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商品情報
内容
症例ごとに診療の手順を示したフローチャートで流れを確認、本文では詳しい解説と、より深い学習が出来るAdvancedレクチャーを掲載。病歴や身体所見をしっかり評価し循環不全の予兆を拾い上げ、早く状態を安定させることで急変させない“省エネ医療”が身に付きます。
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序文
今回執筆のお話をいただいた時,率直に各主訴や病棟での訴え,検査異常への対応をまとめた実用書を書きたいと思いました.このような題材の本は今までにも優れたものが多数あり,私も研修医時分には大変お世話になりました.
それら先達の二番煎じとならないよう,先ずは自らの日頃の診療を省みて,「どこに注目し,どのように判断しているか,そしてその根拠はなにか」をひたすら自問自答し続けました.それをフローチャートを交えてまとめ上げたのが今回の本です.
この振り返り,自らの診療方法を言語化する作業のなかで,改めて気づいたことがあります.それは,自分は「怠け(たい)者である」ということです.
・極力残業はしたくない
・休日は休みたい
・呼び出されたくない
という希望(欲望?)が自分の中には根付いています.
残業をしないために,休日回診を行かなくても良いように,呼び出されないように,早く診断をつける,早く病状を安定させる,そもそも急変させないように努力する.
そのためには一見遠回りに見えるかもしれませんが,病歴や身体所見をしっかりと評価することが重要です.またショックバイタルになる前に循環不全の予兆を拾い上げることが非常に重要です.個人的にこのような医療を省エネ医療とか呼んでいます.
ショックバイタル,多臓器不全になってしまうと,言うまでもなくその後の入院管理は大変です.そうなる前に先手を打って対応できるものにはしっかりと対応し,急変を予防することが重要です(もちろんそれができない症例もありますが).
自分が特に重要と思うのは第1 章で書いた初期アセスメントです.これは救急,病棟,外来診療全てで意識しているところで,ここで異常を拾い上げてその後急変を防げた患者は多数経験しました.一方でこれを疎かにして,結果急変を招いてしまった症例も多く垣間見てきました.
各症状や症候への対応でも,まず循環不全徴候を早期に拾い上げ,その上で診断プランを考える,またフォロー中も循環不全徴候を逐一チェックすることは,私の省エネ医療の根幹となっています.この本でそれが少しでも伝われば幸いと思います.
最後に,お忙しいなかこの本の監修を快く引き受けてくださり,隅々までチェックし,アドバイスしていただいた上田剛士先生,執筆の機会をくださりました金芳堂の方々にこの場を借りてお礼を申し上げます.
2017年11月
高岸勝繁
目次
1章 初期アセスメント
2章 呼吸/心停止
3章 起動不安定
4章 呼吸器、NIV
5章 循環不安定、敗血症
6章 徐脈、頻脈
7章 発熱
8章 好中球減少性発熱
9章 呼吸困難
10章 意識障害
11章 一過性意識障害
12章 痙攣
13章 せん妄
14章 不眠
15章 アルコール離脱
16章 胸痛
17章 頭痛
18章 腹痛
19章 吐血,黒色吐物,タール便
20章 下血
21章 色々な消化管症状:嘔気・嘔吐,下痢,吃逆,便秘への対応めまい
22章 めまい・ふらつき
23章 四肢の疼痛,しびれ
24章 浮腫
25章 頭部外傷
26章 アナフィラキシーへの対応
27章 高血糖緊急症への対応
28章 入院患者の血糖コントロール
29章 低Na血症の対応
30章 K濃度異常
31章 その他の電解質補正(Mg,Ca,P)
32章 動脈血ガス分析の評価
33章 貧血のアセスメント
34章 輸血閾値
35章 血小板減少
36章 肝酵素上昇(AST,ALT)のアセスメント
37章 CPK上昇時のアセスメント
38章 急性腎障害(急性のCr値の上昇),乏尿・無尿
39章 胸水検査のTIPS
40章 腹水検査のTIPS
41章 ICU患者の管理
42章 ICUで使う薬剤
43章 深部静脈血栓症予防
44章 輸液
45章 経腸栄養
46章 薬剤変更時の換算表
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書籍情報
- ISBN:9784765317412
- ページ数:361頁
- 書籍発行日:2017年12月
- 電子版発売日:2018年3月2日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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