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- 決定版 阻害剤・活性化剤ハンドブック~作用点、生理機能を理解して目的の薬剤が選べる実践的データ集
商品情報
内容
序文
序
本書は,医学生物学研究の現場で有用と考えられる薬剤-阻害剤および活性化剤-に関する実用的な情報をまとめたハンドブックである.実際の研究・実験にあたって,たくさんある薬剤のなかで一体どれを使用したらよいのかわからないことは多い.そこで本書では,薬剤をシグナル伝達経路や標的別に分類し,それぞれの特徴について解説してから,実際に実験に使用するにあたって必要な情報を網羅的に紹介した.特異性,有効濃度,薬剤を溶解する溶媒の種類,入手先などの具体的な情報は実験にあたって直接役に立つはずである.
本書の元となる『阻害剤活用ハンドブック』が発刊されたのは2006年である.その後の10数年の間に医学生物学研究は飛躍的に進歩したが,阻害剤,活性化剤も見違えるほどに進化した.当時使われていた薬剤は,(臨床で用いられる)薬になれなかった化合物ともいうべきもので,IC50がμMオーダーで,特異性も十分でないものが多かった.個体レベルの実験に使用するなど思いもよらないものが多かったように思う.現在では,ヒト臨床で使用されている分子標的薬を頂点として,IC50がnMオーダーで,特異性が高く,個体レベルの実験に使用できるものも多い.本書では,『阻害剤活用ハンドブック』(2006)に掲載されていた古典的な薬剤の多くは姿を消し,新しい薬剤に置き換わっている.
本書に記載された薬剤が,各研究者の抱える問題の解決に貢献することを期待するのはもちろんであるが,ヒト臨床に使用されているような分子標的薬を用いた基礎研究から逆に新たな分子標的薬の開発につながるような知見が得られることも期待したい.
ただし,低濃度で有効な特異性の高い薬剤が増えたとはいえ,構造の異なる薬剤で確認したり,RNAiを用いた実験,遺伝学的実験等により結果を確認することは必須である.どんな実験でもそうだが,薬剤を用いた実験にも落とし穴は多い.
最後に,多忙のなか,執筆をお引き受けいただき,見違えるほど新しくなった薬剤のラインナップについて,力のこもった原稿を書いてくださった執筆者の方々にお礼申し上げたい.また,企画,構成から執筆者とのやりとりに至るまで本書が形になるための努力は,すべて羊土社編集部の本多正徳氏と早河輝幸氏によるものであり深謝したい.本書が医学生物学研究者のお役に立てることを願っている.
2019年8月
秋山 徹
河府 和義
目次
序
本書の構成
第1章 プロテインキナーゼ関連薬剤
第2章 Gタンパク質シグナル・セカンドメッセンジャー関連薬剤
第3章 カルモジュリンキナーゼ関連薬剤
第4章 カルシウムシグナル・チャネル,神経系関連薬剤
第5章 サイクリン依存性キナーゼ関連薬剤
第6章 MAPキナーゼシグナル関連薬剤
第7章 チロシンキナーゼ関連薬剤
第8章 Aktキナーゼシグナル関連薬剤
第9章 プロテインホスファターゼ関連薬剤
第10章 カルシウム以外のイオンチャネル(Na,K,Clなど)関連薬剤
第11章 Notchシグナル関連薬剤
第12章 Wntシグナル関連薬剤
第13章 ヘッジホッグシグナル関連薬剤
第14章 サイトカインシグナル関連薬剤
第15章 ホルモン関連薬剤
第16章 トランスポーター,5-HTなどのGPCRs関連薬剤
第17章 エピジェネティクス関連薬剤① アセチル化・脱アセチル化
第18章 エピジェネティクス関連薬剤② メチル化・脱メチル化
第19章 NF-κB転写因子関連薬剤
第20章 非アポトーシス細胞死関連薬剤
第21章 タンパク質・RNAの核―細胞質間輸送関連薬剤
第22章 mRNAスプライシング関連薬剤
第23章 カスパーゼ,プロテアソーム,グランザイムBなど関連薬剤
第24章 メタロプロテアーゼ関連薬剤
第25章 COX,酸化ストレス,NO関連薬剤
第26章 DNA損傷,修復関連薬剤
第27章 アポトーシス関連薬剤
第28章 抗生物質
第29章 オートファジー関連薬剤
第30章 糖脂質代謝関連薬剤
第31章 血管新生関連薬剤
第32章 細胞骨格・細胞分裂関連薬剤① アクチン細胞骨格系
第33章 細胞骨格・細胞分裂関連薬剤② 微小管骨格系
第34章 テロメラーゼ関連薬剤
第35章 老化(細胞レベル・個体レベル)関連薬剤
第36章 糖プロセシング関連薬剤
第37章 抗ウイルス関連薬剤
第38章 制がん剤
第39章 免疫チェックポイント関連薬剤
第40章 DNAポリメラーゼ関連薬剤
第41章 ES細胞・iPS細胞関連薬剤
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書籍情報
- ISBN:9784758120999
- ページ数:648頁
- 書籍発行日:2019年9月
- 電子版発売日:2019年10月30日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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