医学のあゆみ289巻5号 MASLD/MASH―研究と診療の最新情報

  • ページ数 : 120頁
  • 書籍発行日 : 2024年5月
  • 電子版発売日 : 2024年4月27日
¥2,970(税込)
ポイント : 54 pt (2%)
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

・非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)および非アルコール性脂肪肝炎(NASH)については,以前から病名による偏見の可能性や診断基準に関する問題が指摘されていた.
・そこで,NAFLDはmetabolic dysfunc-tion-associated steatotic liver disease(MASLD)へ,NASHはmetabolic dysfunction-associated steatohepatitis(MASH)へ変更され,診断基準も変更されることが発表された.
・本特集では,疾患名・疾患定義の変更に加えて病態理解,治療法が大きく進歩しつつあるMASLD/MASHの現状について一度整理するため,基礎・臨床の両面から各分野のエキスパートの先生方にご解説をいただく.

序文

はじめに

非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalchoholic fatty liver disease:NAFLD)および非アルコール性脂肪肝炎(nonalchoholic steatohepatitis:NASH)については,以前から病名による偏見の可能性や診断基準に関する問題が指摘されていた.そこで米国肝臓病学会(AASLD),欧州肝臓学会(EASL)など世界のliver society のエキスパートによる議論を重ねた結果,2023 年6 月,従来のNAFLD はmetabolic dysfunction‒associated steatotic liverdisease(MASLD)へ,NASH はmetabolic dysfunction‒associated steatohepatitis(MASH)へ変更され,診断基準についても変更されることが発表された.詳細は本特集・芥田先生の稿で述べられているが,MASLD の診断には脂肪肝に加えて5 つの心血管代謝危険因子のうち,すくなくとも1 つを満たすことが必要となり,代謝異常に起因する脂肪肝であることが明確化された.そして2023 年9 月,日本肝臓学会と日本消化器病学会も同様に疾患名・疾患定義を変更することが発表された.これによってMASLD の疾患概念が整理されたが,同時に,これまでNAFLD として蓄積されてきたエビデンスがMASLD でも適用可能か検証が必要である.

また,MASLD/MASH は非常に罹患率が高い疾患であるため,病態進展高リスク群の囲い込みが大きな課題のひとつである.血清マーカーやエラストグラフィを用いた非侵襲的病態評価法の進歩に加えて,遺伝子多型やトランスクリプトームによる病態分類も試みられ,肝外合併症も含めたMASLD のリスク算定や高リスク群設定の精度を高める研究が進んでいる.

病態についても,細胞や動物モデルを用いた解析に加え,ヒト検体を用いたさまざまな解析,さらにはシングルセル解析や空間的遺伝子発現解析などのテクノロジーの進歩によって,MASLD における多臓器連関や肝線維化・発癌メカニズムの理解が急速に深まっている.


中川勇人
Hayato NAKAGAWA
三重大学大学院医学系研究科消化器内科学

目次

第1土曜特集 MASLD/MASH─研究と診療の最新情報

はじめに  中川勇人

疾患概念診断フォローアップ

MASLD/MASH─新たな名称分類にみる将来の展望  芥田憲夫

MASLD/MASHの疫学と自然史  中塚拓馬

血中バイオマーカーを用いたMASLD/MASHのリスク評価  大野敦司他

エラストグラフィを用いたMASLDの病態評価  小林 貴他

MASLD/MASH肝癌の現状と対策  建石良介

MASLD/MASHの肝外合併症  窪津祥仁 高橋宏和

MASLD/MASHにおける遺伝子多型と予後  瀬古裕也

トランスクリプトームに基づくMASLD研究の未来像  藤原直人中川勇人

病態

糖脂質代謝異常とMASLD 粟澤元晴

MASLDにおける細胞死のメカニズム  田中 稔

細胞死を起点とした肝線維化メカニズム 伊藤美智子菅波孝祥368 MASLD/MASH進展における免疫調整異常  中本伸宏

MASLDからの肝発癌分子メカニズム  疋田隼人

MASLD/MASHにおける腸肝相関および腸内細菌叢の役割  鍛治孝祐吉治仁志

MASLD肝癌における免疫微小環境  古田訓丸小玉尚宏

治療方法

MASLD/MASHに対する栄養運動療法  佐野有哉他

MASLD/MASHに対する薬物治療の現状重福隆太中川勇人

MASLD/MASHに対する新薬開発状況  岩城慶大他

アプリを用いたMASH治療の可能性 佐藤雅哉

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 10.0 以降

    外部メモリ:9.5MB以上(インストール時:23.0MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:38.1MB以上

  • android icon

    AndroidOS 5.0 以降

    外部メモリ:9.5MB以上(インストール時:23.0MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:38.1MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、M2Plus Launcherが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784006028905
  • ページ数:120頁
  • 書籍発行日:2024年5月
  • 電子版発売日:2024年4月27日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。