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消化器内視鏡ハンドブック 改訂第3版
日本消化器内視鏡学会 (監修) / 日本消化器内視鏡学会卒後教育委員会 (責任編集) / 医学図書出版
商品情報
内容
消化器内視鏡学会監修、消化器内視鏡学会卒後教育委員会編集の最新「消化器内視鏡ハンドブック」。
内視鏡機器、周辺機器、診断・治療の進歩を余すことなく盛り込んだ内容でページ数も増加!
フルカラーで見やすく、消化器内視鏡に携わるすべての方におすすめする一冊です。 是非、ご一読ください。
序文
確実な母体救命の道標
1992年12月に日本消化器内視鏡学会和文誌に消化器内視鏡ガイドライン(案)のひとつとして「上部消化管内視鏡ガイドライン(案)」が初めて掲載されました。その後,多くの先輩諸氏のご尽力によって,単行本として「消化器内視鏡ガイドライン」第1版が1999年5月に,第2版が2002年12月に,第3版が2006年10月に発行されました。当時はまだ,EBMに基づいたガイドラインはほとんど存在せず,「ガイドライン」という名称でしたが,内容は現在の「ガイドライン」と「ハンドブック」の両方併せた内容で構成されていました。その後,ガイドライン検討委員会(現ガイドライン委員会)と卒後教育委員会で「消化器内視鏡ガイドライン」の位置づけについて慎重な議論がなされ,2010年5月の合同会議にて「ガイドライン」はEBMに基づき新しい形でガイドライン委員会にて作成するとともに,卒後教育委員会として新たに「消化器内視鏡ハンドブック」を編集することが決定されました。
「ハンドブック」とは,標準的な消化器内視鏡医療に関する一定の指針を示し解説し,消化器内視鏡医療に従事する会員が,診療の現場で求められる知識や技量の習得を支援し,内視鏡医療のレベル向上,標準化,医療安全に貢献する具体的な内容で構成されています。「消化器内視鏡ハンドブック(第1版)」は,2012年5月に卒後教育委員会責任編集(担当理事:幕内博康先生,委員長:田中信治)にて,多くの先生方の御支援のもと書籍として刊行されました。それ以来,本書は内視鏡診療に従事する医師・メディカルスタッフの日常診療における実際的・教育的な「ハンドブック」として多くの方々に活用されご好評をいただいております。「消化器内視鏡ハンドブック(改訂第2版)」は,2017年5月に改訂・発刊されました(卒後教育委員会担当理事:髙橋信一先生→田中信治,委員長:田中信治→春日井邦夫先生)が,このたび,第2版発刊より7年を経て,近年の内視鏡機器,周辺機器,診断,治療の進歩を盛り込んだ内容とするべく新たに企画編集され,「消化器内視鏡ハンドブック(改訂第3版)」として刊行することになりました(卒後教育委員会担当理事:塩谷昭子先生,委員長:春日井邦夫先生→安田一朗先生)。内視鏡診療に必須の病理の知見,専門医制度,リスクマネジメント,インフォームド・コンセント,クリニカルパスの作成と運用,感染に対する安全対策,AI,内視鏡のデータ管理とJED( Japan EndoscopicDatabase)なども含めて広い範囲を簡潔にまとめてある素晴らしい内容です。個人的には,この度,第1版と第2版の作成に中心的に関与させていただいたことを思い起こすとともに,本学会会員の先生方の総力で作成されている本書の重みをひしひしと感じます。この素晴らしい「消化器内視鏡ハンドブック」を本邦のみで活用するのはもったいないということで,本書の英語版を作成し世界の内視鏡診療レベルの向上に貢献したいと考えています。この「消化器内視鏡ハンドブック(改訂第3版)」と本学会ガイドライン委員会から発刊されている各種「ガイドライン」を日常診療の中で組み合わせてご参照いただき消化器内視鏡診療にお役立ていただけますと幸いです。
最後に,本書の編集を担当された卒後教育委員会担当理事 塩谷昭子先生,前委員長 春日井邦夫先生,現委員長 安田一朗先生ならびに各委員の先生方,執筆と査読をいただいた先生方に深甚なる感謝の意を表します。
2024年5月
日本消化器内視鏡学会
理事長 田中 信治
序説
日本消化器内視鏡学会は,1999年に 『消化器内視鏡ガイドライン』 の初刊を発刊し,2006年に第3版を刊行しているが,これらは当時の消化器内視鏡診療の標準的知識・技術を示し,本学会専門医研修カリキュラムの基準となっていた。『消化器内視鏡ハンドブック』 初刊は,2012年5月卒後教育委員会の責任編集にて,『 消化器内視鏡ガイドライン』を改訂し,実技についても詳細に解説を行うべく刊行された。内容は総論と各論からなり,各論は咽頭・食道,胃・十二指腸,小腸,大腸,胆膵・乳頭部の臓器別に構成され,若手消化器内視鏡医が消化器内視鏡検査・治療を行う際の手技やコツ,注意点などが詳細に解説されている。初版の幕内博康元担当理事の序説のとおり,臨床の役に立つことを目的とし,消化器内視鏡診療のハンドブック的マニュアルとしてこれまで多くの臨床現場で活用されてきた。初刊から5年後の2017年5月には,『消化器内視鏡ハンドブック』 (改訂第2版) が刊行され,高橋信一元担当理事および田中信治現理事長 前担当理事および卒後教育委員会元委員長が序説に書かれているように,内視鏡診療の進歩に則した当時の最新の情報が加えられ,内視鏡のデータ管理とJED,胃炎の京都分類,大腸カプセル内視鏡,コールドポリペクトミー,膵被包化壊死ドレナージが新規の項目として追加された。
今回は,7年後の改訂となり2024年5月に第3版を刊行することになった。初版および2版を基に,本書が力を入れている実技について,①基本手技の実際とコツ,②困難例への対策とコツ,③偶発症と処置後の管理について詳細な記載がなされている。第3版の新規内容としては,AI診断,食道PDT,LECSと全層切除,underwater EMR,内視鏡的乳頭切除術 (endoscopic papillectomy:EP) の項目が追加されている。内視鏡機器や処置具の進歩は目覚ましく,消化器内視鏡医は,通常の内視鏡診療に加え,難度の高い検査および治療についても正確に安全に施行することが要求されている。基本的手技や知識に加えて,日進月歩する内視鏡診療における新知識を学び,手技を習得する上で本書を役立てていただければ幸いである。また,現在,卒後教育委員会では,消化器内視鏡ハンドブックに記載されている項目に紐づけて,ビデオライブラリーの作成を計画している。
本書は,卒後教育委員会の委員の先生方,およびこれまで執筆を担当された先生方を中心に執筆をお願いし,学会理事の先生方にも査読および改訂作業をお願いした。最後に,ご執筆をいただいた先生方,本書の編集を担当された卒後教育委員会委員および理事の先生方,そして,学会事務局および編集室の諸氏に深謝申し上げます。
2024年5月
日本消化器内視鏡学会卒後教育委員会
担当理事 塩谷 昭子
委員長 安田 一朗
目次
Ⅰ.総論
1 日本消化器内視鏡学会の卒後教育と専門医制度
2 リスクマネジメント
3 内視鏡検査・治療の適応と禁忌,インフォームド・コンセント
4 クリニカルパスの作成と運用
5 感染に対する安全対策
6 循環動態を含む全身管理(術前・術中・術後)
7 前処置・前投薬・Sedation
8 偶発症の実態と対策
9 緊急内視鏡
10 画像強調観察の基本と原理
11 経鼻内視鏡
12 高周波発生装置の使い分け
13 内視鏡医に必要な消化管病理の知識
14 内視鏡のデータ管理と JED(Japan Endoscopy Database)
15 AI 診断
Ⅱ.咽頭・食道
1 咽頭・食道領域の定義・分類
2 観察法
3 超音波内視鏡
4 GERD と Barrett 食道
5 好酸球性食道炎
6 食道運動機能障害
7 食道・胃静脈瘤に対する治療
8 食道狭窄治療
9 咽頭癌に対する内視鏡治療
10 食道癌に対する内視鏡治療
11 食道 PDT
12 内視鏡切除標本の取扱いと根治度評価
Ⅲ.胃・十二指腸
1 胃・十二指腸領域の定義・分類
2 観察法
3 胃炎の京都分類
4 超音波内視鏡
5 EMR
6 ESD
7 LECS と全層切除
8 内視鏡切除標本の取扱いと根治度評価
9 止血術(局注,クリップ,焼灼,止血鉗子)
10 異物除去
11 狭窄治療
12 PEG
Ⅳ.小腸
1 バルーン内視鏡
①診断
②治療
2 カプセル内視鏡
Ⅴ.大腸
1 大腸領域の定義と分類
2 挿入手技(全大腸内視鏡検査)
3 観察法
4 大腸カプセル内視鏡
5 超音波内視鏡
6 ポリペクトミー,コールドポリペクトミー,EMR,いわゆる underwater EMR
7 ESD
8 内視鏡切除標本の取扱いと根治度評価
9 大腸止血
10 狭窄治療
Ⅵ.胆膵
1 ERCP
2 術後再建腸管例の ERCP 関連処置
3 経口胆道鏡 / 膵管鏡
4 超音波内視鏡
①超音波内視鏡
②超音波内視鏡ガイド下検体採取法(EUS-sampling,EUS-FNA)
5 EST,EPBD,EPLBD(結石除去まで含めて)
6 胆道ドレナージ
①経乳頭的胆道ドレナージ(EBS,ENBD)
② EUS 下胆道ドレナージ(EUS-HGS,-CDS,-AG,-RV)
7 膵管ドレナージ(膵石除去,膵管ステント,ENPD)
8 膵仮性囊胞・被包化壊死(WON)ドレナージ
9 膵管・胆管の細胞診・組織診
10 内視鏡的乳頭切除術(endoscopic papillectomy:EP)
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書籍情報
- ISBN:9784865175783
- ページ数:704頁
- 書籍発行日:2024年5月
- 電子版発売日:2024年6月6日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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