Dr.夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎 改訂第2版

  • ページ数 : 276頁
  • 書籍発行日 : 2023年9月
  • 電子版発売日 : 2023年12月8日
¥15,400(税込)
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商品情報

内容

毒虫先生の大ヒット臨床図鑑がパワーアップして帰ってきた!
自らが実験台になり様々な虫に刺されて記録した虫と皮膚炎の臨床像を,網羅的に記載した「医学書&図鑑」です.
虫の種類や項目が強化され,虫による皮膚炎の診断と治療に必須のアイテムです.
医療従事者だけでなく,一般のご家庭にもおすすめです.
虫の姿と動きがわかるWeb動画つき!

序文

改訂第2版序文


拙著「Dr. 夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎」を2013年に出版してから10年が経過した.幸いにも,発刊してから多くの方々から好評を得ることができた.皮膚科医だけでなく,小児科医,救急医,そして一般開業医の先生方からも,日常診療に役立つ本としてお褒めの言葉を頂戴した.そして意外だったのは,医学専門書として出版したにもかかわらず,多くの一般読者の方々にもご支持いただけたことである.

特に,虫好きの子供たちが目を輝かせてこの本を眺めていた,という話をよく耳にした.このように,拙著が世間に広く認識されて一定の評価を得たことは,著者として嬉しい限りである.

初版では,国内で皮膚炎を起こす主な虫とその生息環境,そしてその虫による臨床像を網羅する,という過去にない画期的な内容で出版することができて,自分なりにその完成度の高さに満足していた.しかし一方で,皮膚炎を起こすことが知られているが拙著に掲載されていない虫も少なくないことがずっと気になっていた.

いつかはこれらすべてを網羅する形で増補改訂ができないものか,と考えていた.

そのために,全国を行脚しつつ,より多くの虫を観察・採集・撮影する活動を精力的に続けていた.初版発行後に国内での生息や被害が確認されたヒアリ,タイワンタケクマバチ,ネッタイトコジラミなどの虫も現れたので,その情報集めにも奔走した.それでも,自分一人だけの力ではすべての虫を集めることは困難であり,多くの先生方や知人,友人などに多大なるご協力をいただくことで,より充実した内容にすることが可能となり,今回の改訂第2版では100種類以上の虫を追加することができた.

本書でも,初版と同様に虫の生息環境,生態,標本,臨床像など,すべての写真を自分自身で撮影することにこだわった.また,これも初版同様,多くの虫について,自らの皮膚を実験台にして皮膚症状の臨床経過や病理組織像を確認した.さらに,少しでも虫の生態や動きを感じていただくために,可能な限り動画を撮影し,短時間ではあるがQRコードで動画をご覧いただけるように工夫した.

改訂第2版を制作するにあたっては,初版でお世話になった方々だけではなく,たいへん多くの方々に虫に関する情報や助言,生体や標本などのご提供をいただいた.中でも,埼玉医科大学の高橋守先生,大阪市立自然史博物館の松本吏樹郎先生には貴重な所蔵標本をご提供いただき,撮影させていただいた.石垣島在住の山田守氏には南西諸島の虫で長年,お世話になっていたが,残念ながら2020年にご逝去された.山田氏には心より哀悼の意を表したい.その他にも,特にお世話になった方々のお名前を末尾に掲げたが,これらの方々以外にも,日本衛生動物学会の諸先生方,大阪昆虫同好会の会員諸氏,そして全国の多くの虫仲間にもたいへんお世話になった.この場をお借りして心より御礼を申し上げたい.

皮膚科の分野では,いつも私の活動にご理解をいただいている兵庫医科大学皮膚科学講座主任教授の金澤伸雄先生,長年に渡ってご指導いただいた兵庫医科大学名誉教授の山西清文先生,そして,日頃から医局での私の活動をご支援いただいている教室の諸先生方,および同門の諸先生方にも厚く御礼申し上げる.

本書制作にあたって,株式会社Gakkenメディカル出版事業部の宇喜多具家氏には私のこだわりの本の実現に向けて数々のご無理をお願いし,多大なるご尽力をいただいた.宇喜多氏,ならびに編集部のスタッフの方々にも御礼を申し上げる.

末筆ながら,常日頃より私の活動に多大なるご支援とご理解をいただいている恩師の髙田伸弘先生,そして長年に渡って日常生活はもちろん,あらゆる面で私を支えてくれた最愛の妻に改めて心から感謝の意を伝えたい.


2023年8月

夏秋 優

目次


序文

本書の使い方

本書のWeb動画について

1章 総論

1.「虫」とは何か

2.虫による皮膚炎の発症機序

解説遅発反応とは

解説アレルギーのしくみ

3.皮膚炎をおこす虫

4.虫による皮膚炎の診断

5.虫による皮膚炎の治療

6.虫による皮膚炎の予防対策

7.忌避剤と殺虫剤の種類と使い方,選び方

文献

コラム:虫による皮膚炎の臨床像と病理組織像─『浸潤性紅斑』とは?

2章 虫の生息地

虫の生息地

①人家周辺

②市街地

③里山

④渓流

⑤河原

⑥高原

⑦湿原

⑧高山

⑨北海道の山野

⑩海辺

⑪亜熱帯

コラム:昆虫少年

3章 皮膚炎をおこす虫と虫による皮膚炎

刺咬によって皮膚炎をおこす虫

刺咬によって皮膚炎をおこす虫 ハチ

ハチ類総説

コラム:ハチ毒の成分

オオスズメバチ

ヒメスズメバチ

キイロスズメバチ

チャイロスズメバチ

コガタスズメバチ

ツマアカスズメバチ

ツマグロスズメバチ

クロスズメバチ

各種のクロスズメバチ類

ホオナガスズメバチ類

単独生活をするハチ類

スズメバチ類の巣

セグロアシナガバチ

キアシナガバチ

アシナガバチ類の巣

フタモンアシナガバチ

ミツバチ類

クマバチ

コラム:ポイズンリムーバー

タイワンタケクマバチ

マルハナバチ類

シバンムシアリガタバチ

シバンムシ

キアシアリガタバチ

刺咬によって皮膚炎をおこす虫 アリ

オオハリアリ

その他のハリアリ①トゲオオハリアリ

その他のハリアリ②オキナワアギトアリ

ヒアリ

アカカミアリ

エゾアカヤマアリ

その他の咬むアリ

海外の危険なアリ

刺咬によって皮膚炎をおこす虫 カメムシ

ヨコヅナサシガメ

中南米のサシガメ

オオトビサシガメ

その他のサシガメ

マツモムシ

刺す水生昆虫:タガメとコオイムシ

刺咬によって皮膚炎をおこす虫 ムカデ

ムカデ類総説

トビズムカデ

トビズムカデのライフサイクル

海外のムカデ

コラム:ムカデの毒

コラム:ムカデに咬まれたら冷やす?温める?

刺咬によって皮膚炎をおこす虫 クモ

カバキコマチグモ

オオクロケブカジョウゴグモ

セアカゴケグモ

セアカゴケグモの生息環境

コラム:日本に定着したセアカゴケグモ

海外のクモ

刺咬によって皮膚炎をおこす虫 サソリ

ヤエヤマサソリ

コラム:サソリの毒

マダラサソリ

海外のサソリ

吸血によって皮膚炎をおこす虫

双翅類(ハエ類)総説

吸血によって皮膚炎をおこす虫 カ

アカイエカ

コラム:カ刺症における皮膚反応

ヒトスジシマカ

コラム:蚊刺過敏症

コラム:カ刺症と血液型

コラム:医学生のカ刺症における皮膚反応

コラム:カが媒介する感染症

吸血によって皮膚炎をおこす虫 ブユ

キタオオブユ

キアシオオブユ

アシマダラブユ

キアシツメトゲブユ

コラム:ブユ刺症と慢性痒疹

吸血によって皮膚炎をおこす虫 ヌカカ

シナノヌカカ

ヌノメモグリヌカカ

イソヌカカとニワトリヌカカ

トクナガクロヌカカ

沖縄県久米島のクロヌカカ:アーサ虫

吸血によって皮膚炎をおこす虫 アブ

アカウシアブ

キンイロアブ

ヤマトアブ

ヤマトアブ刺症

イヨシロオビアブ

アオコアブ

吸血によって皮膚炎をおこす虫 ノミ

ネコノミ

スズメトリノミ

ニワトリノミ

国内絶滅危惧種!?人吸血性のノミ類

吸血によって皮膚炎をおこす虫 トコジラミ

トコジラミ

トコジラミの生息環境と駆除対策

トコジラミ刺症

ネッタイトコジラミ

コラム:うそ寝作戦

ツバメトコジラミ

トコジラミ刺症の臨床的特徴

吸血によって皮膚炎をおこす虫 シラミ

アタマジラミ

コロモジラミ

ケジラミ

フェノトリンによるシラミの駆除

吸血によって皮膚炎をおこす虫 ダニ

ダニ類総説

タカサゴキララマダニ

タカサゴキララマダニのライフサイクル

コラム:タカサゴキララマダニ刺症に伴う紅斑 Tick-associated rash illness(TARI)

海外のマダニ

コラム:マダニの除去法

フタトゲチマダニ

コラム:マダニ刺症に類似した皮膚疾患

シュルツェマダニ

コラム:ライム病の遊走性紅斑

ヤマトマダニ

人に吸着するマダニ類

マダニが媒介する感染症

タテツツガムシ

アカツツガムシ

イエダニ

スズメサシダニ

トリサシダニ

ワクモ

コラム:イエダニ刺症とツメダニ刺症

フトツメダニ

コラム:ダニに関する認識と誤解

シラミダニ

疥癬

接触によって皮膚炎をおこす虫

鱗翅類(チョウ・ガ)総説

接触によって皮膚炎をおこす虫 ガ(毒針毛型)

チャドクガ

チャドクガ幼虫による皮膚炎の経過と病理組織像

コラム:チャドクガの毒針毛による皮膚炎の予防対策

コラム:チャドクガ幼虫による皮膚炎の発症機序解明

チャドクガのライフサイクル

ドクガ

モンシロドクガ

キドクガ

マイマイガ

タイワンキドクガ

マツカレハ

嫌われ者のドクガ類とカレハガ類

ヒロヘリアオイラガ(繭)

接触によって皮膚炎をおこす虫 ガ(毒棘型)

ヒロヘリアオイラガ

ヒロヘリアオイラガ幼虫の毒棘による皮膚炎

コラム:イラガ類の毒棘と毒棘による皮膚反応

アオイラガの仲間

ヒロヘリアオイラガのライフサイクル

イラガ

ヒメクロイラガ

タケノホソクロバ

ヤネホソバ

接触によって皮膚炎をおこす虫 チョウ

ツマグロヒョウモン

鋭い棘を有するタテハチョウ類の幼虫

鞘翅類(甲虫類)総説

接触によって皮膚炎をおこす虫 ハネカクシ

アオバアリガタハネカクシ

コアリガタハネカクシ

線状皮膚炎の時間経過

接触によって皮膚炎をおこす虫 カミキリモドキ

アオカミキリモドキ

コラム:アオカミキリとアオカミキリモドキ

ハイイロカミキリモドキ

ズグロカミキリモドキ

カミキリモドキ類

コラム:ツマグロカミキリモドキと兵隊虫勝負

接触によって皮膚炎をおこす虫 ツチハンミョウ

ヒメツチハンミョウ

ムラサキオオツチハンミョウ

接触によって皮膚炎をおこす虫 マメハンミョウ

マメハンミョウ

ヒラズゲンセイ

接触によって皮膚炎をおこす虫 ゴミムシ

ミイデラゴミムシ

オオホソクビゴミムシ

臭いを出すオサムシ類

接触によって皮膚炎をおこす虫 カメムシ

クサギカメムシ

コラム:鮮やかなカメムシ類

室内に侵入するカメムシ類

接触によって皮膚炎をおこす虫 サソリモドキ

アマミサソリモドキ

タイワンサソリモドキ

ヤスデ類

4章 人に害を及ぼさない虫/虫による皮膚炎と鑑別すべき皮膚疾患

人に害を及ぼさない虫

ケムシ

イモムシ

家屋内とその周辺の虫

ツマアカクモバチ

野外の虫

コラム:「害虫」とは何か

虫による皮膚炎と鑑別すべき皮膚疾患

蕁麻疹

自家感作性皮膚炎

薬疹・中毒疹

伝染性膿痂疹

蜂窩織炎

皮膚カンジダ症

マラセチア毛包炎

水痘と帯状疱疹

ジアノッティ・クロスティ症候群

IgA血管炎

水疱性類天疱瘡

付録 虫の大きさ比較(実物大)

索引

虫の種名索引

索引

参考図書

最終コラム 虫の一分 ─あとがきにかえて

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書籍情報

  • ISBN:9784059886303
  • ページ数:276頁
  • 書籍発行日:2023年9月
  • 電子版発売日:2023年12月8日
  • 判:AB判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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