運動療法筋電図鑑~深部筋までとらえる効果的なエクササイズ

  • ページ数 : 196頁
  • 書籍発行日 : 2024年2月
  • 電子版発売日 : 2024年2月22日
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

そのエクササイズはどの筋に効果があるのか?ワイヤ筋電図による評価でその疑問と向き合い, 臨床に活用できる!

これまでの臨床現場ではセラピストの経験則より運動処方が行われることが多く,運動療法で用いられるエクササイズがどの筋を賦活化するのかを評価することが困難であった.本書では,ワイヤ筋電図の評価をもとにエクササイズ時の筋活動様式をビジュアルに解説している.特に監修者・編者のグループが長年にわたり解析を続けてきた深部筋の活動様式が豊富に紹介されており,エビデンスに基づく臨床実践に役立つ一冊となっている.

序文

序文

理学療法士となり大学院へ進学して研究テーマを模索しているさなか,指導教員(当時の筑波大学,宮川俊平教授)から脊椎外科医の金岡恒治先生(当時の筑波大学医学部講師)を紹介されました.ただ漠然と「腰痛」に関する研究がしたい,と進学時の研究計画書に書き示したからですが,その紹介が私の人生を大きく変えるターニングポイントになりました.

当時(2005 年頃)の腰痛の運動療法事情は,Paul Hodges 氏(Queensland 大学教授)が腹横筋をはじめとした体幹深部筋の重要性を1990 年代後半に発表し,その概念が日本にも広まりつつある状況でした.今となっては「Draw‒in」や「コアエクササイズ」という言葉は一般市民でも認知されるようになりましたが,当時は画期的な運動療法として日本に取り入れられ,単純な腹筋・背筋運動に取って代わる新たな運動療法として非常に注目されていました.私自身もそのことに非常に興味をもち,その想いを金岡先生との初めてのリサーチミーティングでプレゼンしました.ただ,臨床経験も研究スキルもない一大学院生の研究計画を受け入れてもらえるとは思わず,さらなる進展は何も期待していませんでしたが,金岡先生の反応は「面白いね~!」と大絶賛.そこからは,必要な研究設備や人脈作りなど,さまざまな協力をいただき,ワイヤ筋電図を用いた体幹深部筋の筋電研究が始まったのが,私の研究ライフのスタートになります.そして,今や本研究テーマは体幹だけにとどまらず,股関節,足関節,足部,肩甲骨周囲など,あらゆる部位に拡大し,全身の深部筋活動解析をおよそ20 年間,自身のライフワークとして多くの共同研究者と行ってきました.

本書『運動療法筋電図鑑』は,約20 年間私が研究データを積み上げてきた集大成としての一冊であり,臨床現場にて深部筋を促通する運動療法を処方する際に大いに役立つ情報が掲載されています.構成は,各項目の冒頭にEvidence based としてわれわれが得たデータを紹介したうえで,後半に臨床上有用な運動療法を提案しています.また,内容を少しでもわかりやすく理解していただくよう,データはもちろんのこと,解釈についてもグラフや図を多用し,本書のタイトル通り「図鑑形式」でまとめています.あらゆる関節において,深部筋の重要性は周知のことではありますが,具体的にどのエクササイズでどれくらいの活動量が深部筋に入るのか,をまとめている書籍は世界中を探しても少なく,まさに「世界に一冊」であると自負しています.本書の情報が,運動療法に携わる理学療法士,医師,トレーナーの方々に応用され,少しでも正しいMotor control の構築に活かされることを願っています.

最後になりましたが,本書を完成させるにあたり監修者の金岡恒治先生,執筆に協力いただいた先生方に深く感謝申し上げます.


2024年1月

埼玉医科大学保健医療学部理学療法学科准教授
大久保 雄

目次

1 筋電図の基礎知識

2 体幹筋エクササイズの筋活動

1 Draw‒in―筋活動量,オンセット

2 Draw‒inとBracing―肢位別の筋活動量

3 Draw‒inとBracing―異なる口頭指示での筋活動量

4 骨盤傾斜運動―筋活動量

5 歩行・走行―腰方形筋の筋活動量

6 腹筋運動(Sit‒up)

7 基本的なBridge exercise

8 不安定面上でのBridge exercise

9 Front bridge―四肢挙上時の筋活動変化

10 Hand‒knee―四肢挙上時の筋活動変化

11 Bridge exercise―腰方形筋の筋活動量

参考文献

3 股関節周囲筋エクササイズの筋活動

1 Active straight leg raise(ASLR)―筋活動量

2 運動速度が速いASLR―筋活動量,オンセット

3 側臥位股関節外転運動―筋活動量,オンセット

4 腹臥位股関節伸展運動―筋活動量,オンセット

5 腹臥位股関節伸展運動―股関節外転角度による活動量の違い

6 側臥位股関節回旋運動―筋活動量

7 Side bridge―筋活動量

8 Hand‒knee―筋活動量

9 Back bridge―筋活動量

10 片脚立位―筋活動量,オンセット

11 骨盤挙上・下制(Hike exercise)―筋活動量

参考文献

4 上肢筋エクササイズの筋活動

1 肩甲骨の運動学

2 上肢挙上・下降運動

3 肩甲骨周囲筋エクササイズ

4 側臥位,腹臥位で行う肩甲骨周囲筋エクササイズ

5 肩甲骨protraction exercise

6 肩関節内旋エクササイズ

7 肩関節外旋エクササイズ

8 Full can・Empty can exercise

参考文献

5 足関節・足部エクササイズの筋活動

1 カーフレイズ

2 足趾屈曲運動

3 足趾運動

4 Short foot exercise

参考文献

6 ヨガエクササイズの筋活動

1 Down dog・Up dog

2 Pelvic open・3 point plank

3 Yoga back bridge

4 Warrior

5 Yoga twist lunge

6 Yoga chair

7 T‒balance・Dance

参考文献


索引

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 10.0 以降

    外部メモリ:13.4MB以上(インストール時:30.4MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:53.6MB以上

  • android icon

    AndroidOS 5.0 以降

    外部メモリ:13.4MB以上(インストール時:30.4MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:53.6MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784830647093
  • ページ数:196頁
  • 書籍発行日:2024年2月
  • 電子版発売日:2024年2月22日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。