• ページ数 : 140頁
  • 書籍発行日 : 2024年3月
  • 電子版発売日 : 2024年4月5日
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商品情報

内容

国調査のリアルワールドデータからみる肝硬変成因の実態と動向

「肝硬変の成因別実態」は,40年にわたり行われている全国調査で,実臨床における肝硬変の成因と実態を把握する貴重な資料である.本書は,第59回日本肝臓学会総会における全国調査の抜粋で,2018年以来5年ぶりの報告となる.
【注目ポイント】
・わが国の慢性肝疾患・肝硬変の成因は,大きな転換期を迎えている.
・非ウイルス性肝疾患,特にアルコール性肝障害はどの程度増加しているのか?
・肝疾患・肝硬変の成因の地域による特性は?

序文

序文

日本肝臓学会では,不定期であるがおおよそ5年ごとに肝硬変の成因別調査を行っている.今回2023年6月に奈良で開催された第59回総会では,第54回総会(2018年)以来5年ぶりに北海道から沖縄まで全国の53 施設からご協力をいただき,実臨床におけるリアルワールドデータが報告された.

今回の調査では,わが国における肝硬変の成因が大きく変わりつつあることが明らかとなった.前回の調査ではC 型肝炎ウイルス(HCV)による肝硬変が半数を切ったことが大きな話題となったが,経口抗ウイルス薬の広がりとともにHCVはさらに減少しており,今回の調査では1/3以下(23. 4%)にまで減少していた.代わって非ウイルス性肝硬変が著明に増加しており,アルコール性肝硬変が35. 4%と最多となっている.また非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に関しても,前回の6. 3%から14. 6%とほぼ倍増している.このように,今後の実臨床において非ウイルス性肝疾患は非常に重要な疾患となると思われる.

脂肪性肝疾患については,2023 年に大きな概念変更の定義がなされた.これまでのnonalcoholicfatty liver disease(NAFLD)という言葉はfatty・alcoholic という単語がスティグマに関連するとされたことなどもあり,steatotic liver disease(SLD)という表現に変更することが提案され,今後新しい概念へ移行すると思われる.

また,今回の調査で最多の原因となったアルコール性肝硬変に関しては,2021年のアルコール健康障害対策推進基本計画(第2期)において,代表的な臓器障害としてアルコール性肝疾患が明記されるなど法的にも重要性が高まっている.2022年には日本肝臓学会が「アルコール性肝障害(アルコール関連肝疾患)診療ガイド2022」を発刊しており,今後この領域における研究の発展が期待される.

肝硬変診療は成因や概念の大きな変化,他臓器との関連,治療法の未確立などさまざまな課題を抱えており,今後病態解明を含めたさらなるブレイクスルーが期待されている領域である.今回の調査が,これまでの調査と同様にわが国の肝硬変診療にとって貴重なデータとなることは間違いなく,本調査にご協力いただいたすべての施設や関係の先生方に深く感謝いたします.


吉治仁志
第59回日本肝臓学会総会 会長
奈良県立医科大学消化器内科学講座 教授

目次

セッションの概要について 榎本平之,他

1 2018年以降に当科で加療した肝硬変症例の検討 阿久津典之,他

2 当院における肝硬変の成因別実態 伊藤 淳,他

3 北海道大学における肝硬変の成因別実態 小川浩司,他

4 北海道札幌市における肝硬変の成因と病態の推移の検討 川岸直樹,他

5 当院における肝硬変の成因別実態 小林智絵,他

6 当院における肝硬変の成因別実態とその変遷 清水孝夫,他

7 当科における肝硬変の成因および合併症の実態 巽 亮二,他

8 当院における肝硬変の成因別実態 寺下勝巳,他

9 当院における肝硬変の成因別実態 馬場 英,他

10 道北医療圏の5基幹病院における肝硬変の成因と推移 林 秀美,他

11 地方病院における肝硬変の成因別実態-前回調査との比較- 久居弘幸

12 当院における肝硬変の成因別実態 山本義也,他

13 当科における肝硬変の成因別実態 遠藤 啓,他

14 当県における肝硬変の成因と病態の推移 後藤 隆,他

15 当院の肝癌治療患者における肝硬変の成因推移 佐野晃俊,他

16 当院における肝硬変の成因別実態と予後の経時的変化 藤田将史,他

17 当院における肝硬変の成因の推移および合併症の特徴について 星川恭子,他

18 当科における肝硬変成因および50歳以下の肝硬変の特徴 浅野岳晴,他

19 成因別の臨床背景からみた特徴と肝硬変のマネジメントの重要性 上田 元,他

20 群馬県における肝硬変の成因と病態の推移 柿﨑 暁,他

21 医療過疎地域における肝硬変の成因の変遷 亀崎秀宏,他

22 当科における肝硬変の成因別実態調査2023年版 谷合麻紀子,他

23 当科における肝硬変の成因別実態 津久井舞未子,他

24 原因不明肝硬変の臨床的特徴の変遷 十束茉衣,他

25 当院における肝硬変の成因別実態 内藤 宏,他

26 当院における肝硬変の成因別実態 宮本 遥,他

27 当院における肝硬変の成因別実態 池田裕至,他

28 当施設における肝硬変の成因別実態 佐藤光明,他

29 当院における肝硬変の成因別実態 竹内真実子,他

30 当科における肝硬変の成因別実態と推移 千葉智義,他

31 当施設における肝硬変の成因と体組成変化の推移に関する検討 中畑由紀,他

32 長野県における肝硬変の成因実態 山下裕騎,他

33 当院における肝硬変の成因別実態 阿部友太朗,他

34 当院における肝硬変の成因別実態と臨床的特徴 奥田圭一郎,他

35 当院における肝硬変の成因別実態 尾下正秀,他

36 当院における肝硬変の成因別実態 垣田成庸,他

37 当院における肝硬変患者の背景疾患の推移 新海数馬,他

38 当科における肝硬変の成因別実態 高嶋智之,他

39 当科における肝硬変の成因別実態と変遷 波崎 正,他

40 当科の肝硬変の成因別実態 藤井英樹,他

41 当院における肝硬変の成因別実態 野﨑泰俊,他

42 当院における肝硬変の成因別実態とその経年的変化 宮﨑昌典,他

43 当院における肝硬変の成因と病態の推移 足立卓哉,他

44 当科の肝硬変の成因別実態 小坂正成,他

45 当院における肝硬変の成因と病態の経時推移 久永拓郎,他

46 当科における肝硬変の成因別実態 松村周治,他

47 当院における肝硬変の成因別実態 田所智子,他

48 当科における肝硬変の成因別頻度 盛田 真,他

49 沖縄県における肝硬変の成因別実態 新垣伸吾,他

50 当科における肝硬変の成因別実態 伊集院翔,他

51 当科における肝硬変の成因別実態 吉丸洋子,他

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書籍情報

  • ISBN:9784830621178
  • ページ数:140頁
  • 書籍発行日:2024年3月
  • 電子版発売日:2024年4月5日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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