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走る、泳ぐ、ダマす アスリートがハマるドーピングの知られざる科学

クリス・クーパー (著) / 西 勝英 (訳)

金芳堂

  • ISBN : 9784765317573
  • ページ数 : 412頁
  • 書籍発行日 : 2018年9月
  • 電子版発売日 : 2018年11月30日
  • 判 : 四六判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
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¥2,970 (税込)
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商品情報

発売後、世界で絶賛されたドーピングについてのサイエンスエッセイが待望の翻訳!

生化学と歴史、そして文化の3つの角度から、スポーツにおける「ズルの科学(ドーピング)」を捉える画期的なサイエンスエッセイ。日本語読者のために、原著出版から6年分をアップデートをするための14頁にも及ぶ原著者の書き下ろし(日本語版読者への緒言)を加えた全訳出版。

■ 序文

日本語版読者への緒言

原著版Run,Swim,Throw,Cheatは、2012年ロンドン・オリンピックの年に出版された。もちろん偶然の一致ではない!しかし、本書で取り扱った内容はけして時とともに色褪せるものではなく、この日本語版に記載されている全てについて、原著を執筆していた時と同様、科学的にも正しいのである。新たな薬物や検査方法の最近の話題については、(時々更新している)筆者のブログを参照されたい(www.runswimthrowcheat.com.)。

実際に変わったのは、科学的な説明をするために例示するニュースのほうである。特に注目にするのは、ツール・ド・フランスでのランス・アームストロングのスキャンダルで、本書が出版された次の年に明らかになった。本書の初版時には何のきざしもなかったのである。2013年ペーパー・バック版執筆に際して訂正し、その版の序文では多くのページを割いてアームストロングの話題について記載した。

2012年ロンドン・オリンピック開催期間中にはほとんどドーピングの問題はおこらなかったが、私はメダルが剥奪された競技を直接見ることになった。違反者はベルルーシの砲丸投げ選手ナゼドヤ・オスタプチュクである(本書を読めば、理解してもらえると思うが、砲丸投げ選手、特に女子選手にとっては、ドーピングで有利になるので驚く様なことではない)。ドーピング発覚当時、私は競技場でニュージーランドのジャーナリストの隣りに座っていて、彼はヴァレリー・アダムスが二大会連続金メダルとなることを喜んでいた。ただ、確かにアダムスがメダルを獲得するのだが、実際に授与されたのは、オスタプチュクがドーピングで国際オリンピック委員会から失格処分となったずっと後のことである。

オスタプチュクが摂取していたのは、アナボリックステロイドであるメテノロンであった。この物質はアンドロゲニック(いわゆる男性化の)副作用がほとんどないと言われてアスリート達に好んで使われていたらしい。私はオスタプチュクが競技で捕まったことに驚いた。というのは。私はこの本の中で、注意深く計画する連中は、しかるべき大会の前に競技で捕まらない様あらかじめ十分な期間をもうけて薬物摂取を止めていると、かなり強調して記載しているからである。オスタプチュクはいまだにドーピングを認めていないが、思うに、彼女─あるいは彼女のチームは計算間違いをしたのではなかろうか。彼女の諮問聴取委員会でコーチのアレキサンダー・イェフィノフが彼女の食物にその薬物を入れたと訴えたので、一年間の出場停止と言う短い処罰を受けることになった。ベラルーシのアンチ・ドーピング委員会の委員長、アレキサンダー・ヴァンハードドロは、「彼はオリンピックを前にして彼女のパフォーマンスにいささか問題があるのを心配して、禁止薬物であるメテロロンを彼女の食べ物の中に入れたと、イェフィノフが告白した」と述べている。イェフィノフはその結果ベルルーシ・アンチ・ドーピング委員会から4年間のコーチ資格停止処分を受けている。


~(中略)~


この本をもう一度書くとすれば、プロローグでとりあげたソウルでのオリンピック一〇〇メートル短距離走のベン・ジョンソンの優勝や、ヘルシンキ世界陸上一五〇〇メートル走決勝で次々にゴールラインを超えた五人の走者、後に彼らが選手生活中にドーピングで捕まったのだが、そういった連中に焦点を当てては書かないだろう。そのかわりに、〔セメンヤとサビノワの〕2012年ロンドン・オリンピック競技の八〇〇メートル走を提示するだろう。確かに、ドーピングの科学には複雑な要素があり、本書が読者はこのことの理解の手助けとなることを希望し、同時に興味深読んでもらいたい。しかし、鍵となるメッセージは単純である。本当に有効なのは、そしてゲームでの「ズル」とは、筋肉量を増やすアナボリックステロイドの使用(特に女性アスリート)と全てのアスリートでヘモグロビン量を増やす血液ドーピングなのである。あとは全て雑音に過ぎない。

これらの新たなIAAF のDSC 規則が競技時に適用されるか、あるいは新たな法的問題に直面するか、はっきりしない。パフォーマンスに有利に働くたった一つの遺伝的な差に焦点を当てることが、はたして倫理的だろうか?

テストステロンは性決定の鍵となるホルモンであるが、女性あるいは男性でパフォーマンスを決定する唯一の分子ではない。それらの分子の多くは同じ様に遺伝子的に決められているだろう。究極的には答えは科学にではなく、社会が受け入れるものにあるだろう。私は幸いなことに、2017年世界選手権が開催されたロンドン・オリンピック・スタディアムに再び座ることになった。この大会はIAAF ハイパーアンドロゴナドリズム規則が一時停止された時期に開催された。私は、六万人以上のスポーツ・ファンとともに、キャスター・セメンヤが2012年ロンドンでは達成できなかった八〇〇メートル走で優勝するシーンに喝采したのである。一〇〇メートル走で優勝したドーピング前科者のジャスティン・ガトリンにブーイングした同じ観衆が、セメンヤを支持して立ち上がったのである。ハイパーアンドロゴナドリズム規則が停止されていることが、彼らの喝采を止めることにはならない様だった。スタディアムにいる誰もが「アンフェア」な勝利だとは感じなかたのだ。


2018年8月

クリス・クーパー

■ 目次

日本語版読者への緒言

ペーパーバック版への緒言

はじめに――2つのレースの物語

第1章 序――はじめに

第2章 ヒトのパフォーマンスの限界

第3章 エンジンを稼働する――食物

第4章 エンジンを動かす――酸素

第5章 筋肉を増やせ

第6章 ステロイドと筋肉強化薬の将来

第7章 興奮薬

第8章 遺伝子ドーピング

第9章 ズルとは何か?

第10章 ごまかす者を捕まえる――ドーピング摘発

第11章 最終章

参考図書

訳者あとがき

■ 特記事項

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