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- 加藤 明彦
- これだけはおさえたい! 透析患者のCommon Disease
- ページ数 : 250頁
- 書籍発行日 : 2013年5月
- 電子版発売日 : 2013年11月29日
商品情報
内容
一口に“common disease”といっても透析患者において特段の病態を呈する疾患も数多く存在する。これを踏まえ、透析患者に特有の管理目標、,腎排泄型薬剤を用いる際に注意を払うべき点、専門医に紹介するタイミングなどを具体的に解説した。透析専門医はもちろん、専門医を志す若手医師、スタッフなどの日常診療における必携書です!
序文
現在,日常診療において透析患者を診る機会は多い.専門医である腎臓内科医,泌尿器科医,小児腎臓医のみならず,非専門医であるかかりつけ医,研修医,若手医師も診察する機会は少なくない.しかし,透析患者を診察する場合,あらかじめ透析患者に特有な病態や薬剤の使用法などを理解していないと,患者を目の前にして,頭を悩ますこととなる.
健常人と異なり,透析患者では心不全や脳血管障害などの心血管病,肺炎や結核などの感染症を合併しやすい.日常診療においては,発熱,腹痛や便秘などの消化器症状,食欲低下,かゆみ,発疹,関節痛,認知機能の低下など,様々な訴えがあり,これら症状に対する適切な対応が求められる.また,透析当番の時には,透析中に出現する血圧変動や不整脈に対処する必要がある.検査データでは,血清リン,カリウム,ヘモグロビン値などはそれぞれのガイドラインに準じて判断すればよいが,それ以外の検査値,特に血糖,脂質,尿酸については,どう解釈したらよいのか,判断に迷うことも少なくない.
本書では,こうした疑問に応えるため,透析患者のcommon diseaseを中心として,臨床的な特徴,診断する上での注意点,治療上のコツについてまとめた.さらに,研修医や若手医師が当直している時に判断に迷いやすい,1)緊急の透析導入,2)急な発熱への対応,3)急性腹症への対処,についても,ミニコラムとしてまとめた.
現在,厚生労働省が中心となり,専門医の在り方に関する議論が行われている.そこでは,新たに「総合診療専門医」を基本領域に加えることが議論となっている.厚生労働省が公表した報告書(平成25年4月22日付)によると,"「総合診断専門医」には日常的に頻度が高く,幅広い疾病と傷害等について,わが国の医療提供体制の中で,適切な初期対応と必要に応じた継続医療を全人的に提供することが求められる"とある.まさに,透析医療に携わる医師は,すでに「総合診療専門医」を実践しているといえよう.
今回,執筆者には透析医療の最前線で活躍されている腎臓内科医をお願いした.本書を一読していただければご理解いただけると思うが,まさに現場で困っている疑問に対する解答が,わかりやすく書かれており,透析医療に求められる総合力を身につける上で,確実に役立つ一冊となっている.
透析療法に従事する医師やスタッフ,初期および後期研修医,サブスペシャリティを目指す若手医師,さらには非専門医やかかりつけ医の皆様が,本書を参考にしていただき,総合的な診療能力の向上に役立てていただければ幸いである.
2013年5月
加藤 明彦
目次
第1部 総論
透析患者におけるcommon diseaseの特徴
1 疫学調査からみた透析患者のcommon disease
2 透析患者におけるcommon diseaseの特徴
mini column 1.透析患者におけるがん検診の意義
第2部 各論
A 感染症
1 インフルエンザ
1 インフルエンザ感染の特徴
2 インフルエンザウイルスの種類
3 パンデミックの歴史
4 透析患者における危険因子
5 診断と検査法
6 治療法
7 抗インフルエンザウイルス薬の予防投与
8 新型インフルエンザ
9 専門医に紹介するタイミング
2 肺炎
1 透析患者における肺炎の特徴
2 透析患者における肺炎の危険因子
3 肺炎を診断する際の注意点
4 肺炎の治療と予防
5 専門医へ紹介するタイミング
3 結核症
1 透析患者における結核症の特徴
2 結核症の診断
3 専門医へ紹介するタイミング
4 結核症の治療
4 帯状疱疹
1 帯状疱疹とは
2 感染経路
3 みずぼうそう(水痘)の症状
4 帯状疱疹の症状
5 診断と診断のための検査法
6 治療と副作用
7 帯状疱疹発症予防
8 帯状疱疹感染予防
9 専門医に紹介するタイミング
5 ピロリ菌感染症
1 透析患者におけるピロリ菌感染症の特徴,病態
2 透析患者におけるH.pylori菌の診断
3 透析患者におけるH.pylori菌の除菌
4 専門医へ紹介するタイミング
B 心血管病
1 血圧異常(高血圧症,透析関連低血圧症)
1 高血圧
2 低血圧
2 不整脈
1 不整脈の発生機序
2 透析患者における不整脈の病態
3 不整脈の診断とポイント
4 透析患者によくみられる徐脈性不整脈
5 透析患者によくみられる頻脈性不整脈
6 致死性不整脈を認めたらどうすべきか?
3 心不全
1 心不全とは
2 透析患者における心不全の原因
3 透析患者における心不全診断のポイント
4 心機能評価について
5 透析患者における心不全治療のポイント
4 急性脳血管障害
1 脳梗塞
2 脳出血
3 くも膜下出血
C 代謝疾患
1 高血糖・糖尿病
1 増え続ける糖尿病と糖尿病性腎症
2 透析患者における血糖異常(高血糖,低血糖)の特徴
3 診断における注意点(HbA1cとGA)
4 治療のポイント(薬剤の使い方,透析液の糖濃度)
5 専門医に紹介するタイミング
2 脂質異常症
1 透析患者における脂質異常症の特徴
2 指針・エビデンス
3 診断とその注意点
4 治療
3 高尿酸血症
1 透析患者における高尿酸血症の疫学
2 透析患者における高尿酸血症の臨床的な意義
3 透析患者における高尿酸血症の診断・治療の考え方
4 やせ・肥満
1 透析患者におけるやせと肥満の特徴
2 透析患者の"かくれ栄養障害"を見抜く
3 栄養障害の予防法
D その他
1 かゆみ
1 透析患者の皮膚そう痒症の特徴
2 透析患者の皮膚そう痒症の病態
3 皮膚そう痒症の治療
2 関節痛
1 関節痛の診断
2 透析患者の関節痛の病態の特徴
3 認知機能の低下
1 認知症とは
2 透析患者の認知機能低下について
3 透析患者における認知機能低下の意義
4 診断法
5 認知障害の治療方法
4 便秘症
1 排便の機序
2 便秘の診断基準と病態
3 便秘の予防と治療
4 便秘による重篤な合併症
mini column 2.末期腎不全における治療選択 −いつ腎移植を説明するか−
Mini Lecture
1 当直時,緊急透析の必要性はどうやって判断すればよいですか?
1 末期腎不全に対する透析の絶対適応
2 腎代替療法モダリティの選択
3 急性腎障害(AKI)における持続的血液濾過透析の絶対適応
2 透析患者が急に発熱した時にはどう対応すればよいですか?
1 透析患者の感染症の特徴
2 発熱時の初期対応
3 身体所見診察の進め方と感染症の鑑別
4 非感染症の発熱の鑑別(膠原病,悪性腫瘍,薬剤)
5 透析関連の発熱
6 治療のポイント(薬剤の使い方,透析中の血圧低下の注意など)
7 他科へコンサルトしたほうがよい症例など
3 透析患者が急性腹症になった時はどう対応すればよいですか?
1 初期対応
2 腹痛の病態生理と臨床所見
3 透析患者の腹痛の特徴とその対処
4 透析患者の腹痛の原因疾患
mini column 3.透析患者の災害時情報ネットワーク
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- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784498124981
- ページ数:250頁
- 書籍発行日:2013年5月
- 電子版発売日:2013年11月29日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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