血液凝固検査ハンドブック 改訂第2版

  • ページ数 : 432頁
  • 書籍発行日 : 1992年5月
  • 電子版発売日 : 2018年7月27日
5,339
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商品情報

内容

検査室ならびに研究室で行っている日常検査とDNA診断を含む特殊検査を土台としたハンドブック。

術式の丁寧な記述は勿論、章ごとに総説的な新しい解説が添えてあり、臨床的にも検査学的にも短いながら要点を得た資料となっています。血液凝固検査に関係する医師や検査技師、また医学部や技術学校の学生の参考書に。

序文

血液凝固に関する検査は,日常診療において欠くことの出来ない必須な検査項目となっており,その必要性は,疾病構造の変化,特に出血,血栓に関わる死亡統計からみても急増しているといえる。そこで本書初版の出版以来,約5年を経過し,今回の第2版は,大幅に改訂増補し,基本的検査方法の章およびDNA診断の章を新たに設け,一層の充実を計ったものである。

血液凝固検査の術式の改良と新技術の開発は急速に進められており,日常検査のための新技術を踏まえたハンドブックがあれば,実際の検査室のレベルで役に立つものと思われる。その意味では,われわれの検査室ならび、に研究室で行っている日常検査とDNA診断を含む特殊検査を土台とした本ハンドブックの内容は一般病院においては少し程度が高いところもあるが,日常検査に従事している諸氏にとって,座右において便利な本であろうし,あるいは手放せない本になるかも知れない。

本ハンドブックの特徴は術式の丁寧な記述は勿論であるが,章ごとに総説的な新しい解説が添えてあり,臨床的にも検査学的にも短いながら要点を得た資料となっている。本の性格上あまり長くはないが,最新の知識を含んでおり,直接的な検査術式と併せて血液凝固の検査に関係する医師や検査技師,また,医学部や技師学校の学生にも好個の参考書となるものと思われる。

第一回の改訂にさいして,初版での執筆を戴いた,池松正次郎,浮田貫,佐守友博,斎藤徳彦,鈴木正義,田村仁,長沢洋,羽田雅夫,山田享弘の諸先生に心から感謝する次第である。

最後に本書刊行に協力していただいた株式会社宇宙堂八木書店の八木宏社長はじめ社員の方々に謝意を表する。


平成4年4月

編集 東京医科大学臨床病理学教室
藤巻 道男
福武 勝幸

目次

I.出血性傾向と血栓性傾向-診断と分類-

1.問診

2.出血症状

3.止血異常の検査

4.止血異常の分類

II.止血と検査

A.血栓,止血の機構について

1.血液凝固の促進

2.血液凝固の制御

3.フィプリンの重合

4.線維素(血栓)の溶解

5.血栓治療と検査

6.血液凝固と遺伝子DNA

B.検査の進め方

1.測定法

2.スクリーニング検査

3.血小板検査

4.凝固検査

5.線溶検査

6.阻止因子検査

7.凝固・線溶亢進状態の検査

III.主な検査法と原理

A.試剤の調製

1.採血法

2.血漿試剤の調製

3.血清の調製

4.抗凝固剤

5.抗線溶剤

6.その他の試剤の調製

7.凝固因子欠乏血漿(deficientplasma

8.標準(正常)血漿(normalcontrol plasma

9.血小板浮遊液(plateletsuspension)

B.免疫学的方法

1.単純免疫拡散法(SRID)

2.オクタロニー法

3.ラテックス凝集法

4.レーザーネブエロメトリー

5.酵素抗体法

C.電気泳動法

1.一次元免疫電気泳動法(Laurell法)

2.二次元免疫電気泳動法(CIE)

3.SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)

4.ウエスタンプロッティング法

5.等電点電気泳動法(IEF)

D.発色性合成基質法

E.止血検査の自動化

1.凝固・線溶系

2.血小板系

IV.一般スクリーニング検査

1.出血時間測定

2.毛細血管抵抗試験

3.血餅収縮試験

4.トロンボエラストグラフ(TEG)

V.血小板の検査

A.血小板の構造と機能

1.血小板の生成と形態

2.血小板の止血機構

3.血小板の異常

B.血小板の検査

1.血小板の形態

2.血小板数の算定

3.血小板粘着能(停滞率)

4.血小板凝集能

5.血小板第3因子能

6.抗血小板抗体

7.血小板寿命の測定

8.骨髄巨核球数

9.血小板抗原

10.血小板増殖因子,トロンボスポンジン

11.血小板膜糖蛋白

VI.凝固因子の検査

A.凝固因子の機能と役割,細胞接着性蛋白の関与

1.血液凝固因子の機能と役割

2.細胞接着性蛋白の関与

B.血液凝固因子のスクリーニング検査

1.部分トロンポプラスチン時間法(PTT)

2.プロトロンビン時間(PT)

3.トロンビン時間(TT)

4.トロンボテスト

5.へパプラスチンテスト(ノルモテスト)

6.クロット溶解試験(Lorand変法)

1.フィブリノゲン測定法

2.プレカリクレイン,カリクレイン,高分子キニノゲン

3.XII,XI,IX,VIII因子

4.von Willebrand因子(vWF)

5.II,V,VII,X因子

6.血漿XIII因子

7.ブイプロネクチン

8.ビトロネクチン

VII.線溶因子の検査

A.線溶因子の測定と意義

1.線溶機構

2.ブィプリノゲン溶解(一次線溶)とブイプリン溶解(二次線溶)

3.線溶因子の測定意義

B.線溶系の検査

1.ユーグロプリン溶解時間

2.プラスミノゲン,プラスミン

3.プラスミノゲンアクチベータ(PA)

VIII.凝固・線溶の阻止因子

A.凝固・線溶調節機構と獲得性阻止因子

1.凝固調節機構

2.線溶調節機構

B.先天性血栓傾向と凝固阻止因子

C.獲得性阻止因子

D.凝固・線溶阻止物質の測定

1.Antithrombin III(AT III)

2.へパリンコファクターII(HC II)

3.へパリン

4.プロテインC

5.プロテインS

6.α2プラスミンインヒビター(α2PI)

7.プラスミノゲンアクチベータ・インヒビター(PAI)

8.循環抗凝血素(スクリーニング検査)

9.凝固因子特異抗体

10.抗リン脂質抗体

IX.凝固・線溶充進状態の検査

A.凝固・線溶系の分子マーカーとその意義

1.凝固系の活性化

2.線溶系の活性化

3.血小板の活性化

4.血管内皮細胞の障害

B.凝固・線溶系の分子マーカーの測定

1.FDP

2.フィプリンモノマー複合体

3.プロトロンビンフラグメントF1+2

4.トロンビンーAT III複合体

5.フィブリノペプチドAおよびBβ15-42

6.プラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体

7.組織プラスミノゲンアクチベータープラスミノゲン アクチベータインヒビター1複合体

8.血小板第4因子,βトロンボグロプリン

9.血漿中トロンポモジュリン

X.遺伝子診断

A.遺伝子診断の目的と意義

1.病因遺伝子異常の同定・解析

2.保因者診断・出産前診断

B.遺伝子診断の方法

1.遺伝性疾患

2.間接診断法

3.直接診断法

C.凝固・線溶因子と遺伝子診断

1.フィプリノゲン

2.プ口卜口ンピン

3.V因子

4.VII因子

5.VIII因子

6.IX因子

7.X因子

8.XI因子

9.XII因子

10.XIII因子

11.von Willebrand因子

12.アンチ卜口ンビンIII

13.プロテインC

14.プロテインS

15.プラスミノゲン

16.組織プラスミノゲンアクチベータ

17.プラスミノゲンアクチベータ・インヒピター

18.へパリンコファクターII


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書籍情報

  • ISBN:9784771950504
  • ページ数:432頁
  • 書籍発行日:1992年5月
  • 電子版発売日:2018年7月27日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:2

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