New Simple Step 公衆衛生 第2版

  • ページ数 : 430頁
  • 書籍発行日 : 2023年11月
  • 電子版発売日 : 2023年11月24日
¥7,150(税込)
ポイント : 130 pt (2%)
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商品情報

内容

3年ぶりの改訂!新型コロナウイルス感染症による影響や平成27年の人口モデルを用いた死亡率統計など、内容が大きく変わりました。

公衆衛生は社会環境の変化によって大きく変貌します。今回の改訂では、新型コロナウイルス感染症の流行などの影響もあり、統計データにも大きな変化がありました。
最新の情報を体系的に学ぶには、本書のような教科書スタイルが不可欠です。圧倒的な情報量でしっかり、確実に学びたい学生にお勧めです。

序文

『New Simple Step 公衆衛生』第2版刊行にあたって

2020年に初版を出してからすでに3年が経過しました。この間に2019年の執筆段階で誰も予想していなかったSARS-CoV-2がパンデミックを起こし,社会に衝撃的な影響を与えました。政府は矢継ぎ早にありとあらゆる人的物的資源を投入するとともに,法制度改正を繰り返し,パンデミックの拡大阻止を試みました。その一方で,世界に誇る我が国の保健医療体制の脆弱性も明らかになりました。COVID-19の流行はまだ懸念されますが,すでに出生数の急激な低下という爪痕が明らかになっています。まさに激動の3年間であり,それに伴って本書の記載も改めるべき箇所が増えてきたため,今回の改訂版を出す運びとなりました。

本書の素材は1998年に著者らが執筆した『STEP公衆衛生』で,後に『Simple Step公衆衛生』と名称を改めましたが,合計14回の改訂を重ね,25年間に渡って読み継がれてきました。学生として初版をお読みになった皆さんの多くが今では医療界を支える中核メンバーになっていることを考えると,著者としても感慨深いものがあります。

公衆衛生学は科学としての進歩に加え,社会環境の変化によって大きく変貌します。著者は改訂の度にそれらを反映させてきましたが,改めて初版から順次読み直すと,わが国が歩んできた保健医療の道筋がくっきり浮かび上がります。バブル経済の崩壊と自殺率の大幅な上昇,一段と進む高齢化に伴って漸増する財政負担,一向に成果を上げられない少子化対策,グローバル化の中での国際的な地位低下など暗い面が目立ちますが,世界は高齢化のトップランナーである日本が困難な状況の中で課題を解決する様子を興味深く見守っており,期待もしています。公衆衛生学はそれに最も貢献できる学問であり,皆さんには単に履修単位を獲得するという動機ではなく,社会政策を考えるという意気込みをもって学んでいただきたいと思います。奇しくも本書の年齢は皆さんと同じくらいであり,今後も皆さんとともに進歩していきたいと考えています。


2023年10月

高橋 茂樹
西   基

目次

保健医療論

第1章 予防医学と健康増進

A.健康疾病障害の概念と社会環境

 1.健康と環境

 2.疾病障害の概念と社会

B.予防医学と健康保持増進

 1.公衆衛生とは

 2.予防医学

 3.ハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチ

 4.プライマリヘルスケア

 5.健康保持増進

 6.行政レベルでの健康づくり

 7.健康教育

第2章 疫 学

A.疫学の基本概念

 1.疫学指標

 2.記述疫学

B.統計解析

 1.代表値

 2.標準偏差と正規分布

C.分析疫学

 1.コホート研究(要因対照研究)

 2.症例対照研究

 3.コホート研究と症例対照研究の比較

 4.偶然誤差

 5.バイアス

 6.精度と正確度

D.介入研究

 1.介入研究の目的と倫理

 2.介入研究の実際

E.横断研究

F.臨床疫学

 1.臨床疫学とは

 2.スクリーニング検査

 3.カットオフ値とトレードオフ

 4.ROC(Receiver Operating Characteristic)曲線

 5.メタ分析

 6.Evidence Based Medicine(EBM)

第3章 人口統計保健統計

A.人口静態統計

 1.全国の人口の動向

 2.都道府県別人口の動向

 3.世界人口の動向

B.人口動態統計

 1.出生と再生産

 2.死 亡

 3.平均余命

 4.婚姻と離婚

 5.死因統計

C.疾病統計

 1.国民生活基礎調査

 2.患者調査

 3.受療行動調査

第4章 社会保障制度と医療経済

A.社会保障

 1.社会保障の理念

 2.社会保険

 3.社会福祉

 4.保 健

B.医療保険

 1.医療保険の歴史

 2.医療保険制度

 3.公費医療

 4.保険診療

C.国民医療費

 1.総医療費

 2.国民医療費の国際比較

第5章 保健医療の仕組み

A.地域保健法

B.保健医療の組織

C.福祉の組織

第6章 保健医療福祉の資源

A.施設と機能

 1.病院と診療所

 2.医療機関の機能分化

 3.その他の施設

B.保健医療福祉の従事者

 1.従事者の実情

 2.従事者の資格法

 3.業務独占と名称独占

C.チーム医療

第7章 地域保健と地域医療

A.医療計画

 1.医療計画とは

 2.地域医療構想

 3.診療所および病院の開設と医療法

 4.有床診療所の病床

B.救急医療と災害対策

 1.救急医療

 2.災害医療

C.へき地医療

第8章 保健医療関係法規と証明書

A.医師法

 1.医師の義務と免許

 2.医師の業務

B.医療法

 1.病院および診療所

 2.医療法人

 3.広告制限

 4.インフォームドコンセント

 5.入院診療計画書

 6.診療関連死

C.刑 法

D.麻薬及び向精神薬取締法

 1.薬物の定義

 2.麻薬の取締り

 3.麻薬の取扱記録届出

E.医師の届出先

F.医薬品医療機器等法

G.診療情報と諸証明書

 1.診療録

 2.処方箋

 3.診療情報提供書と退院時要約

H.死亡診断書と死体検案書

 1.作成の条件

 2.死亡診断書(死体検案書)の作成

 3.死因の記載

第9章 医療事故とその防止

A.医療事故

 1.医療事故と医療過誤

 2.医道審議会

 3.インシデント,アクシデント

B.医療危機管理

 1.危機管理

 2.危機管理の実際

C.医療安全支援センター

D.医療事故調査制度

E.PDCA サイクル

F.臨床機能評価指標

第10章 国際保健

A.国際保健のあゆみ

B.保健にかかわる国際機関と活動

C.国際保健協力

公衆衛生各論

第1章 母子保健

A.母子保健の現状と動向

 1.早期新生児,新生児,乳児

 2.死 産

 3.周産期死亡

 4.妊産婦死亡

 5.児童死亡

B.母子保健関係法規

 1.母子保健法

 2.母体保護法

 3.児童虐待の防止等に関する法律

 4.健やか親子21

 5.少子化対策

C.新生児乳児マススクリーニング

 1.先天代謝異常等検査

 2.聴覚検査

第2章 成人保健

A.生活習慣病

B.配偶者からの暴力の防止及び被害

者の保護に関する法律

第3章 高齢者保健および介護保険

A.高齢者の現状と対策

 1.高齢者の健康状態

 2.高齢者虐待防止法

B.地域包括ケア

C.在宅ケア

 1.在宅医療

 2.訪問看護

D.介護保険

 1.制度の概要

 2.保険者被保険者および保険料

 3.保険事故

 4.ケアプラン

 5.介護保険サービス

 6.地域包括支援センターと地域支援事業

 7.費用負担と保険給付

E.高齢者の医療の確保に関する法律(高齢者医療確保法)

F.老人福祉法

第4章 障害者保健福祉

A.障害と障害者の概念

B.障害者(児)の動向

C.障害者保健福祉施策の推進

 1.関連法と施策の変遷

 2.障害者総合支援法

D.障害者虐待の防止,障害者の養護者に対する支援等に関する法律

第5章 精神保健

A.精神保健福祉法

 1.精神保健福祉のあゆみ

 2.精神障害者と入院形式

 3.社会復帰対策

 4.その他の規定

B.精神保健業務

 1.保健所

 2.精神保健福祉センター

C.精神保健の動向

D.発達障害者支援法

第6章 感染症とその対策

A.感染症の動向

 1.わが国が直面する問題点

 2.重要な感染症の統計

 3.麻 疹

 4.性感染症

 5.結 核

 6.後天性免疫不全症候群

B.感染症法

 1.感染症の類型と届出

 2.主な対人措置

 3.結核に関する特別規定

 4.特定病原体等の管理体制

 5.感染症発生動向調査

 6.感染症流行予測調査事業

C.検疫法

D.予防接種法

 1.予防接種

 2.生ワクチンと不活化ワクチン

E.院内感染対策

第7章 国民栄養と食品保健

A.国民栄養の現状と対策

 1.食事摂取基準

 2.国民健康栄養調査と摂取状況

 3.生活習慣の改善

B.食品の安全性と機能性

 1.食品衛生に関する法律

 2.健康食品対策

 3.食品安全基本法とHACCP 手法

C.食中毒

 1.食中毒とは

 2.食中毒統計

第8章 学校保健

A.学校保健安全法

 1.法の目的と専門職

 2.児童生徒等の健康診断

 3.学校感染症と出席停止

 4.学校給食と食育

B.学童の健康状況

 1.学校保健統計調査

 2.学校管理下における学童学生の死亡状況

 3.児童生徒の問題行動不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査

第9章 産業保健

A.健康管理体制

 1.労働安全衛生法

 2.産業保健活動の推進

 3.労働基準法による女性の就業制限

 4.男女雇用機会均等法

B.産業保健の方法

 1.作業環境管理

 2.健康管理

 3.作業管理

C.労働災害の現状と動向

 1.労働災害統計

 2.労働者災害補償保険法と業務上疾病

D.健康影響と職業病

 1.金属中毒

 2.有機溶剤中毒

 3.有機化合物中毒

 4.ガス体中毒

 5.農薬中毒

 6.物理的原因による疾患

 7.じん肺

 8.酸素欠乏症

 9.作業態様による障害

 10.作業関連疾患

 11.職業癌

第10章 環境保健

A.地球環境の変化と健康影響

 1.地球の温暖化

 2.オゾン層の破壊

 3.酸性雨

 4.森林破壊

 5.砂漠化

B.公害とその対策

 1.主な公害のエピソード

 2.環境基本法

C.環境汚染

 1.生態系と生物濃縮

 2.近年問題となった有害物質

D.廃棄物処理

 1.廃棄物の処理及び清掃に関する法律

 2.廃棄物対策

E.大気汚染

 1.環境基準

 2.汚染物質と環境基準達成率

 3.排出基準

F.水質汚濁

 1.環境基準

 2.排水基準

G.上水道と下水道

 1.普及率

 2.浄水法と飲料水

H.居住環境と健康

 1.シックハウス症候群

 2.建築物衛生法

第11章 終末期ケアと死

A.緩和ケア

B.終末期ケア(ターミナルケア)

 1.終末期

 2.quality of life(QOL)

 3.疼痛に対する治療

 4.尊厳死とliving will

 5.安楽死

C.脳死と臓器移植

 1.心臓死と脳死

 2.臓器の移植に関する法律(臓器移植法)

 3.脳死判定基準

D.異状死

E.死体現象

第12章 医師のプロフェッショナリズム

A.医の倫理

 1.求められる背景

 2.臨床医として

 3.医師の職業倫理指針

B.患者の権利

 1.患者と医師の関係

 2.自己決定権

 3.リスボン宣言

 4.インフォームドコンセント

C.臨床試験治験と倫理

 1.ヘルシンキ宣言

 2.医薬品の臨床試験の実施の基準

 3.クローン技術

 4.人を対象とする生命科学医学系研究に関する倫理指針(人指針)

 5.施設内倫理委員会

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欧文索引

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書籍情報

  • ISBN:9784883789313
  • ページ数:430頁
  • 書籍発行日:2023年11月
  • 電子版発売日:2023年11月24日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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