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- 奥田 誠
- フローチャートと動画でみる輸血検査
商品情報
内容
・自分の検査手技に自信がない。
・他の施設ではどのように運用しているのだろう?
本書は、これらの疑問や悩みにこたえ、輸血医療の安全性をより一層高めるべく、日本輸血・細胞治療学会(監修)のもと、輸血検査技術講習委員会のメンバーが中心となって編集・執筆しました。検査室で傍らに置いてご活用ください。
【本書の構成】
■日常的に行われる検査の手順はフローチャートで示し、目的、準備するもの、臨床的意義、手技のポイント、検査の注意点、結果と解釈とともに解説しました。
■とくに重要な検査には動画も収載しています。2次元コードから動画で正しい手技を確認することができます。
■日常検査で遭遇し得る予期せぬ反応への対処法や精度管理、症例集も掲載しています。
序文
序文
本書は,臨床検査技師を目指す学生,輸血検査を行う初学者ならびに医療機関で輸血関連業務に従事している各医療職種の方々に,正しい輸血検査の手技や検査の手順について参考になる実用書としてご活用いただきたい.
輸血検査の歴史は浅く,1900年にKarl Landsteiner 博士によりABO 血液型が発見され,1945年にRobert Royston Amos Coombs により輸血検査に必須な抗グロブリン試験が開発された,わずか100年余りの歴史で急速な進歩を遂げてきた検査領域です.
国内で輸血療法が実施されている医療機関はおよそ10,000施設とされており,ほとんどの医療機関で輸血前の検査としてABO 血液型,RhD 血液型,交差適合試験などが実施されています.しかし,それら検査の手技が必ずしも標準化されていない現状があります.
日本輸血・細胞治療学会では,輸血を受ける患者さんはすべて平等に安全であるべきと考えます.日本輸血・細胞治療学会で全国的な標準化を目指して輸血検査技術講習委員会を組織し,講義ならびに実技講習会を開催しています.あわせて学会ホームページ上に「輸血のための検査マニュアル」も公開し,正しい検査手順,正しい結果解釈について指導を行っています.安全な輸血療法は,正しい検査手技ならびに知識があってはじめて成り立つものです.
本書は,日本輸血・細胞治療学会監修のもと,日本輸血・細胞治療学会 輸血検査技術講習委員会の経験豊富な委員を中心に編集,執筆を行いました.具体的な検査の手順(フローチャート)を明示し,重要な検査手技については操作手順の確認ができるようにYouTube を活用した動画再生で常に正しい検査手技の確認が行えるように工夫しました.
日常起こり得る「予期せぬ反応」への対処や特殊な技術についても詳細にわかりやすく解説しており,学生教育や日常業務にご活用いただけるものと確信しております.
最後に,本書刊行にあたりご助言を頂きました,日本赤十字社血液事業本部長の紀野修一先生,同関東甲信越ブロック血液センター検査部の常山初江先生,撮影場所の提供ならびに撮影のご協力を頂きました,日本赤十字社北海道ブロック血液センター,同品質部の鈴木理映子先生,三浦邦彦先生,急遽撮影の応援に駆けつけてくれた札幌医科大学附属病院検査部の村井良精先生に御礼申し上げます.
2023年 10月
フローチャートと動画でみる輸血検査 編集委員長
日本輸血・細胞治療学会 理事
奥田 誠
目次
第 1 章 検査前の準備
1.1 2 〜 5 %赤血球浮遊液の調製法
1.2 赤血球の洗浄法
1.3 凝集反応の観察
1.3.1 試験管法
1.3.2 カラム凝集法
1.3.3 マイクロプレート法
1.3.4 それぞれの検査の特徴
1.4 検査の準備
第 2 章 ABO・RhD 血液型検査
2.1 試験管法によるABO 血液型検査
2.2 試験管法によるRhD 血液型検査
2.3 スライド法
2.4 試験管法とスライド法の特徴
第 3 章 不規則抗体検査
3.1 不規則抗体スクリーニング
3.2 抗体同定検査
3.2.1 生理食塩液法・間接抗グロブリン試験による抗体同定検査
3.2.2 酵素法
3.2.3 消去法
3.2.4 確率計算による統計学的評価
3.2.5 抗原検査
第 4 章 交差適合試験
4.1 生理食塩液法主試験手順
4.2 間接抗グロブリン試験主試験手順
第 5 章 直接抗グロブリン試験
第 6 章 間接抗グロブリン試験
第 7 章 亜型検査
7.1 亜型検査の進め方
7.2 吸着解離試験
7.3 糖転移酵素活性測定
7.4 唾液による凝集抑制試験
7.5 抗A,抗B による被凝集価測定
7.6 フローサイトメトリーによるAB 抗原解析
7.7 遺伝子検査による亜型の推定
第 8 章 抗体価測定
8.1 抗体価測定
8.2 使用する赤血球の選択
第 9 章 予期せぬ反応への対処
9.1 輸血検査の予期せぬ反応への対処
9.1.1 赤血球側に問題がある場合
9.1.2 血漿側に問題がある場合
9.2 自己抗体吸着法
9.2.1 PEG 吸着
9.2.2 ZZAP 処理法
9.3 分子標的治療薬の対処法
第 10 章 精度管理
10.1 機器・器材類の精度管理
10.2 環境整備
10.3 輸血検査
10.4 臨床検査室の第三者認定
10.5 継続的改善
第 11 章 症例から考える
11.1 ABO・RhD 血液型の予期せぬ反応
11.1.1 亜 型
11.1.2 温式自己抗体
11.1.3 冷式抗体
11.1.4 連銭形成
11.2 RhD 血液型判定困難事例(weak D,partial D)
11.2.1 D 陰性確認試験
11.2.2 輸血への対応
11.3 冷式自己抗体保有症例
11.4 IgG 型温式自己抗体保有症例
11.5 抗原表の特異性と反応パターンが一致しないとき考えられることは何か?
11.6 母児間血液型不適合妊娠症例
11.6.1 新生児・乳児のABO 血液型検査
11.6.2 抗体価・児の不規則抗体検査・直接抗グロブリン試験
11.7 高頻度抗原に対する抗体保有症例
11.8 交差適合試験陽性症例
11.9 汎血球凝集反応
11.10 抗体による溶血反応を疑った場合にすべきことは何か?
11.11 溶血性輸血反応
11.11.1 急性溶血性輸血反応
11.11.2 遅発性溶血性輸血反応
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書籍情報
- ISBN:9784621309100
- ページ数:176頁
- 書籍発行日:2024年1月
- 電子版発売日:2023年12月29日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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