看護教員・学生のための ICTで学ぶ看護

  • ページ数 : 148頁
  • 書籍発行日 : 2024年2月
  • 電子版発売日 : 2024年2月15日
¥3,300(税込)
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商品情報

内容

医療看護におけるICTについて広く学びたい方におすすめ

電子カルテ、電子処方箋、オンライン診療、オンライン面会など、医療の現場でICT(情報通信技術)は日々進化しています。
ICT技術を使いこなすことは、医療人の必須のスキルといえます。それには、看護学生の時からICTの使い方を学んでおく必要があります。
本書は教員だけでなく、初めてICTで授業を受ける学生にも基本的な内容を広く学べます。実際の事例や体験をもとにしたtips、ICTに関わる国際的指針やガイドラインなども紹介しています。

序文

はじめに

医療・看護,そして看護教育,それらすべてが人との関わりの中で提供されるものにも関わらず,2019年のCOVID-19の出現により,人との距離をとることが余儀なくされました.それでもなんとか,より良い看護を届けたい!少しでも学生さんに学んでほしい!未曾有の大混乱の中,そんな思いを頼りに,ICTが得意な人もそうでない人も,みんなが試行錯誤してきた数年だったと思います.

ようやく,2023年5月にCOVID-19が5類感染症の区分に移行し, 街に活気が戻ってきました.大学のキャンパスも賑わいを取り戻し,授業や演習もCOVID-19による制限なく自由に組み立てられるようになりました.そんな今こそ,一度立ち止まって,この数年の取り組みを振り返り,改めてどうICTを活用するか考えるチャンスです.

本書は,ICTを活用する方法だけではなく,ICTが医療や教育においてどのような位置づけか理解し,授業設計そのものを再構築する一助になれば,という思いで執筆しました.社会のニーズを捉えられるよう,ICTや看護・教育に関わる国際的指針や,行政が発出している文書やデータ,ガイドラインなどを数多くご紹介しています.また,ICTを何の目的でどう活用するか整理できるように,授業や研修設計の根拠となるID=インストラクショナル・デザインの理論も,併せて参照できるように構成しました.もちろん!実際の事例や,体験をもとにした実践的なtipsも随所に散りばめています.

改めて整理し,考えたうえで,何を選択するのか,それは最終的には作る人の「看護観」「教育観」次第なのだと思います.さまざま吟味したうえで,“やっぱりここは紙の資料を選択しよう”,“手書きで書いてもらおう”,そんな選択をすることもあるでしょう.

看護・教育に関わるものとして必要な姿勢は,ただ漫然と今までしてきたことを続けるのではなく,変化を恐れずにチャレンジしてみること,そしてそのうえで,何が大切か考え選択することではないでしょうか.ICTはその選択肢の1つにすぎないものですが,活用することで生まれる可能性は無限大です.

本書が,皆さんのICT活用に関する思考と選択の一助になれば幸いです.


2023年12月5日

執筆者一同

目次

Part 1 ICTと看護・看護教育

1 なぜ看護教育にICTを導入しないといけないか? ~現代社会の変化~

2 医療におけるICT ~医療の変化~

 ICTとは

 医療におけるICT

  1)情報の共有・連携

  2)遠隔医療

  3)XR技術の活用

3 看護教育におけるICT ~教育の変化~

 教育の未来

  世界的な指針 Education 2030

 日本の教育の未来

 看護教育におけるICT

  1)e-ラーニング

  2)e-ポートフォリオ

  3)LMS(Learning Management System)

  4)学習用アプリケーション

  5)医療教育用電子カルテ

  6)XRデバイス

4 まとめ

Part 2 ICTを活用した効果的な授業設計

1 ICTを使う目的と効果

2 IDとICTを活用した授業設計

 授業全体と,目標・評価の設計

  1)ID理論

  2)ICT活用

 教授方略の設計とICTの活用

  1)事前課題の設計とICTの活用

  2)授業時間内の設計とICTの活用(オンラインでも,対面でも)

 評価の設計とICTの活用

  1)評価にICTを活用するメリット

  2)適切に評価するためのチェックリスト

  3)ICTを活用する方法

 シミュレーション教育にICTを活用する

 実習にICTを活用する

  1)オンライン会議・コミュニケーション

  

  2)実習記録の電子化

3 ICTの使用にあたって気をつけたいこと

 関連法規

  1)保健師助産師看護師法

  2)個人情報保護法

  3)著作権法

 実際の教育上の留意点

  1)資料作成時

  2)遠隔授業時

  3)学生に対して

 教員も学生も身につけたいデジタル・シティズンシップ

  1)デジタル・シティズンシップとは

  2)デジタルシティズンシップの9要素

  3)これからのデジタル・シティズンシップ教育

Part 3 ICTの扱い方の基本

1 使用する機器の種類と特徴

 パソコン

  1)パソコンの活用ポイント

  2)パソコンのOSについて

  3)使用例:成績管理とデータ分析におけるパソコンのメリット

 タブレット

  使用例:手書きメモとインタラクティブな学習

 スマートフォン

  1)タブレット・スマートフォンを使用するメリット

  2)使用例:スマートフォンを利用した看護師国家試験対策

 XRデバイス

  使用例:VRデバイスによる病室アセスメントシミュレーション

2 ICTツールの活用法

 Zoom

 Teams

 Google Workspace for Education

 OneDrive

 YouTube

 電子教科書(EDX UniText)

 ロイロノート・スクール

 Monoxer

  活用による効果

 F.CESS Nurse

 WHITEROOM

  WHITEROOMを活用したリモート看護技術演習の例

3 ICTをより効果的に活用するためのツール

 Canva

 ICOON MONO

 Adobe Creative Cloud

 iMovie

 Filmora

 Jamboard

 Miro

 Notion

 Mentimeter

 ChatGPT

 Slido

4 ICT機器でよくみられる問題

 ICT機器のトラブル

 オンライン環境のトラブル

 オンライン学習環境でみられる一般的な問題

 問題の事前確認と対策

 問題が発生した際の対処法と事後のフォローアップ

 よくあるトラブルの例と解決策

  1)インターネット接続の問題

  2)ソフトウエアの互換性

  3)ファイル共有の問題

  4)セキュリティの問題

Part 4 実例!ICTを活用した看護教育

1 治療・診断過程に伴う看護技術

 授業および単元の位置づけ

  1)対象と時期

  2)単位数

  3)演習全体の目的

  4)演習全体の目標

 演習スケジュールの概要(ブレンド型授業)

 演習で使用したICT

  1)ポイント1:オンラインと対面のブレンド型授業を採用

  2)ポイント2:学習用アプリケーションを活用し,授業内で即時の課題提出と共有

  3)ポイント3:事前学習で知識を解説した動画を配信

  4)ポイント4:技術チェックは動画を活用

 単元ごとの流れ

 具体例:単元「検査・静脈血採血」

  単元を通しての目標

 ICT活用に関連した課題

  1)ブレンド型授業にするか,すべて対面で実施すべきか

  2)前提テスト実施の必要性

2 看護過程論演習

 授業および単元の位置づけ

  1)対象と時期

  2)単位数

  3)演習の目的

  4)演習の概要

  5)指定教本

 演習スケジュールの概要

 演習で使用したICT

 授業の実際

  1)前期

  2)後期

 ICT活用による効果と課題

  1)効果

  2)課題

  3 公衆衛生看護技術論Ⅱ(地域診断演習)

 授業および単元の位置づけ

  1)授業名

  2)対象

  3)単位数

  4)演習全体の目的

  5)演習全体の目標

  6)履修生の学習準備性と本授業の特徴

 授業の概要

  1)動機づけ:第1回授業

 教材:相互学習クイズ(PIP-Maker)

  2)方略理解:第2~25回

 教材:PPM作図(コンセプトマッピング)

  3)学習の転移

 演習の進め方

  1)教室

  2)班編成

  3)演習で用いた理論枠組み

 PIP-Makerによるクイズ教材の概要と効果

  1)本教材のねらい

  2)教材開発

  3)教材の効果測定

4 公衆衛生看護学実習Ⅱ・Ⅲ

 実習の単元の位置づけ

  1)授業名

  2)対象

  3)単位数

  4)実習の目的

  5)地域診断の目標

実習で使用したICT

 実習の評価

  1)教員評価における実習必須体験項目別技術達成度の経年比較

  2)学内準備学習に対する学生の満足度

今後の課題

 地域診断の実習成績,事前学習の満足度が他の体験項目に比べて低い背景

Part 5 学生からみたICT活用

1 Zoom授業と対面授業の比較

 2 電子書籍,電子資料のメリットとデメリット

 電子書籍は便利?使い方がわからない学生が多い可能性

 電子媒体でよくないと感じること

3 学習用アプリケーションの実際 〜ロイロノートの導入例〜

4 使用するデバイスに関する意見

Part 6 ICTについてのQ&A

ICT全体について

オンライン授業について

テクニカル面について

実習記録などについて

安です.できることは何ですか?

その他

巻末資料

ICTと教育

ICTと看護教育

インストラクショナル・デザイン

法律・セキュリティ・リテラシー

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  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784883789429
  • ページ数:148頁
  • 書籍発行日:2024年2月
  • 電子版発売日:2024年2月15日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:2

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