医師の働き方改革 完全解説

  • ページ数 : 472頁
  • 書籍発行日 : 2023年11月
  • 電子版発売日 : 2023年12月20日
¥4,840(税込)
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商品情報

内容

「医師の働き方改革」に取り組むすべての関係者にとっての必携書。
2024年4月の法律施行までに必要な対応を徹底解説します。

「医師の働き方改革」に関する法令の施行が2024年4月に迫る中、医師・医療機関にはどのような対応が求められているのか──。厚生労働省で医師の働き方改革の施策に携わった弁護士を筆頭に、医療法務・労働法務に精通する弁護士陣が、時間外労働の上限規制や特例水準の指定、医師に関係する労働時間制度や宿日直許可、面接指導や勤務間インターバル、医師労働時間短縮計画、タスクシフト・シェアなど、医師の働き方改革に関する最新の法令解釈や実務運用について徹底解説します。

序文

はしがき

本書は、令和6年4月開始の医師の働き方改革(医師の時間外労働の上限規制、面接指導、勤務間インターバル・代償休息)について、厚生労働省から示されている通達やQ&A を含め、詳細かつ網羅的に制度解説を行うとともに、医師の働き方改革に関連する制度等についても解説するものとなっている。本書があれば、医師の働き方改革の対応が可能となるよう、情報の一元化を目指したところである。

本書は、TMI 総合法律事務所において、労働法プラクティスグループやヘルスケアプラクティスグループに所属する、労働法分野や医療分野を専門とする弁護士を中心に執筆されたものである。私を含む厚生労働省出向経験者の弁護士、労働基準監督官出身の弁護士、医師免許を持つ弁護士等、幅広いバックグラウンドを持つ弁護士により、実務的な観点も含め、実践的な内容に仕上げている。

本書の読者層として想定しているのは、主として医療機関(医療従事者・医療機関関係者)であり、医療機関が医師の働き方改革を進める上で必要な情報を盛り込むことを第一とした。また、医師の働き方改革には、国や都道府県の担当者、医療勤務環境改善支援センターや医療機関勤務環境評価センターの関係者、医師会等の公益法人、医療機関の顧問を務める弁護士や社会保険労務士等の専門家等、様々な方々が関わることから、こういった方々の業務の一助にもなればという思いで執筆している。

医師の働き方改革は制度全体が難解な上に、労働基準法、医療法、労働安全衛生法といった複数の法令にまたがっている。私が厚生労働省で勤務していたときも、医師の働き方改革に関する通達やQ&A 等を作成する上で、その前提となる法的整理にかなり苦心したことを覚えている。そのような経験から、本書の執筆に当たっても、この難解な制度を解説する上で、より分かりやすいものとなるよう、図や表も用いながら可能な限りの工夫を試みたところである。

本書の使い方として、医師の働き方改革の対象となる制度等や関連する制度等については、各項目のタイトルの横に「対象」「関連」というマークを付けているため、目印代わりに見ていただきたい。また、前述の通り、医師の働き方改革は制度全体が難解であるため、医師の働き方改革に関する事項については、第1 章第2 節において、概要(サマリー)を用意している。特に医療機関においては、まずはこの節を読んでいただき、医師の働き方改革の全体像を摑んだ上で、労務管理等の体制整備に着手し、細かいところで分からないことがあれば、第3 章以降の解説を辞書的に活用されることをお勧めする。

なお、巻末には、面接指導や勤務間インターバル・代償休息の就業規則の規定例(解説付き)を載せているため、各医療機関の体制整備の際に活用していただきたい。また、法令や通達等の名称については、12 ページ以下の「凡例」において略語化しているため、本書を読まれる際には適宜参照されたい。

最後に、本書著者の皆様におかれては、多忙を極める中、本書執筆を快くお引き受けいただき、厚く感謝申し上げたい。また、日経メディカル編集部の安藤亮氏におかれては、本執筆に当たり、多大な御協力を賜り、私の作業が遅れがちになる中でも、粘り強く熱心に支えていただき、感謝の念に堪えない次第である。本書の刊行に当たって、御尽力いただいた皆様には重ねて御礼申し上げたい。加えて、本執筆と日々の弁護士業務に忙殺される中、妻の支えと1 歳の息子の笑顔に助けられ、ここまで辿り着けたこと、大変感謝している。

本書が、医療機関をはじめとする、医師の働き方改革に関わる全ての方々において、医師の働き方改革を進める上での一助となれば、

著者一同、幸甚の至りである。


令和5年11月

編著者として 益原大亮

目次

第1章 医師の働き方改革の概要

第1節 医師の働き方改革の経緯

1.「働き方改革実行計画」と「働き方改革関連法」

2.「医師の働き方改革に関する検討会」による議論

3.「医師の働き方改革の推進に関する検討会」による議論

4. 各議論を踏まえた法令整備

第2節 医師の働き方改革の概要(サマリー)

1. 労働時間規制(労基法)

2. 追加的健康確保措置(医療法)

3. 特例水準の指定手続(医療法)

第2章 医師の働き方改革において議論された概念

第1節 労基法上の「労働者」

1. 概要

2. 労働者性の判断基準

3. 医師の労働者性の裁判例

4. 医療法との関係

第2節 医師法上の「応招義務」

1. 概要

2. 応招義務の基本的な考え方(応招義務通知1)

3. 患者を診療しないことが正当化される事例(応招義務通知2)

4. 診療拒否に関する裁判例

第3章 労働時間規制(労基法)

第1節 基本原則

1. 労働時間、休憩、休日の原則

2. 労働時間該当性

3. 労働時間の把握

4. 労働時間の通算(副業・兼業)

第2節 36協定と時間外労働の上限規制

1. 概要

2. 一般業種の時間外労働の上限規制

3. 医師の時間外労働の上限規制

4. 36協定の協定事項

5. 36協定の締結

6. 36協定の届出

7. 災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等

第3節 割増賃金

1. 概要

2. 割増賃金の計算方法

3. 割増賃金の割増率

4. 割増賃金の算定基礎賃金

5. 固定残業代制

第4節 医療機関に関係のある労働時間制度

1. 労働時間制度の全体像

2. 変形労働時間制

3. フレックスタイム制

4. 専門業務型裁量労働制

5. 管理監督者

6. 宿日直許可による宿日直

第5節 労働基準監督署の実務

1. 監督指導の種類

2. 監督指導の流れ

3. 項目ごとの監督指導のポイント

第4章 追加的健康確保措置(医療法)

第1節 面接指導

1. 概要

2. 面接指導の実施要件

3. 面接指導後の対応

4. 各法令の面接指導の関係性

5. 副業・兼業時の面接指導の取扱い

6. 時間外・休日労働が月155時間超の場合の労働時間短縮措置

第2節 勤務間インターバル

1. 概要

2. 対象者

3. A水準の勤務間インターバル

4. 特例水準(特定臨床研修医以外)の勤務間インターバル

5. 特定臨床研修医の勤務間インターバル

6. 災害等による臨時の必要がある場合の例外的取扱い

7. 勤務間インターバル・代償休息の確保方法

8. 勤務間インターバル・代償休息に関する記録の作成・保存

9. 勤務間インターバル・代償休息と就業規則

第3節 追加的健康確保措置に関する行政機関の監査や改善命令等

1. 追加的健康確保措置に関する履行確保の仕組み

2. 都道府県による立入検査

3. 都道府県知事による改善命令

4. 罰則の適用、特例水準の指定取消

第5章 特例水準の指定に関する手続(医療法)

第1節 特例水準の指定に関する手続の全体像

第2節 医師労働時間短縮計画案の作成

1. 概要

2. 時短計画案の作成の流れ(時短計画GL 5~6ページ)

3. 時短計画案の作成内容

4. 特例水準の指定後における時短計画案の取扱い

第3節 医療機関勤務環境評価センターによる評価

1. 概要

2. 評価センターによる評価の流れ

3. 評価項目と評価基準

第4節 C 水準固有の対応・手続

1. C-1 水準の臨床研修プログラム・専門研修プログラム/カリキュラムにおける時間外・休日労働の想定最大時間数の明示

2. C-2 水準における医師の技能研修計画及び医療機関の教育研修環境に関する審査(C-2 水準関連審査)

第5節 都道府県知事による特例水準の指定手続

1. 概要

2. 特例水準とその対象業務の内容

3. 指定要件と必要書類(申請書と添付資料)

4. 指定申請の流れ

5. 指定後の各手続

第6章 医師の働き方改革の実務対応

第1節 労働時間短縮のための対応

1. 概要

2. 労働時間や業務実態の現状把握と分析

3. 労働時間短縮のための各方策

第2節 タスク・シフト/シェア

1. 概要

2. 各法令の下でのタスク・シフト/シェア

3. 法令改正によるタスク・シフト/シェアの推進

4. タスク・シフト/シェアの際の留意点

第3節 行政支援の活用

1. 概要

2. 勤改センターによる支援

3. 宿日直許可に関する相談支援

4. 財務面での支援

5. 情報発信

第7章 働きやすい職場

第1節 育児・介護

1. 育児に関する制度・措置

2. 介護に関する制度・措置

3. 個別周知・意向確認の措置及び雇用環境の整備

第2節 ハラスメント

1. 概要

2. パワーハラスメント

3. セクシュアルハラスメント

4. 職場における妊娠・出産・育児等に関するハラスメント

5. ハラスメント事案が発生した場合の責任等

巻末資料

就業規則の規定例

関係資料集

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書籍情報

  • ISBN:9784296203765
  • ページ数:472頁
  • 書籍発行日:2023年11月
  • 電子版発売日:2023年12月20日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
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