形成外科治療手技全書Ⅱ 形成外科の基本手技2

  • ページ数 : 318頁
  • 書籍発行日 : 2017年4月
  • 電子版発売日 : 2019年1月9日
17,600
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内容

形成外科治療手技全書の中でも最も基本的な手技を解説する。

本書はその2、皮弁・組織弁を解説する。議論の多い皮弁について、歴史的背景を踏まえて系統立てて分類し解説する本はこれまで無かった。個人的な論述ではなく、現代の形成外科学会のほぼ共通認識、というところに本書の意義がある。

あわせて読む → 形成外科治療手技全書シリーズ

序文

監修にあたって

形成外科は過去半世紀以上にわたり非常な発展を遂げ,現在,ほとんどの大学で講座、診療科が設置されており, 一般社団法人日本形成外科学会の認定する専門医は2,400名を超えております。また,2017 年度から日本専門医機構が認定する基本領域19 診療科の一つとして,新しい専門医研修プログラムによる研修もスタートされます。

一方,形成外科が診療する疾患の範囲は非常に幅広く,他科の診療分野とのオーバーラップ,疾患名と治療手技が一致しないことなどがあり,形成外科の治療手技を体系的に記述した日本の教科書はありませんでした。

今回,本全書を刊行する目的の一つに,臨床外科の一分野として発展してきた形成外科を,将来に向けて広く独立した学問としてとらえた教科書を作りたい,ということがあります。すなわち,「形成外科学」を一つの体系としてとらえ,共通の概念に基づく診断から治療法の選択,そして治療の実際に関する標準的かつ最新の知識を網羅した,大系的な教科書作りを目指しております。 「形成外科学」の,より一層の発展に寄与できれば幸いです。


監修 波利井 清紀
野﨑 幹弘

目次

第1章 遊離皮膚移植術

概説

分類/生着機序/手技

1.分層植皮

適応と分類/採取部の選択/後療法

I 採取と創処置:頭部

II 採取と創処置:大腿部

III 採取と創処置:土踏まず

IV 移植と固定法

症例1/症例2

2.全層植皮

適応と分類/採取部の選択/後療法

I 採取と創処置:鼠径部

II 採取と創閉鎖:耳前部・耳後部

III 採取と創処置:鎖骨部

IV 採取と創処置:足部

V 移植と固定法:タイオーバー固定法

症例1/症例2/症例3

第2章 その他の組織移植術

1.粘膜移植

適応/採取部の選択

I 遊離粘膜移植

II 有茎粘膜弁移植:舌弁

症例

2.真皮脂肪移植

適応/採取部の選択/後療法

手技

症例

3.脂肪移植

脂肪移植の基礎/手術の適応/術前の評価法/後療法/今後の展開

脂肪注入術

症例1/症例2

4.筋膜移植

適応/採取部の選択/後療法

手技

症例1/症例2

5.骨移植

適応/採取部の選択/後療法

I 腸骨

II 頭蓋骨

症例1/症例2

6.軟骨移植

組織移植の解剖学的特徴と生着機序/適応/採取部の選択/後療法

I 肋軟骨

II 耳介軟骨

症例

7.複合組織移植

移植組織の解剖学的特徴と生着機序/適応

I 耳甲介軟骨・皮膚

II 鼻中隔軟骨・鼻粘膜

III 口唇

症例1/症例2

8.毛髪移植

歴史的背景/適応

手技

症例

第3章 皮弁:総論

1. 皮弁とは

適応

2.皮弁の分類

血行形態による分類/移動法による分類/構成成分による分類

3.その他の皮弁形態

遠位茎皮弁,逆行性皮弁/連合皮弁/Prefabricated flap/

血管吻合付加皮弁/静脈皮弁/拡張型皮弁/プロペラ皮弁

第4章 皮弁:乱走型皮弁

1.局所皮弁の基本型

3つの基本型のデザイン/Pivot point とLMT/

Buck cut とBurow's triangle/皮弁を挙上する層

I 前進皮弁

II 横転皮弁

III 回転皮弁

症例1/症例2/症例3

2.皮下茎皮弁

血行形態/適応

I 皮下茎皮弁:Pivoting の場合

II 皮下茎皮弁:Advancement の場合

症例1/症例2

3.幾何学的局所皮弁

血行形態/適応

I 菱形皮弁

II 双葉皮弁

III Rhomboid to W flap

症例1/症例2

4.Z形成術

Z形成術の4大効果と適応/Multiple-flap Z形成術

I 手技

II Multiple-flap Z形成術

症例1/症例2

5.W形成術

W形成術の効果

手技

症例

第5章 皮弁:軸走型皮弁・筋膜皮弁

1.頭皮皮弁・浅側頭筋膜弁

血行形態/適応

I 頭皮皮弁

II 浅側頭筋膜弁

症例

2.前額皮弁

血行形態/適応

手技

症例

3.DP皮弁

血行形態/適応

手技

症例

4.鼠径皮弁

血行形態/適応

I 有茎鼠径皮弁

II 遊離鼠径皮弁

症例1/症例2

5.会陰部に作成される皮弁

血行形態/適応

Gluteal fold flap:殿溝皮弁,内陰部動脈穿通枝皮弁

症例

6.後大腿皮弁

血行形態/適応

手技

症例

7.膝周辺に作成される皮弁

血行形態/適応

Genu flap

症例

8.下腿に作成される皮弁・筋膜皮弁

血行形態/皮弁の作成部位/適応

I 逆行性腓腹島状皮弁

II Lateral supramalleolar flap

III 足背皮弁

IV 内側足底皮弁

症例1/症例2/症例3/症例4

第6章 筋弁・筋皮弁

1.大胸筋皮弁

血行形態/適応

I 従来型大胸筋皮弁

II 第3 肋間型大胸筋皮弁

症例1/症例2

2.広背筋皮弁

血行形態/適応

I 側臥位で皮弁挙上をする場合

II 仰臥位で胸背動脈の下行枝を意識して皮弁挙上をする場合

症例1/症例2

3.腹直筋皮弁

血行形態/適応

I 手技:上方茎とする場合

II 手技:下方茎とする場合

症例1/症例2

4.大腿筋膜張筋皮弁

血行形態/適応

手技

症例

5.薄筋皮弁

血行形態/適応

手技

症例

6.下腿に作成される筋弁・筋皮弁

血行形態/適応/合併症

I ヒラメ筋弁

II 腓腹筋弁・筋皮弁

症例1/症例2

第7章 穿通枝皮弁・中隔皮弁

1.前腕皮弁

血行形態/適応

I 遊離前腕皮弁

II 有茎前腕皮弁

症例1/症例2

2.前外側大腿皮弁

血行形態/適応

手技

症例1/症例2

3.広背筋穿通枝皮弁・胸背動脈穿通枝皮弁

血行形態/適応

手技

症例

4.深下腹壁動脈穿通枝皮弁(DIEP flap)

血行形態/適応

手技

症例1/症例2

5.殿部の穿通枝皮弁

血行形態/適応/合併症

有茎大殿筋穿通枝皮弁

症例1/症例2

第8章 骨弁および骨付き皮弁

1.肩甲骨弁・肩甲骨皮弁

血行形態/適応

手技

症例

2.腓骨弁・腓骨皮弁

血行形態/適応

手技

症例1/症例2

3.腸骨弁・腸骨皮弁

血行形態/適応

手技

症例

第9章 腹腔内臓器移植

1.空腸・回腸

血行形態/適応

手技

症例1/症例2

2.大網

血行形態/適応

I 有茎大網弁

II 遊離大網弁

症例1/症例2

第10章 Tissue expansion法

Tissue expansion法

Tissue expansion法とは/TEの種類と選択/適応/術前評価と手術プランのコツ/合併症

I 基本的な手技

II 頭部の再建

III 顔面・頸部の再建

IV 四肢・躯幹の再建

症例1/症例2/症例3/症例4/症例5/症例6/症例7

第11章 知っておきたい知識

1.遊離植皮術とその他の組織移植術の歴史

遊離植皮術の歴史/骨移植術の歴史/軟骨移植術の歴史/

脂肪移植術の歴史/筋膜移植術の歴史

2.皮弁移植術の歴史

皮弁移植術の確立/皮弁血行の概念

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書籍情報

  • ISBN:9784771904781
  • ページ数:318頁
  • 書籍発行日:2017年4月
  • 電子版発売日:2019年1月9日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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