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- 山本 舜悟
- jmedmook28 あなたも名医!侮れない肺炎に立ち向かう31の方法
商品情報
内容
ジェネラリスト臨床医学雑誌として、毎号ワンテーマに絞ったムック形式で、主に内科系臨床医のための知識・情報を発信している「jmedmook」がM2PLUSの電子版となりました。
jmedmook28では、ジェネラリストや研修医をはじめとした呼吸器や感染症を専門としない医師が肺炎に勇気を持って立ち向かえるよう、他に類を見ない実践的指南書をつくりました!
序文
序文
「相手が勝ち誇ったとき そいつはすでに敗北している」とは,ジョセフ・ジョースター(荒木飛呂彦の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第2部「戦闘潮流」の主人公)の箴言です。自分は名医だと勝ち誇ったとき,それは敗北を意味するのかもしれません。
肺炎の診療なんてレスピラトリーキノロンを処方しておけば楽勝だろう,と思う人がいらっしゃるかもしれません。確かに,市中肺炎のほとんどは難しいことを考えずに,キノロンを処方しておけば治療できることでしょう。しかし,同時にキノロンでなくても治療できる肺炎は数多くあります。私にとってキノロンという薬はトランプのジョーカーのようなイメージの薬です。スペクトラムは広く,肺炎球菌や緑膿菌,マイコプラズマやレジオネラにも活性があり,腸管吸収もよいので内服での外来治療にも向いています。しかし,いくら使ってもなくならないジョーカーならいざ知らず,残念ながらキノロンは耐性を誘導しやすく,今日使えば明日は使えなくなるかもしれません。やはりジョーカーは「ここぞ」というときに使うべく, 使わなくてよいときには使わないのが賢い選択です。
肺炎は2011年の死因統計で脳血管疾患を上回り, 第3位になりました。超高齢社会になったわが国にとって肺炎診療の重要性は高くなる一方です。しかし,内科医の中でも呼吸器内科医は全国的に不足しており,呼吸器内科医だけが肺炎を診るという前提は破綻しています。非専門医が肺炎を診る需要がますます高くなっているのです。肺炎は頻度が高いにもかかわらず,系統立ってその診療のやり方を教わる機会がなかった医師も少なくないでしょう。先輩医師の処方をなんとなく,見様見真似で盗んで覚えて不安を抱えながら診療を行っているというのが現状ではないかと思います。このような現状を踏まえ,ジェネラリストや研修医をはじめとした,呼吸器や感染症を専門としない医師が肺炎に立ち向かうに当たって助けになるような実践書をつくりたいと思い,本書を企画しました。
若手を中心に,現場で診療に当たっておられる方々に執筆をお願いしました。執筆者は皆,身体所見やグラム染色を大切にし,狭域抗菌薬で治療できるならその可能性を追求し,また,肺炎の診療は簡単ではないことを知っている人たちです。「名医」と呼ばれる人がいるとすれば,肺炎の怖さを十分に知りながら,勇気を持ってそれに立ち向かう人ではないかと思います。
本書が現場の最前線で医療を担う人々の一助になることを願ってやみません。
目次
第1章 市中肺炎の診断はどうする?
01 肺炎の診断をする前に押さえておきたいこと─「肺炎」と「かぜ」の見わけ方
02 市中肺炎の診断に身体所見でどこまで迫れるか? その限界は?
03 グラム染色と培養検査の活かし方─よい検体の取り方
04 尿中抗原,抗体検査の使い方
05 肺炎を「見抜く」ための画像検査─X線とCTの適応と読影上の注意,見逃しやすいポイント
06 そっくり症状に惑わされず肺炎と心不全を見わける方法
07 結核が疑われたときにキノロンを避けるべきケース,使ってもよいケース
08 重症度分類の使い方とその限界を知っておこう!─PSI,CURB-65,A-DROP
第2章 「場」によって市中肺炎への対応はこう変わる!
09 「診療所」での肺炎診療─治療の実際,いつ病院への紹介が必要?
10 「訪問診療」での肺炎診療─なるべく在宅でといわれたら?
11 「救急外来」での肺炎診療
第3章 病院での市中肺炎の治療─症例に応じたベストチョイスを!
12 重症度に応じた治療薬の選択方法─非定型肺炎をいつカバーするか?
13 経過観察の仕方と治療期間の決定─内服薬への変更のタイミングとフォローアップ
14 「よくならない場合」に何を考えるか? ─自然経過,肺炎随伴性胸水,膿胸,ほかの原因など
15 非感染性肺炎を疑ったらどうする?
16 重症肺炎はこう戦え!─挿管,NPPVの適応
第4章 ゼッタイ押さえておきたい! 病原体ごとに異なる診療上の注意点
17 肺炎球菌性肺炎に本当に狭域ペニシリンで戦ってよいか?─ペニシリンの投与方法
18 マイコプラズマ肺炎でのマクロライド耐性はどれくらい問題なのか?─初期治療を考える
19 レジオネラ肺炎の診断と治療は?
20 MRSA肺炎はいつ疑って,どう治療する?
21 インフルエンザウイルスと肺炎─ウイルスそのものによる肺炎とインフルエンザ後肺炎
第5章 知っておきたい院内肺炎のこと
22 HCAP,HAP,VAPって何? どうやって診断するの?─ CPIS,グラム染色
23 HCAP,HAP,VAPの治療はどうする? ─I-ROADで重症度を分類
第6章 知っておきたい特殊な患者における診療上の注意点
24 ステロイド,免疫抑制薬投与中の肺炎をどう診る?
25 HIV患者の肺に影があったら?
26 肺癌患者の肺炎をどう診る?
27 COPD 患者の咳と痰が増えたときどうする? ─COPD急性増悪と肺炎
28 超高齢者の肺炎─誤嚥性肺炎の診断・治療・予防と終末期における治療の引き際は?
29 妊婦の肺炎─ X線検査しても大丈夫?
第7章 肺炎は予防も大事!
30 インフルエンザワクチン,肺炎球菌ワクチン,プラス禁煙が予防の王道!
31 ventilator associated pneumonia(VAP)の予防
第8章 お悩みQ&A
ほかの先生はどうしているの?こんなとき!
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ダウンロード時に必要なメモリ:287.2MB以上
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- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784784964284
- ページ数:296頁
- 書籍発行日:2013年10月
- 電子版発売日:2013年11月22日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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