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商品情報
内容
感染対策を知り尽くしたプロからのアドバイス,各種のガイドラインや指針をまとめ,最適で正確な対応をすべて網羅できる必携書.ネット検索をするよりも素早く信頼できる答えがわかる,ポケットの相棒.ひと目でわかるフローチャートや表をふんだんに使い,時間が無い現場でもパッと開いてサッと必要な情報が確認できる便利なマニュアル.施設内のすべてのスタッフと患者の安心・安全のための1冊!
序文
序
新型コロナウイルス感染症は5類化されましたが,以降も流行を繰り返しており,ウイルスにとっては人間の世界のルールなどお構いなしです.また,新型コロナウイルスだけでなく,新興再興感染症の出現や,薬剤耐性菌などによって,医療現場での感染対策はますます重要になっています.そのため,適切な感染対策の方法の普及が急務です.
しかし,感染対策の実践には,系統的な専門知識が必要不可欠です.残念ながら感染管理認定看護師や感染症内科医が不在の施設も少なくありません.そのため,ある日突然,あなたが施設の感染対策の責任者や実務担当者に任命されることだってあるかと思います.もしかしたら,本書を手に取っていただいている時点ですでにそうかもしれませんね.
専門家が不在の施設であっても感染症は待ったなしです.だからこそ,医療者全員が適切な感染対策を実践できるように,方法が明確に示されなければなりません.本書は,その一助となることを目指し,実務担当者が読みやすく,かつわかりやすく,すぐに実践に移せるように工夫しました.また,ポケットサイズにすることで,常に携帯し,必要な際にサッと参照できるようになっています.
院内の感染対策マニュアルを新たに作成するのであれば,本書をぜひご活用ください.また,勤務先の医療機関にすでに完成された感染対策マニュアルが存在する場合には,本書を改訂の際の参考資料として使ってみてください.
本書が多くの医療現場で活用され,感染対策の一助となれば幸いです.
2024年4月
著者を代表して
伊東直哉
目次
第1章 院内感染の定義と対策の基本
1-1 院内感染の定義と予防策 〈伊東直哉〉
1 院内感染とは
2 標準予防策と感染経路別予防策
3 感染経路別予防策のデメリット
1-2 感染症法により届出が必要な疾患 〈伊東直哉〉
第2章 標準予防策
2-1 標準予防策の概要 〈伊東直哉〉
1 標準予防策とは
2 疾患非特異的な感染予防策の必要性
3 標準予防策の内容
2-2 標準予防策の実際
1 手指衛生 〈伊東直哉〉
1 手指衛生について
MEMO ▶ v/v%,vol%,w/v%とは?
2 手指を介した微生物の伝播様式
3 手指衛生と医療関連感染について
4 手の皮膚面および微生物の環境表面における生存時間
5 手指衛生手技
6 手指衛生に関する注意点
7 手指衛生遵守のモニタリング
8 手指衛生遵守の向上
2 個人防護具 〈伊東直哉〉
1 手袋
2 ガウン・エプロン
3 マスク
MEMO ▶ ユニバーサルマスクとは
4 アイガード・ゴーグル・フェイスシールドマスク
5 処置別 装着個人防護具
2-3 呼吸器衛生/咳エチケット 〈伊東直哉〉
1 呼吸器衛生/咳エチケットとは
2 呼吸器衛生/咳エチケットの要素
2-4 その他の標準予防策の内容 〈伊東直哉〉
1 患者配置
2 患者ケアに使用した器具および器械/装置の取り扱い
3 環境管理
4 リネンの取り扱い
5 安全な注射手技
6 腰椎穿刺における感染制御手技
第3章 感染経路別予防策
3-1
1 接触予防策の概要 〈伊東直哉〉
1 接触感染とは
2 接触予防策が適応となる代表的疾患
3 対策の実際
2 飛沫予防策の概要 〈伊東直哉〉
1 飛沫感染とは
MEMO ▶ エアロゾル感染とは
2 飛沫予防策が適応となる代表的疾患
3 対策の実際
3 空気予防策の概要 〈伊東直哉〉
1 空気感染とは
2 空気予防策が適応となる代表的疾患
3 対策の実際
MEMO ▶ 患者にN95マスクを装着させたほうがよいか?
MEMO ▶ フィットテスト
MEMO ▶ ユーザーシールチェック
4 特定の感染症と状態に推奨される予防策の種類と期間 〈伊東直哉〉
3-2 接触予防策が必要な感染
1 MRSA感染症 〈伊東直哉〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 適応・解除基準
MEMO ▶ 2018年米国医療疫学学会の推奨
4 曝露者の対応
2 多剤耐性グラム陰性桿菌 〈伊東直哉〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 適応・解除基準
4 曝露者の対応
5 届出
3 単純ヘルペスウイルス 〈伊東直哉〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 適応・解除基準
4 曝露者の対応
5 職員罹患時の就業制限
4 RSウイルス 〈伊東直哉〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 適応・解除基準
4 曝露者の対応
5 疥癬 〈伊東直哉〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 適応・解除基準
4 その他
6 O157を含む腸管出血性大腸菌感染症 〈赤澤奈々〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 適応・解除基準
4 曝露者の対応
5 その他
7 バンコマイシン耐性腸球菌 〈赤澤奈々〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 適応・解除基準
4 曝露者の対応
5 その他
8 ウイルス性急性胃腸炎(冬季下痢症) 〈古谷賢人〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 適応・隔離解除基準
4 曝露者の対応
5 環境整備
6 その他
9 Clostridioides difficile感染症(CDI) 〈古谷賢人〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 適応・隔離解除基準
4 曝露者の対応
5 環境整備
6 予防
10 エムポックス(mpox) 〈石金正裕〉
1 病原体
2 感染経路
3 感染予防策
4 解除基準
5 曝露者の対応
6 差別偏見への対応
7 保健所への連絡と感染症法に基づく届出
3-3 飛沫予防策が必要な感
1 パルボウイルスB19 〈倉員侑己〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 適応・解除基準
4 曝露者の対応
2 アデノウイルス感染症 〈倉員侑己〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 適応・解除基準
4 曝露者の対応
3 エンテロウイルス 〈倉員侑己〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 適応・解除基準
4 曝露者の対応
4 風疹ウイルス 〈中屋雄一郎〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 適応・解除基準
4 曝露者の対応
5 インフルエンザウイルス感染症 〈中屋雄一郎〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 適応・解除基準
4 曝露者の対応
6 ムンプスウイルス(おたふくかぜ,流行性耳下腺炎) 〈中屋雄一郎〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 適応・解除基準
4 曝露者の対応
7 レジオネラ症 〈中屋雄一郎〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 曝露者の対応
8 新型コロナウイルス感染症 〈藤田崇宏〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 適応・解除基準
4 曝露者の対応
9 髄膜炎菌 〈寺田教彦〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 適応・解除基準
4 曝露者の対応
3-4 空気予防策が必要な感
1 結核感染症 〈寺田教彦〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 適応・解除基準
MEMO ▶ 3連痰
4 曝露者の対応
2 水痘・帯状疱疹 〈寺田教彦〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 適応・解除基準
4 曝露者の対応
3 麻疹 〈寺田教彦〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 適応・解除基準
4 曝露者の対応
3-5 その他の感
1 クロイツフェルト・ヤコブ病 〈寺田教彦〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 クロイツフェルト・ヤコブ病(疑い患者を含む)への対応
MEMO ▶ プリオン病ハイリスク手技とは
4 プリオン病インシデント事例とその対応
MEMO ▶ プリオン失活の方法
2 感染経路が特定できていない新興感染症への対応 〈石金正裕〉
1 新興感染症とは
2 新興感染症における感染対策
3 新興感染症の情報収集
3 HIV感染症 〈倉井華子〉
1 病原体
2 感染経路と予防策
3 曝露者の対応
4 スクリーニング検査
3-6 海外からの高度薬剤耐性菌の持ち込み対策 〈石金正裕〉
1 海外からの高度薬剤耐性菌の持ち込み対策とは
2 医療機関における実際の対策
3 保健所への連絡と感染症法に基づく届出
第4章 施設改修にまつわる医療関連感染予防 〈橋本麻子,相野田祐介,冲中敬二〉
1 施設改修に伴う感染対策の必要性
2 Infection Control Risk Assessment(ICRA)
3 ICRAの実際
4 その他
第5章 医療従事者のワクチン 〈倉井華子〉
1 ワクチン概要
2 各論
第6章 針刺し・切創・体液曝露
6-1 針刺し・切創・体液曝露の概要 〈寺田教彦〉
1 はじめに
2 針刺し・切創・体液曝露時の対応
6-2 病原体別 針刺し・切創・体液曝露後の対応 〈寺田教彦〉
1 B型肝炎ウイルス(HBV)
2 C型肝炎ウイルス(HCV)
3 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
4 その他(梅毒,HTLV—1など)
5 感染源不明
6 経過観察時の対応について
6-3 針刺し・切創・体液曝露防止対策 〈寺田教彦〉
1 針刺し・切創・体液曝露防止対策 概論
MEMO ▶ 二重手袋の意義
第7章 医療関連感染防止技術
7-1 カテーテル関連尿路感染防止策 〈羽田野義郎〉
1 概要
2 CAUTIの危険因子
3 感染予防策のポイント
4 CAUTI予防戦略・サーベイランスの重要性
7-2 手術部位感染防止対策 〈羽田野義郎〉
1 手術部位感染(surgical site infection:SSI)とは
2 リスク因子
3 予防的抗菌薬
4 SSIの予防
7-3 カテーテル関連血流感染防止対策(総論) 〈鈴木 純〉
1 定義,診断
2 機序,感染経路
3 疫学
4 カテーテルの種類とCRBSIの頻度
5 カテーテルの選択
MEMO ▶ CRBSI共通の予防策
6 手指衛生
7 ANTT®(Aseptic Non Touch Technique:無菌的非接触操作)
8 輸液セットとニードルレスシステム
9 接続部(ハブ/コネクタ・アクセスポート)の消毒
10 輸液セットの交換
11 薬剤の調整
12 シャワー
7-4 カテーテル関連血流感染防止対策(各論) 〈鈴木 純〉
1 中心静脈カテーテル関連血流感染(CVCR—BSI)
2 末梢静脈カテーテル関連血流感染(PVCR—BSI)
3 末梢動脈カテーテル関連血流感染(PACR—BSI)
7-5 人工呼吸器関連肺炎予防策 〈上田晃弘〉
1 人工呼吸器関連肺炎(ventilator associated pneumonia:VAP)の概要
2 VAP予防策のポイント
3 サーベイランス
第8章 医療関連感染サーベイランス 〈倉井華子〉
1 サーベイランスの目的
2 サーベイランスの種類
3 フィードバック
第9章 アウトブレイク時の対応 〈石金正裕〉
1 アウトブレイクとは
2 アウトブレイク調査(実地疫学調査)
3 アウトブレイク調査における外部支援
第10章 洗浄・消毒・滅菌 〈倉井華子〉
1 洗浄・消毒・滅菌の概要
2 器材のリスク分類と処理法
3 洗浄の基本
4 消毒の基本
5 滅菌の基本
6 滅菌物の保管
第11章 医療系産業廃棄物
11-1 感染性廃棄物の概要 〈倉井華子〉
1 廃棄物の分類
2 法規
3 感染性廃棄物の分別と梱包
4 感染性廃棄物の保管
5 廃棄業者への委託
11-2 感染性廃棄物の判断基準 〈倉井華子〉
1 廃棄物の判断基準
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書籍情報
- ISBN:9784498021488
- ページ数:256頁
- 書籍発行日:2024年4月
- 電子版発売日:2024年4月4日
- 判:B6変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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