カンファレンスで学ぶ 薬学管理に生かす臨床推論

  • ページ数 : 388頁
  • 書籍発行日 : 2019年10月
  • 電子版発売日 : 2019年12月18日
7,480
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商品情報

内容

これからの薬剤師に必要な臨床推論スキルを、薬局現場で遭遇した実症例に基づくカンファレンスで体感しよう! 病態把握に必要な情報収集のコツ、アセスメントして方針を考える過程でのポイント、医師への報告の仕方や患者への説明方法など、現場ですぐ生かせるノウハウが満載です。

序文

新しい時代の薬剤師たちへ

臨床推論ケースカンファレンスを体感しよう!


患者さんが体調を崩してから回復するまで、その時間軸にはさまざまな医療的介入が発生します。そこに医療者が臨床的に関わるに当たり、場面ごとによりさまざまな情報収集と臨床判断を求められます。「この主訴ではどのような病歴を聴取したらよいか」からスタートし、どのようなバイタル・身体所見を取るとよいか、どのような検査が必要か、緊急性はどうか、どのような病気の可能性があり、どの病名が妥当か、受診勧奨は必要か、どのような治療薬がよいか、経過は良くなっているかイマイチか、などなどたくさんあります。そして、どのように医師に"上手に伝える"かは、極めて実践的な最低限のスキルとして臨床現場では求められます。さらに、この臨床的な関わりはどの患者にも同じではなく、患者ごと、置かれたセッティング(場所など)ごとによって大きく変化します。例えば高齢者では、どこまで検査・治療するかは、ADLや認知症の程度、本人・家族の思いによって大きく変わります。またそれが、病院なのか、薬局の店頭なのか、はたまた施設在宅なのかで、違うのです。

このように、実臨床での患者へのアプローチは複雑系であり一筋縄では行かないのですが、それこそ"The 臨床"なのです。さらに患者ごとの病態に基づいた、より適正なアプローチが新しい時代には求められています。実臨床での多くは、マニュアルやガイドラインになど到底当てはまりません。このような"The 臨床"に対応するために、医師の世界ではケースカンファレンスという手法を用い、日々鍛錬しています。患者役のプレゼンターから情報をいかに引き出せるかなど、自分がまさにその現場にいるような臨場感を再現します。臨床で活躍するためには、薬剤師もこのケースカンファレンスを日々の教育ツールとすることはとても有用です。机に整列する講義形式の教育が当たり前の日本において、このようなディスカッション形式の学びの場は最初はドキドキするものです。よって、"No blame(人の発言を非難しない)"というルールを毎回必ず確認してスタートします。最初は「何を発言したらよいのだろう...」となるのは医師の世界でも同じで、この勉強会を開催した当初はそのような雰囲気がにじみ出ていました。しかし、回を重ねるごとにみんなの発言が積極的になり、また洗練されてきているのを感じました。あまりにも鋭い発言にびっくりすることも多々ありました。

さあ、超実践的学びの場である臨床推論ケースカンファレンスをご堪能ください。そして新しい時代の薬剤師として、明日からの臨床に生かし、実践してください。


2019年8月

一般社団法人 Sapporo Medical Academy 代表理事
総合診療医・感染症医(MD、MPH)
岸田 直樹

目次

プロローグ

薬剤師のための臨床推論とは

臨床推論の3つのプロセス

ワンセンテンスサマリーの作り方

第1章

症状別情報収集とアセスメントのコツ

発熱/下痢/頭痛/倦怠感/めまい/熱中症/腰痛

咳/吐き気/関節痛/むくみ/喉の痛み/鼻水/意識障害

第2章

カンファレンスで学ぶ臨床推論

症例 1 小児の発熱、「解熱薬を使っていいか」と母親から相談されたら

症例 2 「この吐き気と軟便は薬の副作用ではないか」と相談されたら

症例 3 β遮断薬を使用する患者の家族に「血圧が低くて心配」と相談されたら

症例 4 「口が渇くので薬を飲みたくない」と相談されたら

症例 5 「Na値を下げる薬剤を服用していないか」と看護師から相談されたら

症例 6 「ひどい咳が続くのでOTC薬が欲しい」と相談されたら

症例 7 「頭痛がするので鎮痛薬を飲んでもよいか」と相談されたら

症例 8 「昨夜、膝がすごく痛かった」との訴えがあったら

症例 9 「薬を飲んだ後におなかが痛くなった」と言われたら

症例 10 「最近、鼻血がよく出る」と高齢患者から訴えられたら

症例 11 「薬を飲んだ後、息子の様子がおかしい」と相談されたら

症例 12 「喉が痛いのでロキソニンSを買いたい」と言われたら

症例 13 「動悸がする」と訴える若い女性への対応

症例 14 「むくみが気になる」と訴える女性への対応

症例 15 頭痛を訴え「鎮痛薬を購入したい」と来局した人への対応

症例 16 めまいを訴える患者が処方箋を持って来局したら

症例 17 腰痛を訴えて鎮痛薬を購入しに来局した人への対応

症例 18 腹痛を訴えてOTC薬を買いに来た女性患者への対応

症例 19 高齢者の様子がおかしいことに気付いたら

症例 20 「血圧が高くて心配」と電話で相談されたら

網羅的に情報収集するための症状別「OPQRST」

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書籍情報

  • ISBN:9784296103447
  • ページ数:388頁
  • 書籍発行日:2019年10月
  • 電子版発売日:2019年12月18日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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