• ページ数 : 164頁
  • 書籍発行日 : 2024年4月
  • 電子版発売日 : 2024年4月10日
¥4,400(税込)
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商品情報

内容

厚生労働科学研究班が作成した2つの研究成果報告書を1冊にまとめた本。認知症患者の人生に寄り添い、最後まで本人の意志を尊重したケアを実践するためのガイドライン。認知症が進行すると、意志の疎通が難しくなり、本人が何を望んでいるのか、何を苦痛に感じているのか把握するだけでも困難になる。そんな状況を打開して、緩和ケアを実践するための研究と、認知症患者や家族が直面する可能性がある様々な場面や、生活場所別の支援方法をまとめている。

序文

序文
「 認知症支援ガイド― 最期まで本人の意思を酌み取ったケアを実現するために―」

作成にあたって


国内の超高齢社会の状況において、慢性疾患、特に認知症を有する人はこれからさらに増え、2040年には全国で800万以上の人、すなわち約5人に1人が認知症に罹患すると推計されている。このような状況を受けて、国は認知症基本法を制定し、認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるように認知症施策を進めるとしている。この、認知症の人の尊厳を保持するための基本は、認知症の本人の意思を十分に酌み取った医療・ケアの実践である。しかしながら、実際の現場はどういう現状であろうか?

本支援ガイドは令和3~5年度厚生労働症認知症施策研究事業:課題名「療養場所の違いに応じた認知症者のエンドオブライフ・ケア充実に向けての調査研究―COVID-19流行の影響も踏まえて―」の研究班による、3年間の研究成果を基にまとめたものである。この研究事業では、既存のエビデンスを重視しつつ、現場の実践状況・課題抽出をインタビュー調査(質的調査)及び3つの異なる療養場所(療養病床、老人保健施設、在宅)への全国調査(量的調査)を組み合わせた、混合研究法により調査研究を行った。この主なクリニカルクエスチョンは、認知症の人の意思は尊重されているか? 家族の意向による決定になっていないか? そして、療養の場の違いで認知症の人のエンドオブライフに行われているケアや意思決定支援の内容は異なるのでは? であった。今回の全国調査の結果で、認知症の本人の意思に先行し、キーパーソンの意向が反映されている現状があり、さらには療養場所の違いにより、実践されている緩和ケアの内容(質)が異なることが明らかとなった。

これらの調査結果を踏まえ、研究班では、家族決定の実態に対して、認知症の本人への意思決定支援のあり方を明確に示す必要があることと、療養の場ごとの緩和ケア・意思決定支援のあり方を示す必要があることを前提として、研究の成果物として「認知症を有する人のためのエンドオブライフ・ケア:最期まで意思の形成・表出・実現を支えるための支援ガイド」と「認知症の緩和ケア実践ガイドライン」の2つの指針を取りまとめた。

この研究班には医療・ケアの専門職・研究者のみでなく、法律・倫理の専門家、当事者団体代表(認知症の人と家族の会)が参加し、例えば、進行期の認知症の人と家族の意向が一致しない場合はどのように対応するのか(代理代行決定の問題)など、異なる立場から深く議論を行った。また、緩和ケアの指針作成においても、疼痛評価の標準がないことや、海外とは異なるスピリチュアルペインの存在や、それらをどう対応するのかなど、エビデンスが乏しい中でのそれぞれの専門職からの侃々諤々の議論を通して、皆が同意できる内容として指針を取りまとめた。このように、研究班の活動成果として、2つの報告書をまとめることができたが、読者に役立ててもらうため、両方とも1冊の書籍に収録することにした。

本支援ガイドが、今後国内の、特に人生の最後に向かう認知症の人への医療・ケアの充実に少しでも貢献できれば幸いである。


2024年2月8日

令和3~5年度 厚生労働科学研究費補助金 認知症施策研究事業
課題名:「療養場所の違いに応じた認知症者のエンドオブライフ・ケア充実に向けての調査研究― COVID―19流行の影響も踏まえて―」研究班
研究代表者 三浦久幸

目次

第1部 認知症患者のエンドオブライフ・ケア支援ガイド

第1章 エンドオブライフ・ケアとは

第2章 エンドオブライフ・ケアの意思決定支援の基本―緩和ケアの考え方を活かす

第3章 意思決定支援とは―共同意思決定(SDM)の実践

3-1 意思決定とは何か

3-2 本人の意向の尊重

3-3 共同意思決定(SDM)―意思決定支援のプロセス

3-4 明確な言語化を躊躇する日本の文化の中で

3-5 認知症の初期から継続的に意思決定を支援すること

第4章 意思決定の分岐点とは

第5章 認知症のエンドオブライフにおける各分岐点

5-1 ケアの選択に関わる分岐点 

5-1-A 食べられなくなってきたとき

5-1-B 眠る時間が増えてきたとき

5-2 治療法の選択に関わる分岐点

5-2-A 人工的水分・栄養補給法(artificial hydration and nutrition:AHN)を検討するとき

5-2-B 誤嚥性肺炎に罹患したとき

5-2-C 他の感染症に罹患したとき

5-2-D 侵襲性の高い治療法を検討するとき

5-2-E 「認知症の緩和ケア実践ガイドライン」

5-2-F 「臨床倫理ガイドライン」

5-2-G 延命医療について

5-3 療養場所の選択に関わる分岐点 

5-3-A 在宅

5-3-B 高齢者介護施設(特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護付き有料老人ホームなど)

5-3-C 病院

第6章 医療・ケアチーム側から本人・家族側へ提供すべき情報について

6-1 治療とケアに関する情報 

6-1-A 診断名、予想される症状とその発現時期、今後の展開の見通し、生命予後・機能予後

6-1-B 治療法の選択肢、ケアの選択肢、トータルペインへの対応も

6-1-C 医療費

6-2 生活に関わる情報

6-2-A 療養場所の選択肢

6-2-B 在宅医療の社会資源とサービス活用法

6-2-C 介護費用 

6-3 医療・ケアチームや患者会・家族会などについて

6-3-A 担当の医療・ケアスタッフの氏名・職種と連絡先

6-3-B 患者と家族の会およびグリーフワークのピアサポート団体について

第7章 医療・ケアチームが本人・家族側に言葉をかけるタイミング

7-1 在宅において本人・家族等の意向を知るために医療・ケアチームが言葉をかけるタイミング  

7-2 本人・家族側との対話について

7-2-A 在宅

7-2-B 高齢者介護施設(特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護付き有料老人ホームなど)

7-2-C 病院

7-3 意思決定に関する対話を担当する職種について

7-4 きっかけとなる具体的な対話方法

第8章 代弁者―意思決定における家族等の役割

第9章 多職種間の情報共有の重要性

9-1 在宅

9-1-A 24時間の生活を把握する難しさ

9-1-B 多職種の範囲の相違

9-1-C 収集可能な情報の相違

9-1-D 在宅療養における多職種間の情報連携

9-2 高齢者介護施設(特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護付き有料老人ホームなど)

9-3 病院

第10章 本人の意向/価値観・選好を把握できないとき―チームによる最善の方針の判断

第11章 ACPについて

11-1 ACPとは何か

11-1-A ACPの定義

11-1-B ACPの目標

11-2 ケア・プランニングとACPは連続的

11-3 事前指示について

第12章 認知症を有する人のためのACP実施における推奨事項

第13章 成年後見制度について

13-1 成年後見人とその職務について

13-2 後見人等による意思決定支援への関与

13-3 医療・ケアの場面において後見人などに期待される役割

第14章 グリーフケアについて

第15章 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)および他の疫病の発生時のために

15-1 在宅

15-1-A コミュニケーションが後回しになる

15-1-B 極限の状況で本人にとって信じられる存在であるか

15-1-C 日頃の話合いの重要性と医療・ケアチームとの関係性

15-2 高齢者介護施設(特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護付き有料老人ホームなど)

15-3 病院

第16章 診療録などの記録について

第17章 本人・家族等に関わる情報の保護について

第2部 認知症の緩和ケア実践ガイドライン

はじめに

第1章 認知症の緩和ケアとは

第2章 痛みの評価

第3章 残存する認知機能の評価

第4章 予後予測

第5章 パーソン・センタード・ケア

第6章 重度認知症のスピリチュアリティ

第7章 アドバンス・ケア・プランニング

第8章 コミュニケーション

第9章 認知症(BPSD含む)の治療

第10章 食事が摂れなくなった時のアプローチ

第11章 終末期認知症の感染症マネジメント

第12章 臨死期のケア

第13章 介護者のケア

第14章 遺族のケア

第15章 追加情報

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書籍情報

  • ISBN:9784296204847
  • ページ数:164頁
  • 書籍発行日:2024年4月
  • 電子版発売日:2024年4月10日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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