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- 臨床工学技士国家試験・ME試験対策 要点まとめ おたすけノート
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序文
はじめに
ある時、筆者のゼミに所属していた学生が、臨床工学技士国家試験対策のために覚えておくべきことについて、イラストを活用して模造紙に大きく描きました。とても上手なイラストで、不必要なものは削ぎ落とし、きれいにまとまったものでした。そして、それをゼミ室の壁やロッカーの扉、ホワイトボードなど至るところに貼ったのです。すると、それを描いた本人だけではなく、同じゼミに所属する勉強に苦労していた学生も一緒に見始めたのです。その学生たちは毎日増えていく模造紙が刺激になり、模造紙に描かれた内容についてわからないことがあれば、自発的に模造紙を作った学生に質問をして、日々基礎知識を増やしていきました。少し覚えた内容が増えてきたら、模造紙にあった内容について問題の出し合いをしたり、関連する過去の問題を解き合うようになりました。結果、毎日遅くまで勉強を頑張った甲斐もあり、ゼミ生全員が合格を勝ち取りました。
筆者は、彼らの卒業後この模造紙を捨てるのはもったいない、何か記録に残したいなと思い、丸善出版さんにご相談したところ、それに近い本を作ることは可能ではないかということで、2022年の冬ごろから企画が動き出しました。当時のゼミ生が書いたイラストをそのまま採用することはできませんが、模造紙に掲載していた内容や模造紙に書かれるべき内容は、専門の先生方のお力を借りて本書にまとめています。また、ページ数が多いと勉強しようという意欲がわかなくなるので、なるべく薄くなるように余計な解説は削ぎ落としました。さらには、親しみをもってもらえるようにかわいいイラストも添え、国家試験勉強を経験した先輩のアドバイスも掲載するようにしました。
臨床工学技士を目指す学生を対象とした、国家試験や第2種ME技術実力検定試験の対策本は多くはないですが、いくつかは書店で見かけます。既にその本を活用して勉強を進めておられる方もいるでしょう。しかし、読んでみると結構なページ数と、文字の多さに読み疲れてしまうことがあります。また、試験前はどの書籍や資料を使って勉強を進めたらよいのかわからなくなり、必要なものを選択するにあたって迷うことがあります。
本書は、これらの試験に向けて何から手をつけてよいかわからない、何を覚えたらよいのかもわからない、養成校の先生から成績について手厳しく指導を受けたが、どうしてよいかわからない、といった学生が、試験対策の第一歩として活用できる本としました。また、試験当日の再確認にも活用できる本を意識しました。
11月の全国統一模試で実力を発揮できなかった学生さんはきっと、12月頃から焦りだし、追い上げようと頑張っていることでしょう。本書には、国家試験までに最低限頭に入れてしてほしい内容を厳選して詰め込んでいます。まずは本書の内容を理解し、そのうえで、意味づけや関連知識を増やす勉強につながればよいと考えています。
勉強しないといけないとわかっていながらも、いざ机に向かうと手が動かないあなたに。まずは、本書を丁寧に読んで、マーカーで色をつけて、汚してください。不足な情報は、付箋などを用いて本書にどんどん追加をしていってください。この本1冊が最後のページまで汚れた時の達成感はさらなる勉強への意欲にもつながり、自信にもなるでしょう。
本書の執筆には多くの先生のご協力をいただきました。心より感謝申し上げます。また丸善出版の針山梓氏、長見裕子氏には学生の思いに寄り添い丁寧に関わっていただきましたこと、御礼申し上げます。
2023年12月
髙橋 純子
目次
第1章 医学概論
1-1 臨床工学技士に必要な医学的基礎
1.医学概論
2.公衆衛生
3.関係法規
4.生化学の基礎
5.薬理学の基礎
6.病理学の基礎
7.臨床検査
1-2 人体の機能および構造
1.生物学的基礎
2.身体の支持と運動
3.呼 吸
4.循 環
5.血 液
6.腎泌尿器
7.消化と吸収
8.内臓の機能と調節
9.情報の受容と処理
第2章 医用電気電子工学
2-1 電気工学
1.電磁気学
2.電気回路①
3.電気回路②
4.電気回路③
2-2 電子工学
1.電子回路①
2.電子回路②
3.電子回路③
4.電子回路④
5.通信工学
2-3 情報処理工学
1.電子計算機
2.情報処理
2-4 システム工学
1.システムと制御
第3章 医用機械工学
3-1 医用機械工学
1.力学の基礎
2.材料力学
3.流体力学
4.生体の流体現象
5.波動と音波・超音波
6.熱と気体
第4章 生体物性・材料工学
4-1 生体物性
1.生体の電気的特性
2.生体の機械的特性
3.生体の磁気的特性
4.生体と放射線
5.生体の熱特性
6.生体の光特性
7.生体における輸送現象
4-2 医用材料
1.医用材料の条件
2.安全性試験
3.医用材料と生体との相互作用
4.医用材料の種類
5.材料化学
第5章 生体機能代行装置学
5-1 呼吸療法装置
1.原理と構造
2.呼吸療法技術
3.在宅呼吸管理
4.安全管理
5-2 体外循環装置
1.原理と構成
2.体外循環の病態生理
3.体外循環技術
4.補助循環法
5.安全管理
5-3 血液浄化療法装置
1.原理と構造
2.血液浄化の実際
3.安全管理
第6章 医用治療機器学
6-1 治療基礎
6-2 各種治療機器
1.電磁気治療器
2.機械的治療機器
3.光治療機器
4.超音波治療機器
5.内視鏡機器
6.熱治療機器
第7章 生体計測装置学
7-1 生体計測の基礎
1.計測論
2.生体情報の計測
7-2 生体電気・磁気計測
1.心臓循環器計測
2.脳・神経系計測
7-3 生体の物理・化学現象の計測
1.循環関連の計測
2.呼吸関連の計測
3.血液ガス分析計測
4.体温計測
7-4 画像診断法
第8章 医用機器安全管理学
8-1 医用機器の安全管理
1.臨床工学技士と安全管理
2.各種エネルギーの人体への危険度
3.安全基準
4.電気的安全性の測定
5.安全管理技術
6.医療ガス・システム安全・電磁環境・関係法規
第9章 臨床医学総論
9-1 内科学概論
9‒2 外科学概論
9‒3 呼吸器系
9‒4 循環器系
1.血管病学
2.心臓病学
9‒5 内分泌系
9‒6 感染症
9‒7 腎・泌尿器系
9‒8 消化器系
9‒9 血液系
9‒10 手術医学
9‒11 臨床生理学・臨床生化学・臨床免疫学
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書籍情報
- ISBN:9784621309018
- ページ数:192頁
- 書籍発行日:2024年1月
- 電子版発売日:2024年2月15日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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