1冊でマスター! 骨・関節単純X線写真の読みかた

  • ページ数 : 182頁
  • 書籍発行日 : 2024年2月
  • 電子版発売日 : 2024年2月15日
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

骨関節の異常・変化が単純X線でここまでわかる!

いまさら単純X線?侮ることなかれ,所見の移り変わりのフォローにはCT・MRIよりもX線が断然使える!

序文

序文


コロナが猛威を振るう直前あたりか,中外医学社の上岡さんから単純X線写真の本を出版したいという相談を受けた.正直,なんで今さら単純X線写真の本なのだろうかと思った.今日ではCTやMRIが進歩しすぎており,放射線科医はおそらくどの臨床医より単純X線写真を読まなくなった.関節の単純X線写真だったらなおさらである.初学者の学習はCT解剖からでは無かろうか? 情報量の少ない単純X線写真を読むために時間を使う放射線科医がどれほどいるのだろうか,採算がとれるのだろうか?……数日間考え込んでしまった.それでも自分の勉強になるかもしれない,と思い原稿依頼を引き受けることにした.

まずは単純X線写真が重要なファーストステップになる外傷から症例を集めることにした.実はこれが非常に大変な作業であった.当たり前だが骨の数だけ外傷があり,いろいろな骨折・脱臼のタイプがあり,何種類もの画像を集めなければならなかった.おそらく満足できる程度の症例は掲載されていると思う.

次に今でも現役な骨腫瘍の単純X線写真の症例を集めることにした.さまざまな骨に発生した同じ腫瘍を収集することに努めた.症例を集めながら再度勉強するのは楽しい作業であった.軟部腫瘍は単純X線写真ではあまりお役に立てないが,CTやMRIなど他のモダリティと比較すると有意義な症例を集めている.関節症や関節炎はそれぞれの原因となる疾患の好発部位や骨の変化がわかりやすい症例を集めた.代謝性疾患は特に症例が集まらなくて苦労したところである.多少症例の古さには目をつむってほしい.

術後の画像診断は主にCTを利用するきらいがあるが,CTを撮影してまで異常を調べなければならないきっかけを見せるのはフォローで撮影した単純X線写真での所見の移り変わりである.単純写真で異常をよく観察してほしい.

本来であればもっと早くに原稿を仕上げる予定であったが,コロナ禍が思いのほか長かったことで自分の放射線科医としてのモチベーションがさがってしまった.脱稿が遅れたことを深くお詫びいたします.また本の作成に当たりお世話になりました中外医学者編集部の高橋洋一様,上岡里織様にはお礼を申し上げます.


2024年1月

日本大学医学部放射線医学系放射線医学分野准教授 小橋由紋子

目次

第1章 単純X線写真と解剖

単純X線写真の基本

単純X線写真のレポート作成方法

正常な単純X線写真の解剖

第2章 骨の外傷

骨折

骨折の画像所見

骨折をどう表現するか?

骨折に伴う軟部組織の変化

骨折と紛らわしい所見

各関節ごとの特徴的な骨折

1.肩関節

2.肘関節

3.前腕

4.手関節・指

5.股関節・大腿

6.膝関節・下腿

7.足関節・足部

8.脊椎

A.頸椎レベルの骨折

B.胸椎レベルの骨折

C.腰椎レベルの骨折

D.仙椎・尾骨レベルの骨折

9.骨盤

10.胸郭

第3章 関節炎・関節症

関節炎・関節症とは?

関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)

1.単純X線写真でみるRA

 A.RAによって合併する特殊な病態

変形性関節症(osteoarthritis:OA)

 A.OAの画像所見

結晶沈着性関節炎

1.痛風性関節炎(gout,gouty arthritis)

 A.gouty arthritisの画像所見

2.偽痛風,ピロリン酸カルシウム結晶沈着症(CPPD)

 A.CPPDの画像所見

乾癬性関節炎(psoriatic arthritis)

A.乾癬性関節炎の画像所見

 強直性脊椎炎(ankylosing arthritis)

A.強直性脊椎炎の画像所見

第4章 腫瘍および腫瘍類似疾患

骨腫瘍の定義

骨腫瘍の頻度

骨腫瘍の発生部位

骨腫瘍発生と年齢との関係

骨破壊のパターン

骨膜反応

基質

良性骨腫瘍および腫瘍類似疾患

悪性骨腫瘍

A.骨肉腫(osteosarcoma)

B.軟骨肉腫(chondrosarcoma)

C.転移性骨腫瘍(bone metastasis)

D.形質細胞腫(plasmacytoma),多発性骨髄腫(multiple myeloma)

E.骨のEwing肉腫(Ewing sarcoma)

F.アダマンチノーマ(adamantinoma)

第5章 単純X線写真で診断する軟部組織疾患

A.骨化性筋炎(myositis ossificans)

B.石灰沈着性筋壊死(calcific myonecrosis)

C.筋肉内血管腫(intramuscular hemangioma)

D.アキレス腱付着部症・アキレス腱黄色腫(Achilles tendon enthesi

Achilles tendon xanthoma,Achilles tendinitis)

E.脂肪腫(lipoma)

F.腫瘍による骨の圧排性変化(cortical scalloping caused by soft tissue tumor)

G.軟部組織内のガス像(air density of soft tissue)

第6章 骨代謝疾患

骨粗鬆症(osteoporosis)

くる病・骨軟化症・腎性骨異栄養症(rickets,osteomalasia,and renal osteodystrophy)

糖尿病(diabetes mellitus:DM)

大理石骨病(osteopetrosis)

骨Paget病(bone Paget disease)

第7章 その他(骨壊死,副骨障害,癒合症など)

1.第1 Köhler病(Köhler first disease)

2.Freiberg病(第2 Köhler病)(Freiberg disease,Köhler second disease)

3.Kienbeck病(Kienbeck disease)

4.特発性大腿骨頭壊死(idiopathic osteonecrosis of femoral head)

5.分裂膝蓋骨(patella partita)

6.外脛骨(os tibiale extern

有痛性外脛骨(外脛骨障害)(symptomatic accessory navicular)

7.三角骨(os trigonum),三角骨障害(os trigonum syndrome)

8.os peroneum

9.os subtibiale

10.os subfibulare

11.足根骨癒合症(tarsal coalition)

第8章 骨の感染症

骨関節の炎症の感染経路

起炎菌

リスクファクター

結核以外の細菌性骨髄炎・関節炎

1.骨髄炎(osteomyelitis)

2.関節炎(arthritis)

結核による関節炎・骨髄炎(骨結核)(tuberculosis arthritis,osteomyelitis)

A.単純X線写真の特徴

化膿性椎間板炎・脊椎炎(pyogenic spondylitis,discitis)

A.リスクファクター

結核性椎間板炎,脊椎炎(tuberculosis discitis,spondylitis)

第9章 術後の画像診断

術後の合併症

索引

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 10.0 以降

    外部メモリ:43.9MB以上(インストール時:90.9MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:175.7MB以上

  • android icon

    AndroidOS 5.0 以降

    外部メモリ:43.9MB以上(インストール時:90.9MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:175.7MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784498013865
  • ページ数:182頁
  • 書籍発行日:2024年2月
  • 電子版発売日:2024年2月15日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。