骨折治療 手術アプローチがよくわかる髄内釘・プレート固定

  • ページ数 : 303頁
  • 書籍発行日 : 2024年2月
  • 電子版発売日 : 2024年3月12日
19,800
(税込)
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商品情報

内容

骨折治療における適切な手術アプローチが身につく実践書!
骨折治療の基本となる髄内釘・プレート固定の手技を,手術アプローチに着目して豊富な画像とシェーマで解説.術前準備から固定・閉創まで,手術の流れがイメージできる.エキスパートならではのコツも満載の必携書!

序文

骨折を上手に治すためには多くのハードルがあります.手術に限っても,骨折型の立体的な把握,適切な手術アプローチ(surgical approach)の選択と実行,最適な内固定材料の選択,観血的あるいは非観血的な整復,正確な固定手技,直視下あるいは透視下での評価,確実で無理のない閉創などです.このうち,初心者にとって,一番の悩みどころは手術アプローチではないかと思っています.他の問題は,比較的容易に座学で学べたり,初心者というよりはむしろ上級者の悩みであったりするからです.羊土社さんから,骨折手術に関して新しい企画を打診された時に,真っ先に思いついたのは手術アプローチにフォーカスした書籍でした.

Stanley Hoppenfeld とPiet de Boer によるSurgical Exposures in Orthopaedics:The AnatomicApproach の原著初版が発刊されたのは1984 年です.私が研修医になった1987 年当時,この名著と解剖書とOn the Job Training による先輩からの温かい指導によって,整形外科手術アプローチを勉強するのが王道でした.研修医2 年目に,カラーアトラス四肢の手術解剖(Neil Rushton,Robert A. Greatorex, Nigel S. Broughton/ 著,廣谷速人/ 訳,南江堂)という書籍をたまたま見つけて購入しました.このアトラスはすでに絶版になっていると思いますが,手術アプローチに沿って新鮮死体の解剖カラー写真とそのスケッチが横に並べられ,そこに最小限の説明文が付されており,とてもわかりやすいものでした.

術中所見のスケッチやシェーマは,不要な情報をそぎ落とすことで,本質をわかりやすく私たちに伝えてくれます.一方で,実際の手術では,雑音となる多くの解剖学的構造から,重要な解剖学的構造を見つけ出していかなければなりません.そのため,術中写真とシェーマを横に並べて勉強する方法は,手術アプローチを勉強するのにとても実践的で有用です.もちろん,今日の骨折治療では,整復やインプラントの設置を直視下に行うだけでなく,透視下に行う場合も少なくありません.そのような手術でもどの部位の皮膚を切って,骨のどの部分を露出させて,どういう具合にインプラントを設置するのかというのは重要です.展開の範囲が小さいだけで,やはり手術アプローチは重要なのです.

これらのことをふまえて,術中写真を豊富に掲載しつつ,それに対応したシェーマを並べて手術アプローチにフォーカスした骨折治療の書籍というのが本書のコンセプトです.新進気鋭からベテランまで執筆者の先生には,多くの写真を提供していただきました.本当にありがとうございました.心から感謝いたします.複数の症例の写真を用いて,1つの手術アプローチを解説している場合があります.この時,左右が混在すると読者に混乱を生じます.そこで,本書では,執筆者から提供していただいた画像を時に反転して用い,できるだけ左右の混乱をなくすよう工夫しています.面白い実用的な書籍になったかなと思っています.若い先生の皆さん,本書を手に取りしっかりイメージトレーニングして,自信をもって手術室へ向かってください.そして,よい手術をしてください!


2024年1月

帝京大学医学部整形外科学講座 教授
帝京大学医学部附属病院 外傷センター長
渡部欣忍

目次

第1章 鎖骨・肩甲骨・肋骨

1)鎖骨骨折 プレート固定(鎖骨上神経温存)【寺田忠司】

2)肩甲骨体部骨折 プレート固定【永井洋輔】

3)肩甲骨関節窩骨折 スクリュー+プレート固定【永井洋輔】

4)肋骨骨折 プレート,髄内スプリント固定【上田泰久】

第2章 上肢

1)上腕骨近位端骨折

 ①プレート固定:MIPO【光澤定己】

 ②プレート固定:delto-pectoral approach【光澤定己】

 ③髄内釘固定【井上尚美】

2)上腕骨骨幹部骨折

 ①髄内釘固定:腱板切開【山下伸之輔】

 ②髄内釘固定:腱板疎部(RI)アプローチ【最上敦彦】

 ③プレート固定:前方アプローチ(MIPO)【光澤定己】

 ④プレート固定:後方アプローチ【光澤定己】

3)人工肩関節置換術 人工物置換術(HA・RSA)【守屋秀一】

4)上腕骨遠位部骨折(両顆骨折) プレート固定【今谷潤也】

5)人工肘関節全置換術 人工関節置換術【伊藤 宣】

6)肘頭骨折 Tension band wiring,プレート固定【坂なつみ】

7)橈骨頭・上腕骨小頭骨折 プレート固定・人工骨頭挿入術:外側アプローチ【善家雄吉】

8)橈骨骨幹部骨折

 ①プレート固定:前方アプローチ(Henry approach)【善家雄吉】

 ②プレート固定:後方アプローチ(Thompson approach)【善家雄吉,佐藤直人】

9)橈骨遠位端骨折 プレート固定:Trans FCR approach【坂なつみ】

10)尺骨骨幹部骨折 プレート固定【佐々木源】

11)中手骨骨折 プレート固定【大井宏之】

第3章 下肢

1)大腿骨頚部骨折

 ①人工骨頭置換術:前方アプローチ【永井洋輔】

 ②人工骨頭置換術:後方アプローチ【永井洋輔】

2)大腿骨転子部骨折

 ①Sliding hip screw【塩田直史】

 ②髄内釘固定【前原 孝】

3)大腿骨転子下骨折 髄内釘固定【松浦宏貴】

4)大腿骨ステム周囲骨折

 ①プレート固定【土井 武】

 ②再置換術 + プレート固定【馬場智規,石島旨章】

5)大腿骨顆部・顆上骨折 Type C

 ①プレート固定【寺田忠司】

 ②髄内釘固定【寺田忠司】

6)脛骨高原骨折(両顆骨折) プレート固定【倉繁智明,松井健太郎】

7)膝蓋骨骨折 Tension band wiring【高江洲美香】

8)脛骨骨幹部骨折

 ①Infra-patellar approach【入江悠子】

 ②Lateral para-patellar approach【寺田忠司】

 ③Supra-patellar approach【高江洲美香】

9)ピロン骨折 プレート固定【松井健太郎】

10)足関節果部骨折(三果骨折) プレート,スクリューなど【依光正則】

11)踵骨骨折

 ①小切開:Sinus tarsi approach【乾 貴博】

 ②拡大切開:Extended lateral approach【林 真】

12)リスフラン関節脱臼骨折 スクリュー,プレート,ステープル【松井健太郎】

第4章 小児の骨折

1)小児大腿骨骨幹部骨折 TEN【中川知郎】

2)小児脛骨骨幹部骨折  TEN【中川知郎】

3)小児上腕骨骨幹部骨折 TEN【中川知郎】

4)小児前腕骨骨幹部骨折 TEN【中川知郎】


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書籍情報

  • ISBN:9784758112680
  • ページ数:303頁
  • 書籍発行日:2024年2月
  • 電子版発売日:2024年3月12日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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