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- 横林 文子
- チームドクターファイブの在宅医療
商品情報
内容
序文
本書を手にとって下さった方たちの中には,病院勤務の先生や開業医の先生もいらっしゃると思います.また,御身内にがんの患者を抱える家族の方もおられるでしょう.本書に出てくる患者の話は,ごく限られた地域での特殊なことではなく,どこででもありうる話です.
医者というものは,大学病院時代には医局があり,学生時代をよく知る同級生が近くにいて,自分が知らないことも恥じることもなく,何でも聞ける状況がありました.つまり,さまざまな患者の病状を相談できる場所がありました.誰もが経験しておられることと思います.しかし,大学病院と言うところは長年にわたり居残れる(?)場所ではありません.あくまでピラミッド型で,年々同期は減ってくるのが当たり前なのです.
今現在,開業を考えておられる先生方,すでに開業されている先生方,専門性はあるにせよ,いろいろな問題を含んでいます.元来開業医というものは孤独で,相談したくとも近い診療所間では競争意識もあり,時間的にもなかなかうまくいかない.そう思われるのが当然でしょう.幸いに,医師会の地域医療を6 年から10 年以上経験していた私たち数名は,そのような競争意識もなく,忌憚なく普段から専門の知識を尋ねたり,教えたりすることができていました.
平成18 年に在宅療養支援診療所の届け出をするにあたり,たまたま集まった5 人でした.在宅特化型の診療所も増えては来ていますが,既存の診療所の今後を考えると,なにか現状の自分たちのスタイルを残しながら,できることはないかと思っていました.
その中で,専門医の継続のための学会出張や高齢になった地元の両親などの世話,法事など,個人で抱える用件が増える一方で,受け持つ在宅患者の数は増え続けている現状があり,お互いに悩みを抱える日々を送っていたのです.
まずは5人でチームを組み始めて,いろいろ大変かとも思えましたが,けっこうやってみるとできるなあ~という感覚を持てました.
詳細は本書を読んでいただければわかっていただけるとして,その後の私たちは,増えゆく在宅患者を診るにあたり,もっと多くの先生方が在宅患者を診てゆける方法はないかと,さらに考えるにいたりました.無理にではなく,自然にグループができるように,患者への対応が同じだと判断できる医師同士のお見合いパーティーならぬ在宅療養支援診療所の在宅関連の勉強会を開始しました.そこで,数組のグループができてきています.
何でもそうですが,初めは何も知らなくて当たり前,そこをスタートにして,知らないから聞いても当たり前,教えてよ...から始まる勉強会を重ねるうちに顔見知りとなり,いろいろ話すうちに難渋症例を相談したりする機会が増え,拡大していっています.
今後ともこういうグループ診療が診療所連携でも進んでゆくことを祈ってやみません. さあ,あなたもやってみましょう!
平成26年1月
横林 文子
目次
序章 チームドクターファイブ(TDR5)とは
1.チーム結成のいきさつ
2.そして連携が始まった
3.連携は「緊急時の助っ人(?)」からスタート
4.必要から生まれた「複数主治医制」
1章 在宅医療とは-乙訓地域の実態調査(2007,2009)を踏まえて
1.在宅医療の定義
2.在宅医療の体制の構築
3.わが国の疾病構造と人口構造の変化
4.「高齢者地域ケアネットワークの構築に関する研究会」(同志社大学 井上恒男教授)の実態調査への参加
5.京都府乙訓地域の在宅医療の実態と課題
2章 在宅医療におけるチーム医療(医療・介護・福祉の連携)
1.在宅医療におけるチーム医療の三原則
2.在宅チーム医療に向けての退院支援
3.関係医療機関からの提案
3章 在宅医療や介護を支えるシステム
1.チームドクターファイブ(TDR5)のシステム
2.バックアップ体制から共診へ
3.情報共有の方法
4.病診連携システムの構築
4章 後方支援病院から見た在宅医療との連携
1.病院の緩和ケア外来から在宅看取りになったAさん
2.在宅医療(グループホーム)から病院で看取りになったBさん
3.がん終末期状態を専門とする病院勤務医からみた在宅医療との連携
5章 多職種連携へ向けて
1.訪問調剤薬局との連携
2.訪問看護ステーションとの連携
3.ヘルパーさんの協力連携
6章 さまざまなケースの紹介
1.「在宅IVH穿刺マニュアル」「皮下ポート穿刺マニュアル」を残してくれた今堀さん
2.家族や友人,医療チーム,みんなに明るい笑顔を残して,静かに旅立ったCさん
3.妻の懸命な介護を受けたDさん
4.従来の在宅医療のイメージとのギャップに唖然とし,驚き,嬉しさに言葉もなかった和代さんのご主人
5.納得のいく治療をしつつ,人生を楽しむ生き方を貫いたEさん
7章 在宅介護を支えるスキル
1.在宅IVH 穿刺マニュアル医師に必要なスキル
2.調剤薬局への処方記入の実例
3.皮下ポート穿刺マニュアル家族に必要なスキル
4.麻薬持続皮下注射法
8章 国の在宅緩和ケア対策の現状とTDR5の活動
1.現状
2.在宅医療を推進するための課題
3.TDR5のチーム在宅医療の活動実績と特徴
4.今後の展望
9章 TDR5の今までとこれから
1.在宅診療考
2.チームドクターファイブ雑感
3.はじめての在宅医療と,ちょっとした私の考え事
4.在宅医療に揺れる
5.私のスタートライン
6.TDR5のチーム発表とメディアへの発信
おわりに
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書籍情報
- ISBN:9784765315890
- ページ数:140頁
- 書籍発行日:2014年3月
- 電子版発売日:2015年3月27日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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