肩関節のMRI 第3版

  • ページ数 : 424頁
  • 書籍発行日 : 2024年4月
  • 電子版発売日 : 2024年4月4日
10,450
(税込)
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商品情報

内容

定番書籍が13年を経て大改訂!
「凍結肩」の章を新たに設け50以上の症例を提示するほか,腫瘍類似性病変や神経疾患,新しいバイオメカニクスの知見も収載。MRI正常解剖のスライス数を増やし,各疾患の治療方針を解説,また特徴的な術後MRIを例示するなど,さらにわかりやすい紙面にアップグレード。読影に必要なMRI正常解剖も一新して,舌部の解剖も加りさらに充実!
これから学ぶ方にも,旧版をお持ちの方にも自信を持ってお薦めできる一冊。

序文

序文

初版「肩関節の MRI」が 2000年に刊行された時はいたく達成感に満たされた。「人生の元はとった」とさえ思った。しかし,すぐに改訂したいとも思った。そこでメジカルビュー社に改訂条件を教えてもらった。

①売れること,②内容が陳旧化していること,③5年以上経つこと,とのことであった。①,②,③の条件が揃った後に改訂を何度も試みたが,その都度挫折した。

2010年12月に秋田大学を辞めてチャンスは訪れた。イメージング・センター:八重洲クリニックの常勤医師として働くことになった。ここには肩関節 MRI の読影に没頭できる環境,豊富な症例,そして東京八重洲という地の利があった。この“改訂 第2版肩関節の MRI”には3つの眼目がある。

①症例写真は最新3テスラMRIで撮影された最高の画像。

② 難解な肩関節 MRI オリエンテーションを少しでもわかりやすくするために,病変を多方向で提示する。また病変の前後スライス画像も表示する。

③ 実際の読影にもすぐに役立つように,本の最初には「MRI 正常解剖図譜」と最後には「読影の壺」を配置する。

初版の時は仲良く秋田大学に勤務していた佐志,井樋,皆川の3人はそれぞれの新天地に移っている。師匠の井樋栄二先生は東北大学整形外科教授になられて多事多忙の毎日である。初版の時のように全文チェックを受けることができなくなっていた。皆川洋至先生も超音波診断の第一人者として東西奔放の日々である。運の良いことに,マクロ解剖で臨床に切り込む秋田恵一教授と,井樋先生の懐刀である山本宣幸先生の協力を新たに得ることができた。両先生ともに超多事多忙にも拘わらず,気合いをいれて執筆してくれた。推薦文は名著『肩 その機能と臨床』の著者であり,a man of passion:信原克哉先生が書いてくださった。約1年半で書き上げた原稿であるが,校正に入ると内容も症例写真もすべて書き直したくなる。1年前に書いた原稿は私には陳腐化してしまうのだった。それ程に症例は豊富にあった。またエキサイティングな東京で私自身の進化も加速した。メジカルビュー社編集担当の松原かおるさん,永石秀樹さんとの2週の1度の打ち合わせのたびに2人を困らせた。この2人の編集者は影の執筆者である。書き込むことができなかった内容,新たな教育的症例に関してはホームページを使って逐次紹介していこうと思っている。

最後に改訂を強く勧めてくれた諸先輩,改訂内容に関してアドバイスをくれた友人達,新たな職場も含めて応援してくれたすべての人達に感謝いたします。


2011年5月

佐志隆士

目次

MRI正常解剖図譜

斜位冠状断像,斜位矢状断像,軸位断像,舌部の正常解剖図譜  天野大介,佐志隆士

1 基 礎

肩関節の解剖とMRI  佐志隆士,ほか

肩関節の解剖を知る

肩関節の層構造

肩複合体(上肢帯)

肩関節の骨

肩の筋群

肩関節上下方の安定化機構

腱板疎部

肩甲下滑液包

肩峰下滑液包

解剖写真でみる骨形態

解剖写真でみる腱板の筋内腱,関節包の付着

肩関節の機能解剖と病態  井樋栄二

肩関節の機能

肩関節の病態

肩関節のバイオメカニクス  田中 洋

肩はどの関節よりも自由度が高いがそもそも不安定な関節

肩は複数のテコが作用しておりバランスがとれていると腕を持ち上げることができる

肩関節の外来診察  山本宣幸

外来診察

新しい理学テスト

疼痛肩

スポーツ障害肩

その他の肩関節疾患

2 臨床

疼痛肩-腱板断裂  佐志隆士

腱板とは

腱板疎部とは

腱板断裂とは

棘上筋腱停止部,滑液包側剥離断裂の拡大様式

棘上筋における外傷性筋腱間断裂とその拡大,および残存遠位端の萎縮消失

棘上下筋腱全層断裂後に生じる“引き込み”と萎縮評価

MRIで診断する腱板断裂

MRIで診断する部分断裂

MRIで診断する全層断裂

疼痛肩-突き上げと擦れ(インピンジメント)  佐志隆士

中高年の疼痛肩

突き上げと擦れ(インピンジメント)とは

疼痛肩-石灰沈着性腱板炎  佐志隆士

石灰沈着性腱板炎とは

MRIで診断する石灰沈着性腱板炎

疼痛肩-上腕二頭筋長頭腱炎  佐志隆士

上腕二頭筋長頭腱炎とは

MRIで診断する長頭腱炎

疼痛肩-上腕二頭筋長頭腱断裂  佐志隆士

上腕二頭筋長頭腱断裂とは

MRIで診断する長頭腱断裂

疼痛肩-上腕二頭筋長頭腱亜脱臼,脱臼  佐志隆士

上腕二頭筋長頭腱亜脱臼,脱臼とは

MRIで診断する長頭腱亜脱臼,脱臼

疼痛肩-hidden lesion(隠された病変)ー長頭腱滑車部での肩甲下筋腱舌部損傷ー  佐志隆士

hidden lesionとは

長頭腱亜脱臼を伴わないhidden lesionとは

MRIで診断するhidden lesion

疼痛肩-筋損傷  佐志隆士

肉ばなれとは

筋挫傷とは

MRIで診断する筋損傷

疼痛肩-上腕骨頭大結節不全骨折,骨挫傷  佐志隆士

上腕骨頭大結節不全骨折,骨挫傷とは

MRIで診断する上腕骨頭大結節不全骨折,骨挫傷  佐志隆士

疼痛肩-肩 関節包炎⊇拘縮肩(=凍結肩)  佐志隆士

拘縮肩とは

腋窩嚢拘縮とは

MRIで診断する腋窩嚢拘縮

腱板疎部拘縮とは

MRIで診断する腱板疎部拘縮

腱板疎部とは

腱板疎部炎,腱板疎部損傷とは

MRIで診断する腱板疎部炎,腱板疎部損傷

疼痛肩-腋窩嚢(関節包)/関節唇の関節裂隙への手繰れ込み  佐志隆士

手繰れ込みとは

疼痛肩-凍結肩  佐志隆士

肩 関節包炎⊇凍結肩≒五十肩

経過観察することができた肩 関節包炎

合併症を認める肩 関節包炎

スポーツ障害肩  佐志隆士

肩のスポーツ外傷とスポーツ障害

投球障害肩

後上方関節唇損傷(SLAP損傷)

傍関節唇嚢胞(ガングリオン,paralabral cyst)

関節内後方押し擦れ

slant appearance,Bennett損傷

小円筋の浮腫

上腕骨近位骨端線離開

不安定肩  佐志隆士,井樋栄二

反復性肩関節脱臼

動揺肩

関節関連の腫瘍腫瘍類似疾患  青木隆敏

滑膜増殖性疾患

関節近傍に生じる骨腫瘍

その他の肩関節疾患  佐志隆士,山本麻子,辰野 聡

変形性肩関節症(OA)

化膿性肩関節炎

リウマチ性肩関節症

透析肩(hemodialysis-related shoulder)

上腕骨頭壊死

滑膜骨軟骨腫症(synovialosteochondromatosis)

PVNS(pigmented villonodular synovitis;色素性絨毛結節性滑膜炎)

肩の腫瘍,腫瘍類似性病変

烏口下滑液包炎

os acromiale

BCG

乳癌再発

神経疾患

3 MRIの基礎知識

撮像方法  佐志隆士

検査の目的

撮像方法を決める

撮像方向を決める

T1,T2,T2*,脂肪抑制のパルスシークエンスの選び方

患者への対応

撮像時の注意点

ルーチン検査のプロトコル

病変はどこにあるのか(位置決め撮像)

MR-関節造影(MR-arthrography)

読影の壺 疾患別にみる読影臨床のポイント 佐志隆士

疼痛肩

腱板断裂⊇剥離

腱板炎

石灰沈着性腱板炎

上腕二頭筋長頭腱炎

上腕二頭筋長頭腱脱臼と肩甲下筋腱断裂

肉ばなれ

大結節骨折,骨挫傷

肩 関節炎⊇関節周囲炎

腱板疎部肩 関節包炎(凍結肩)

スポーツ障害肩

投球障害肩(上方〜後上方関節唇損傷,関節内後上方押し擦れ)

投球障害肩(ガングリオン:関節唇損傷と傍関節唇嚢胞)

投球障害肩(棘下筋腱,関節側,部分断裂腱挫傷)

投球障害肩(棘下筋腱,関節側,剥離)

腱板疎部炎

腱板疎部損傷

不安定肩

狭義Bankart損傷,Hill-Sachs損傷

骨性Bankart損傷,摩耗型骨性Bankart損傷

HAGL

動揺肩(loose shoulder)

肩関節の整形外科用語

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書籍情報

  • ISBN:9784758321860
  • ページ数:424頁
  • 書籍発行日:2024年4月
  • 電子版発売日:2024年4月4日
  • 判:B5変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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