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- 子どもの皮膚疾患アトラス
商品情報
内容
成長過程による様々な症状や皮膚障害の出方の違い,発現しやすい部位などを豊富な臨床写真で展開する.
序文
はじめに
私は1973(昭和48)年に公立学校共済組合関東中央病院へ出向しました.当時,皮膚科の部長は故 西脇宗一先生,小児科は故 川崎健一先生でした.皮膚科と小児科は仲が良くて,子どもの患者さんで,皮疹があれば皮膚科から,なければ小児科からが決まりごとでした.それゆえ,私たちが小児の皮膚病変をみる機会が多かったのは当然です.局所のみの皮膚病変は皮膚科で治療しましたが,全身症状がある場合は小児科と併診しましたので,私たちは多くのことを学ぶことができました.国立生育医療研究センターがなかった当時は,地域の大きな病院と言えば当院と旧国立大蔵病院だけでしたので,重症の川崎病,ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群の患者なども入院しており,日ごとに変わる症状をみることができました.また,手術が必要な場合は小児科で全身管理をしてもらえ,安心して治療ができました.加えて,西脇先生の普段からの勉強量は非常に多く,それを日常診療に即役立てて,私たち医局員にも指導して下さいました.
何よりも私たち医局員にとって重要かつ,お手本になったのは西脇先生の診療態度でした.子どもの患者さんの目線にまで腰をかがめ,真剣に患者さんの言うことを聞いて問診し,その後,たとえ小さな湿疹病変と思っても,必ず全身をくまなく診察しました.さらに,病状の経過を追うため克明に臨床写真を撮り,医局員にもそれを求めました.この写真を撮る習慣は私の身にもつき,以来,多くの症例のスライドが手元に残ってきました.
ところで,多くのアトラスや教本は変った症例,あまり経験しない稀な症例の図譜を掲載することが多いようですが,私たちが日常の診療で診察するのはごく一般的な皮膚病変です.しかし,とっさに「これは何だったか?」と思う場合が少なくありません.そこで,ごく一般的な,むしろ稀ではない小児の皮膚病でアトラスを作ってみました.すべて私自身が経験した患者さんです.もちろん教科書のようにすべての疾患を載せてはいません.漏れも多数あります.あくまでも日常でよくみる疾患の一部ですが,患者さんに「あなたの病気はこれです」と見せてあげられるようなアトラスになりました.これは,皮膚科の先生のみならず,小児科の先生,内科の先生,小・中学校の養護の先生,幼稚園や保育所の先生方にも机の上に置いて,時間があればパラパラとめくっていただければいいと思っています.
保護者の方にも,子どもの皮膚の異変に気が付いたら「この皮膚病は,この本のこれだ.皮膚科へ行こう」とか「行かなくてもいい」と言う風に使っていただければと思います.
このアトラスが日常診療のみならず日常生活でも役立ってくれれば幸いです.
本書を作成するうえでご尽力いただいた,株式会社Gakken の松塚愛氏に深謝いたします.
2023年9月
日野治子
目次
総説 子どもの皮膚の機能と発達~新生児期の皮膚症状
1 章 湿疹・皮膚炎
アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)
ストロフルス[痒疹](strophulus infantum,prurigo)
汗疹[あせも](miliaria)
砂かぶれ様皮膚炎
接触皮膚炎(contact dermatitis)
2 章 蕁麻疹・紅斑
蕁麻疹(urticaria)
多形滲出性紅斑(erythema exsudativum multiforme:EEM)
結節性紅斑(erythema nodosum)
川崎病(Kawasaki disease)
新生児中毒性紅斑(erythema toxicum neonatorum)
3 章 薬疹
薬疹(drug eruption)
4 章 膠原病
全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)
皮膚筋炎(dermatomyositis)
強皮症(systemic sclerosis)
5 章 物理的皮膚障害
熱傷(burn)
凍瘡[しもやけ](chilblains[pernio]and frostbite)
6 章 角化異常症
魚鱗癬(ichthyosis)
毛孔性苔癬[毛孔性角化症](lichen pilaris [keratosis pilaris])・
顔面毛包性紅斑黒皮症[北村](erythromelanosis follicularis faciei[Kitamura])
7 章 炎症性角化症
ジベルばら色粃糠疹(pityriasis rosea[Gibert])
急性苔癬状痘瘡状粃糠疹(pityriasis lichenoides et varioliformis acuta:PLEVA)
線状苔癬(lichen striatus)
光沢苔癬(lichen nitidus)
8 章 色素異常症
尋常性白斑[白なまず](vitiligo vulgaris)
9 章 代謝異常症
石灰沈着症(calcinosis cutis)
若年性黄色肉芽腫(juvenile xanthogranuloma)
10 章 付属器疾患
円形脱毛症(alopecia areata)・抜毛症(trichotillomania)
尋常性痤瘡[ ニキビ](acne vulgaris)
爪の疾患
11 章 腫瘍
色素性母斑およびその他の母斑
脂腺母斑(sebaceous nevus)・表皮母斑(epidermal nevus)
蒙古斑[先天性真皮メラノサイトーシス](mongolian spots)
乳児血管奇形(capillary malformation)乳児血管腫(infantile hemogioma)
石灰化上皮腫[毛母腫](calcifying epithelioma)・粉瘤(atheroma)
肥満細胞症[肥満細胞腫,色素性蕁麻疹](mastocytosis[mastocytoma urticaria pigmentosa])
粘液囊腫(mucous cyst)
12 章 真皮の変化
皮膚萎縮線条(strie distensae)
13 章 感染症
麻疹[はしか](measles)
風疹[三日ばしか](rubella)
突発性発疹(exanthema subitum,roseola infantum)
伝染性紅斑[リンゴ病](erythema infectiosum)
手足口病(hand-foot-mouth disease)・ヘルパンギーナ(herpangina)
伝染性単核球症(infectious mononucleosis)
ジアノッティ・クロスティ症候群(Gianotti-Crosti syndrome:GCS)
単純ヘルペス(herpes simplex)
水痘[みずぼうそう](chicken pocks)・ 帯状疱疹(herpes zoster)
疣贅[いぼ](尋常性疣贅 ・扁平疣贅・尖圭コンジローマ)
伝染性軟属腫[みずいぼ](molluscum contagiosum)
伝染性膿痂疹[とびひ](impetigo contagiosa)・ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(staphylococcal scalded skin syndrome:SSSS)
溶連菌感染症[猩紅熱](streptococcal infection[scarlet fever])
汗腺炎,乳児多発性汗腺膿瘍(multiple sweat gland abscess of infant)・毛包炎(folliculitis)・癤,癤腫症(furuncle,furunculosis)
丹毒(erysipelas)
真菌感染症(足白癬[みずむし]・カンジダ症ほか)(fungus disease)
14 章 虫と寄生生物による皮膚炎
虫刺症[虫刺され](insect bite)
頭虱[アタマジラミ](pediculosis capitis)
疥癬(scabies)
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書籍情報
- ISBN:9784059887317
- ページ数:208頁
- 書籍発行日:2023年10月
- 電子版発売日:2024年3月22日
- 判:AB判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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