いますぐ役立つがんゲノム医療の手引 ~消化器外科医のために

  • ページ数 : 104頁
  • 書籍発行日 : 2024年4月
  • 電子版発売日 : 2024年5月31日
¥3,300(税込)
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商品情報

内容

消化器外科医ががんゲノム医療を理解するために

現在、免疫療法とともに急速な広がりをみせるがんゲノム医療について、従来のがん治療との相違、基礎、実際の運用、そして将来的な展望までを示す。がんゲノム医療を今日、理解するために。

序文

はじめに(執筆にあたり)

昨年,良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための「ゲノム医療法」が国会で成立した(2023 年6 月16 日公布・施行)。がん遺伝子パネル検査が保険診療として認められて4 年経過し,ゲノム医療施策は今後ますます重要かつ身近なものとなってくるのは確実である。

こうした背景もあり,わが国においてはがんゲノム医療の拡充が進んできており,がんに対する個別化医療を日常診療において行えるようになってきた。これまでも,がん遺伝子検査は特定の抗がん剤選択のためのコンパニオン診断として行われてきたが,数十から数百個の遺伝子変異を同時に調べるがん遺伝子パネル検査はがん治療に非常に大きな変革をもたらした。保険診療でのがん遺伝子パネル検査の施行は認定された医療施設でのみ,と制限されてはいるものの,がんゲノム情報管理センター(C-CAT)に蓄積された臨床・ゲノムデータを用いてのエキスパートパネルにおいて治療提案の検討がなされるために質的担保がある。現在,免疫療法とともにがんゲノム医療は急速な広がりをみせており,消化器外科医にとっても必須のものとなってきた。

忙しい消化器外科医の先生にまずは臓器別の化学療法とがん遺伝子パネル検査のタイミングを示し,次に検査を行うための実践的な手順を紹介する。最後に,余力のある先生たちのために,分子生物学的な側面からがんゲノム医療,とくにがん遺伝子パネル検査をわかりやすく解説した。明日からの診療にぜひとも役立てていただきたいと願うしだいである。

本書の執筆にあたり,このような機会をお与えいただいたうえに序文までいただいた福島県立医科大学・竹之下誠一理事長兼学長,柴田昌彦教授,また,推薦文をお寄せいただいた日本遺伝性腫瘍学会理事長・石田秀行先生(埼玉医科大学総合医療センター)に深甚なる謝意を表する次第です。


2024年3月吉日

福島県立医科大学附属病院がんゲノム医療診療部
福島県立医科大学医学部消化管外科学講座
齋藤 元伸

目次

第1章 従来のがん医療とゲノム医療の違い

A がんゲノム医療とは

 1 予防・診断・治療が同価値

 2 がん遺伝子パネル検査の役割

B がんゲノム医療による治療薬選択の変化

 1 コンパニオン診断薬からがん遺伝子パネル検査へ

 2 がんゲノム医療を下支えするがんゲノム情報管理センター

第2章 がんとゲノムの関わり

A 正常細胞とがん細胞の違い

 1 正常細胞のがん化とは

 2 がん細胞は細胞死の制御機構破綻

B がん発症は遺伝子異常が原因

 1 DNA に損傷を与える内的・外的要因

 2 遺伝子異常をもたらすDNA 複製エラー

 3 DNA 修復機構

C がん遺伝子検査と遺伝学的検査

 1 体細胞変異と生殖細胞系列変異

 2 病的バリアント保持者の累積罹患リスク

D 多段階発がんモデルとドライバー遺伝子変異

 1 多段階発がん

 2 ドライバー遺伝子変異

E シークエンサーの開発と遺伝子変異検索

 1 技術革新による解析時間短縮と費用抑制

 2 次世代シークエンサーを用いての遺伝子変異解析

 3 シークエンスの種類

F がん遺伝子パネル検査で報告される遺伝子変異

 1 マイクロサテライト不安定性(MSI)

 2 腫瘍遺伝子変異量(TMB)

 3 一塩基置換

 4 挿入・欠失

 5 コピー数異常

 6 構造異型

G ゲノム医療と免疫療法の接点

 1 免疫療法が適応となる遺伝子背景

第3章 がん遺伝子パネル検査の実際

A がんゲノム医療の提供体制

 1 がんゲノム医療が実施できる3種の医療機関

 2 3種の医療機関の役割

 3 がんゲノム情報管理センター(C-CAT)の果たす役割と臨床情報提供

B がん遺伝子パネル検査の流れ

 1 検査は主治医が中心となって進める

 2 検査前に説明を要する事項

C がん遺伝子パネル検査の保険適用と検査のタイミング

 1 がん遺伝子パネル検査の保険適用要件

 2 検査のタイミング

D がん遺伝子パネル検査の種類

 1 組織のみを用いる検査

 2 組織と血液検体を用いる検査

 3 リキッド検査

E 検体の準備と病理組織の取り扱い

 1 検体の準備

 2 標本の固定

F がん遺伝子パネル検査の選択

 1 どの検体を用いてがん遺伝子パネル検査を行うか

 2 どのようながん遺伝子パネル検査を選択するか

 3 コンパニオン診断とみなしコンパニオン

 4 検査期間と料金算定

 5 エキスパートパネル

 6 検査後の治療提案と治療到達率

 7 二次的所見への対応と遺伝カウンセリング

第4章 消化器癌に対するがんゲノム医療

A 消化器癌に対するがんゲノム医療の現状

 1 他領域に比べ遅れていた理由

 2 課題はがん遺伝子パネル検査における多数の決まりごと

B 臓器別ゲノム医療の実際

 1 食道癌

 2 胃 癌

 3 十二指腸癌・小腸癌

 4 大腸癌

 5 肝 癌

 6 胆道癌

 7 膵 癌

第5章 がんゲノム医療の課題と将来展望

A がんゲノム医療にかかわるさまざまな職種と人材育成

 1 主治医を中心としたチーム医療

 2 人材育成

B がん遺伝子パネル検査の諸問題点と今後の展望

 1 検査実施上の問題点

 2 患者アクセスの改善に向けての政策提言(日本医療政策機構)

 3 治療到達率上昇に向けての展望

おわりに

文献

参考資料

見本文書


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書籍情報

  • ISBN:9784867190869
  • ページ数:104頁
  • 書籍発行日:2024年4月
  • 電子版発売日:2024年5月31日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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