はじめに
筆者と当院の紹介
図表目次/コラム目次
本書のトリセツ
外国人医療トラブルシューティング
Part1 外来受診した外国人診療で困ったときの対症療法
1.日本語対応可能で公的保険もある場合の対応
在留外国人と訪日外国人/コトバOK&おカネOK⇒在留外国人/同伴通訳にサポートしてもらう/同伴通訳に頼ってはいけないとき
2.日本語対応可能だが,公的保険がない場合の対応
公的保険がない場合は自由診療となる/自由診療では概算を事前に提示する/医療費を考えながら医療をする
3.日本語が全く話せない外国人の対応
中国語圏・韓国語圏から来る,コトバが通じない訪日外国人の対応/コトバが通じないときにどうするか?/どの病院に紹介するか?
4.外国人が突然来院した場合の事務対応
その1 受付時:パスポートと健康保険証を確認/その2 診察中:訪日外国人は自由診療の値段と概算を準備する/その3 会計時:領収書と診断書をできれば英語で準備
Part2 外国人診療のコトバとおカネの準備方法
1.外国人診療の準備では診療実績の数値化から始める
まずは8割をめざす/どのような外国人患者が来院するか?/どうしてもカウントできないとき/在留外国人のカウント/訪日外国人のカウント/訪日外国人の診療では何語が必要か?
2.コトバの問題解決 1)通訳の準備
外国人医療対策でコトバの準備は永久に続けるもの/何語をどのように準備すればよいか?/院内通訳の導入方法/どれくらい外国人患者がいれば通訳を雇用するか?/派遣通訳について/同伴通訳は院内通訳採用後も利用してOK!/電話通訳サービス/当院利用の電話通訳サービスの例/採用前に必ず試用を繰り返す/機械通訳は院内利用しない
3.コトバの問題解決 2)通訳の利用法
院内通訳の働き方/院内通訳の通訳以外の業務/医療通訳の資格取得/電話通訳サービスの利用法/コトバのマニュアルを"見える化"し,使ってもらうまでが準備/通訳を利用するときの話し方のコツ
4.コトバの問題解決 3)書類の作成
①診療申込書(診療同意書)/②診断書/③領収書(英語)/④問診票
5.おカネの問題解決 1)外国人患者の医療費をいくらに設定するか
自由診療の料金設定/公的保険での通訳費用の設定/在留外国人は訪日外国人より総額費用が安くあるべき/有料の通訳費用を拒否されるリスク/外国人診療特有の負担の必要性を医療者にわかってもらう
6.おカネの問題解決 2)未収金対策
未収金が発生するパターンを知っておく/入院時の会計対応/在留外国人の場合
7.コトバとおカネの問題を解決する医療事務員マニュアルの作成
外国人診療に必要なマニュアルを作成する
Part3 コトバとおカネの準備後に取り組む外国人診療
1.医師が外国人の診察で知っておくべきこと
診療の目的・目標をはっきりさせる/訪日外国人で多い主訴と鑑別疾患を知っておく/在留外国人で留意すべき病態/外国人が抵抗を示す医療行為を知っておく/検査の説明は時間がかかると心得るべし
2.入院患者の緊急帰国支援
緊急帰国の理由を確認する/治療プランが決まった後の対応/MEDIF/航空機の手配/母国の医療機関の決定/入国の準備/コーディネートを誰がする?
3.診療拒否する外来患者への対応
患者であり旅行者である/受付で診療同意書にサインをもらっておく/同意のもとで診療拒否となっても診療拒否書は必ず取得する
4.院内死亡時の対応
外国人の葬法の違い/日本人と外国人の院内死亡後の対応の比較/霊安室での病院待機を防ぐ方法/筆者の土葬搬送事例の紹介
5.外国人診療で知っておきたい薬の注意事項
母国語の文字が読めない薬の調べ方/用法用量の確認/外国人が文化・風習で使わない薬を知っておく/応用編 ~薬袋の自動翻訳~
6.食事とWi-Fiの整備
院内無料Wi-Fiを導入する/宗教や信条による食事制限/具体的な食事対応方法/文化の理解はインプットとアウトプット
7.国際医療支援室の立ち上げ
国際医療支援室とは?/JMIPを受審する/国際医療支援室での筆者の失敗/必要なのはハードとハート/国際医療支援室のゴールとは?
おわりに 〜日本では外国人にも日本人と同様の医療を提供する〜
巻末文献
索引