看護基礎教育課程テキスト 学生のための看護教育学

  • ページ数 : 160頁
  • 書籍発行日 : 2023年12月
  • 電子版発売日 : 2023年12月30日
¥2,640(税込)
ポイント : 48 pt (2%)
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

基礎教育課程で求められる学習内容をコンパクトに編集した「看護教育学」テキスト ●1章分は1コマでの学習に適したページ数とし,学期を見通してシラバスを組みやすい全12章で構成しています
●学生さんが親しみやすいよう,前半は,身近な授業のこと,学習者としての自分たちのことについて学びます
●項目の区切りごとに要点を振り返るフキダシを設けました.復習のときに学習内容を思いだす手がかりとなります
●本書で基礎を学習した学生さん方の関心を喚起し,上級学年や大学院でさらに看護教育学を修める意欲が高まることを期待しています

序文

はじめに

看護教育学は,看護師国家試験出題基準には組み込まれていないこともあり,かつては看護大学においても科目としてカリキュラムに配置している学校がそれほど多くなかったのではないかと思います.しかし,近年では看護学教育を展開する多くの教育機関で看護教育学という科目が設定されるようになりました.必修科目として位置づけている教育機関も増えているように思います.

この要因のひとつとして,看護職に求められる能力のなかで,専門職として生涯にわたって研鑽し続ける能力が明示されたことがあるのではないかと考えています.自律的に生涯を通じて学び続ける基盤を身につけていくためには,学生の頃から自らが受けている看護学教育への関心を高め,その後のキャリアを開発するための生涯学習を支えるさまざまな教育の機会を理解しておく必要があるからです.また,職場における継続教育のなかで,経験を積んだ看護職が後輩の看護職に教える機会も増えてきますので,看護学教育の基盤を看護基礎教育のうちから育成することが重要です.その能力を育成する科目のひとつとして,看護教育学が設定されるようになったと思います.

しかし,まだ学習の途上にいる学生にとって,複雑な看護教育制度や免許取得との関係が深いカリキュラムといった学習内容は,理解が難しくもあり,近寄りがたい印象を与えるかもしれません.本書は,はじめて看護教育学について学ぶ学生が手にとって読み進めやすいようにと考えて構成しました.学生の視点に立ち,彼らが理解しやすいように,授業という身近で具体的な内容から始まり,看護職の資格制度や教育のしくみを考え,さらには看護職として働き続けるなかでの教育・学習に関心が向けられるように構成しています.先生方が授業を組み立てるうえでは,各Chapterの順序を入れ替えて活用できるようにしています.また,学生が読みやすいように,また先生方が授業でも活用しやすいように,厳選したテーマでChapterを構成し,基礎的かつ重要な内容の記述にとどめています.もう少し内容を追加したい,学習を深めたいという場合には,より専門的に詳しく述べられている書籍がありますので,それらを活用していただくことを想定しています.

本書が,皆さまの看護教育学への学習に少しでもお役立ていただければ幸いです.最後に,医歯薬出版株式会社編集部の方々にはたいへんお世話になりました.学生が理解しやすいようなテキストという本書のねらいを実現するうえで,細やかに丁寧に対応していただきました.心より感謝申し上げます.


2023年11月

佐々木幾美

目次

Part 1 身近な授業から考える

Chapter 1 授業設計と学習指導案(鬼頭幸子)

 1.授業とは

  1)カリキュラムにおける授業の位置づけ

  2)授業の構成要素

 2.授業設計

  1)教材研究

  2)授業設計に必要な“3観”

  3)教育技法の活用

  4)授業設計に役立つ学習理論

  5)学習指導案

Chapter 2 看護学実習(佐々木幾美)

 1.看護学教育における実習の位置づけ

 2.看護学実習の意義

 3.実習の特徴

 4.実習環境としての条件

  1)実習施設

  2)実習指導者

  3)実習指導体制

  4)教員と実習指導者の協働と役割分担

 5.看護学実習の指導の実際

  1)実習指導案の作成

  2)実習指導案の特徴

  3)実習指導案の実際

  4)実習指導で求められる教員の能力

Chapter 3 教えること と 学ぶこと(西田朋子)

 1.教えること と 学ぶこと について考える意味

 2.教えること と 学ぶこと の関係

 3.学ぶこととは

  1)“学ぶ”の概念

  2)さまざまな学び

  3)教える との関係からみた 学び

 4.教えることとは

  1)“教える”の概念

  2)教育による学習者の経験の再組織化

 5.教える立場になったときに意識したいこと

Chapter 4 学習者の理解(西田朋子)

 1.発達の理解

 2.学習意欲と動機づけ

  1)学習意欲とは

  2)学習意欲を構成している要素

  3)動機と動機づけ

 3.学習意欲を育むかかわり ―動機づける方法

 4.成人学習理論

Chapter 5 わかること と できること(西田朋子)

 1.わかること と できること を考える意味

 2.わかるとは

  1)“わかる”の概念と特徴

  2)“わかる”の程度

  3)“わかる“ために必要な“知る”こと

 3.できるとは

 4.わかること と できること の関係

 5.指導にいかす

  1)わかることをめざす指導

  2)深くわかるための具体的経験

  3)できることをめざす指導

Chapter 6 クリティカルシンキングとリフレクション(佐々木幾美)

 1.クリティカルシンキング

  1)クリティカルシンキングとは

  2)クリティカルシンキングが重視されてきた背景と経緯

  3)クリティカルシンキングの構成要素

  4)看護におけるクリティカルシンキング

 2.リフレクション

  1)リフレクションとは

  2)リフレクションが注目されてきた背景と経緯

  3)リフレクションに対するさまざまな考え方

  4)リフレクションに必要なスキル

  5)リフレクションの方法

Chapter 7 教授方法(鬼頭幸子)

 1.カンファレンスとグループディスカッション

  1)準備と実施

  2)カンファレンスの意義

 2.ロールプレイ

  1)場面と役割の設定

  2)実演

  3)振り返り

 3.ケースメソッド

  1)ケースメソッドのプロセス

  2)ディスカッション(討論)形式の授業の基本原則

 4.コンセプトマップ

  1)コンセプトマップの活用

  2)看護とコンセプトマップ

5.シミュレーション教育

  1)シミュレーション教育の目的と種類

  2)シミュレーション教育の流れ

  3)シミュレーション教育の利点と限界

Part 2 看護職の免許取得と教育のしくみについて考える

Chapter 8 看護教育制度(佐々木幾美)

 1.看護師等の免許を取得できる教育機関

 2.看護教育制度とは

 3.学校制度

  1)学校教育法での学校種別

  2)学校種別による目的の違い

  3)学位と称号

  4)学校を設置するための基準

  5)専修学校と各種学校

 4.看護師等の免許取得制度

  1)看護師等の免許に関する法制度

  2)学校と養成所

 5.看護師免許取得からみた看護教育制度のまとめ

 6.准看護師教育

  1)准看護師教育の歴史

  2)准看護師教育の教育制度上の課題

  3)高等学校での准看護師教育

 7.看護大学の増加

Chapter 9 カリキュラム(佐々木幾美)

 1.カリキュラムと教育課程という用語

 2.カリキュラムを編成する意義

 3.カリキュラムの概念

  1)顕在的カリキュラムと潜在的カリキュラム

  2)カリキュラムの4層構造

 4.看護学のカリキュラムの編成・実施・評価

  1)看護学のカリキュラムの特徴

  2)カリキュラム編成の手順

  3)カリキュラムの実施と評価・改善

 5.指定規則に示された教育内容

Chapter 10 教育評価(鬼頭幸子)

 1.教育評価の定義と目的

 2.授業評価の考え方

  1)教育目標の分類体系(タキソノミー)

  2)ポートフォリオ

  3)ルーブリック

 3.授業で活用される評価の実際

  1)授業の過程で行われる評価の機能

  2)学生に対するさまざまな評価基準

  3)評価者(評価主体)による違い

  4)授業形態と評価用具

 4.カリキュラム評価

 5.大学等における教育の質保証のための評価

Chapter 11 看護教員(佐々木幾美)

 1.看護師学校養成所に定められている教員組織について

 2.教員組織の違いについて

  1)看護大学・看護短期大学の教員組織について

  2)看護専門学校の教員組織について

 3.教育機関による教員資格の違い

  1)大学教員の資格について

  2)短期大学教員の資格について

  3)看護専門学校の教員資格について

  4)看護高校(5年一貫教育)の教員資格について

 4.教員の職務内容と役割

  1)大学教員の職務内容と役割

  2)専門学校教員の職務内容と役割

 5.専任教員養成講習会と教務主任養成講習会について

  1)専任教員養成講習会

  2)教務主任養成講習会

 6.大学における組織的な研修について

 7.看護教員を養成するうえでの課題

Part 3 看護職として働き続けることと教育・学習について考える

Chapter 12 看護職の生涯教育・生涯学習(鬼頭幸子)

 1.生涯教育・生涯学習の概念

 2.「生涯学習」概念の歴史的経緯

  1)ユネスコにおける生涯教育の概念

  2)OECDにおけるリカレント教育

 3.日本における「生涯学習」概念の展開

 4.看護職にとっての生涯教育・生涯学習の重要性

 5.看護職の継続教育

 6.看護職の生涯教育における継続教育の位置づけ

 7.キャリアという考え方

  キャリア開発(career development)


索引

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 10.0 以降

    外部メモリ:11.2MB以上(インストール時:27.1MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:44.8MB以上

  • android icon

    AndroidOS 5.0 以降

    外部メモリ:11.2MB以上(インストール時:27.1MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:44.8MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784263710623
  • ページ数:160頁
  • 書籍発行日:2023年12月
  • 電子版発売日:2023年12月30日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。