治療

6 妊婦や小児に対する初期評価と保存的治療

第 4 章 尿路結石の積極的治療

アルゴリズム 2:尿管結石除去に対する治療方針

アルゴリズム 3:腎結石除去に対する治療方針

CQ4:尿管結石(10㎜未満)を有する患者に対して,TUL/URS を行うことは,ESWL と比較して,推奨されるか?

CQ5:腎結石(20㎜以上)を有する患者に対して,ECIRS/TAP を行うことは,PNL/PCNL(単独),f-TUL/URS(単独)や ESWL と比較して,推奨されるか?

CQ6:無症候性のサンゴ状結石を有する患者に対して,経過観察することは,積極的治療(結石除去療法)と比較して,推奨されるか?

CQ7:サンゴ状結石を有する患者に対して,ECIRS/TAP を行うことは,PNL/PCNL 単独治療と比較して,推奨されるか?

CQ8:腎結石(10㎜以上,20㎜未満)を有する患者に対して,f-TUL/URS を行うことは,ECIRS/TAP,PNL/PCNL や ESWL と比較して,推奨されるか?

CQ9:抗血栓療法中の上部尿路結石を有する患者に対して,抗血栓薬を継続して TUL/URS を行うことは,抗血栓薬を中止して TUL/URS を行うことと比較して,推奨されるか?

関連事項の解説

1 手術用語の解説

2 体外衝撃波砕石術(ESWL)

3 経尿道的腎尿管砕石術(TUL/URS)

4 経皮的腎尿管砕石術(PNL/PCNL)

5 内視鏡併用腎内手術(ECIRS/TAP)

6 下部尿路結石に対する積極的治療

7 妊婦や小児に対する積極的治療

8 特殊な症例に対する積極的治療

9 導入が予想される新規積極的治療

10 積極的治療を行わない腎・尿管結石の考え方

第 5 章 尿路結石症の再発予防

アルゴリズム 4:尿路結石症の再発予防

アルゴリズム 5:シュウ酸カルシウム結石に対する再発予防

アルゴリズム 6:リン酸カルシウム結石に対する再発予防

アルゴリズム 7:尿酸結石に対する再発予防

アルゴリズム 8:感染結石に対する再発予防

アルゴリズム 9:シスチン結石に対する再発予防

CQ10:尿化学検査値異常を有するシュウ酸カルシウム結石患者に対して,種々の薬物療法(サイアザイド,クエン酸製剤,尿酸生成抑制薬,マグネシウム製剤)を行うことは,非投薬例と比較して,シュウ酸カルシウム結石の再発予防に推奨されるか?

CQ11:尿路結石再発の低リスク患者および高リスク患者に対して,24 時間蓄尿あるいは随時尿による尿化学検査を行うことは,非実施例と比較して,尿路結石の原因追及や再発予防に推奨されるか?

CQ12:生活習慣病やメタボリックシンドローム(糖尿病,高血圧や脂質異常症など)を有する尿路結石症患者に対して,合併する疾患の治療を行うことは,非治療例と比較して,結石再発率の低下のために推奨されるか?

関連事項の解説

1 再発予防のための臨床検査

2 再発予防のための経過観察法

3 再発予防のための生活指導

4 再発予防のための薬物療法

第 6 章 尿路結石症に関する補完項目

関連事項の解説

1 AUA と EAU のガイドラインとの比較

2 遺伝子検査と遺伝カウンセリング

3 薬剤が関与する尿路結石

4 尿路結石の発生や治療に関する基礎研究の現況

5 尿路結石症と医療経済評価

6 食品中の結石関連物質の含有量

附表

食品中のシュウ酸,およびプリン体の含有量

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書籍情報

  • ISBN:9784865175431
  • ページ数:238頁
  • 書籍発行日:2023年8月
  • 電子版発売日:2023年11月21日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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