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ゼロから始めるパーキンソン病診療

川上 忠孝 (著)

文光堂

  • ISBN : 9784830615450
  • ページ数 : 232頁
  • 書籍発行日 : 2016年10月
  • 電子版発売日 : 2019年10月11日
  • 判 : A5判
  • 種別 : eBook版 → 詳細はこちら
販売価格 (ダウンロード販売)
¥4,180 (税込)
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商品情報

パーキンソン病診療がゼロからわかる入門書!かかりつけ医に役立つ知識が満載!

パーキンソン病診療の専門家である著者が,かかりつけ医が行うパーキンソン病患者のフォローアップのコツと注意点,専門医の処方の組み方の解釈,パーキンソン病に合併する様々な疾患(がん,糖尿病など)の管理や,専門医との連携の仕方などを解説.
疑うべき症候から診断,治療,ケアまで,かかりつけ医に必要なパーキンソン病診療の実際をまとめる.
「コラム」,「雑談」が随所に盛り込まれて,読み物としての楽しみもある1冊.

■ 序文

皆さんは『神経内科』と聞いて,どんなイメージを思い浮かべるでしょうか?『覚えることが一杯ありすぎる,難しい』などと敬遠されることがとかく多いような感じも受けますが,果たしてそうでしょうか? 神経解剖では確かにややこしい名称・難しい漢字が並んでいるのですが,それらの繋がりをきちんと把握できれば,機能面も理解できるようになり,それが神経症候学や病態生理学などの理解にも直結することでしょう.基本的なことは他の診療科についても全く同様のことが言えるのです.

以前,大学の同窓会があったとき,こんなことがありました.同級生の1人から,『神経内科やってるんだって?パーキンソン病なんて面倒くさいだけじゃないか』というような言葉を投げかけられたのです.非専門医からみたパーキンソン病というのはこのような認識なのだろうなあと思ってしまいましたが,実は神経内科のなかでも同じような問題はあるのです.パーキンソン病の特徴としての患者性格の傾向もあり,パーキンソン病の診察にはかなり時間がかかることも多く,神経内科のなかでもパーキンソン病を専門としていない医師からは正直なところ敬遠されがちな面も少なからずあるのが実情でしょう.

そのような方にはもちろん,医学生の皆さんや,これから専門領域を決めようかと正に悩んでいる最中の方にも,パーキンソン病という疾患が0(ゼロ)からわかる本を作ろうと思い書き出してみたのがこの本です.特に来年(2017年)は,James Parkinsonが『An Essay on the Shaking Palsy』を出版して満200年というanniversary yearであります.パーキンソン病を専門とする者にとっては正に記念すべき年を迎えることになるのですが,このような時期にパーキンソン病の入門書としての書籍を,一介の神経内科医が幸運にも出版することができ,このうえない喜びを感じている次第です.

100%の医学書として書いてしまうと読む人にも飽きられてしまうかと,雑談的な読み物もいくつか散りばめてみました.内容によってはやや脱線しかけているところもありますが,そこはご容赦いただいて気軽に読み進めていただき,パーキンソン病に対する興味・理解を少しでも深めていただくことができれば,筆者としても光栄に存じます.


2016年10月 

川上 忠孝

■ 目次

1章 パーキンソン病とは

1 はじめに:パーキンソン病の疫学など

2 パーキンソン病の4大徴候

1 安静時振戦

2 筋固縮

3 無動・寡動

4 姿勢反射障害

3 Hoehn‐Yahr重症度,PD患者への説明など

4 パーキンソン病の原因

5 Braak仮説について

2章 パーキンソン病の歴史

1 James Parkinsonの著書『An Essay on the Shaking Palsy』

1 James Parkinson(1755‐1824)

2 Charcotによる再評価とGowersのreview

1 Jean Martin Charcot(1825‐1893)

2 William Gowers(1845‐1915)

3 病理学的裏付け

1 Friedrich Heinrich Lewy(1885‐1950)

2 その後の研究

4 この30年間でのパラダイムシフト

1 『診断できるが治療法がない』時代

2 疾患概念の変化

3 PD治療薬の歴史

3章 発症前から早期にかけてのパーキンソン病

1 PDは慢性に経過する疾患である

2 病前性格

3 発症前に認められる症候

1 レム睡眠期行動異常(RBD)

2 便秘

4 初発症状と4大徴候

5 4大徴候以外のPDの徴候

1 仮面様顔貌,脂漏性顔貌

2 歩行障害

3 小字症

4 Myerson徴候,Westphal徴候

5 その他の徴候(構音障害,協調運動障害など)

4章 初期~中期にかけてのパーキンソン病

1 典型的経過

1 患者の受診理由

2 パーキンソニズムの定義とPDの診断基準

3 診断を補完するための画像検査(核医学検査)

4 発症初期~中期の症状

2 PDのhoneymoon period(蜜月期)

3 かかりつけ医で診るか,専門医が診るか?〜かかりつけ医と専門医の連携

1 病診連携のあり方

2 PDにおける病診連携

5章 パーキンソン病治療のポイント

1 薬物治療

1 古典的薬剤

2 ドパミン系薬剤

3 非ドパミン系薬剤

2 忘れてはいけない合併症:悪性症候群

3 専門医の処方の組み方

《症例1》発症時から治療を継続している症例

《症例2》発症後20年経過し,wearing‐off・on‐offやジスキネジアが目立つ症例

《症例3》当初から抑うつ・不安症状が強く,病的賭博を呈した症例

4 PDに対する外科療法:特に脳深部刺激療法(DBS)の適応について

1 DBSの概要

2 外科療法の適応/非適応

3 DBSによる症状の変化

5 PDに対するリハビリの適応や方法など

1 病初期からのリハビリと動機づけ

2 中期以降のPDに対するリハビリの意義

3 運動療法の実際

4 姿勢異常に対する傍脊柱筋トレーニングの実際

6 今後の治療薬の見通し:disease‐modifying therapyなど

6章 精神症状と非運動症状

1 認知症を認めるとき,どう考えるか

2 認知症を伴うパーキンソン病(PDD)とLewy小体型認知症(DLB)

1 PDD,DLBの概念

2 DLBの臨床的特徴

3 PDDでの精神症状

4 DLBの「薬剤に対する過敏性(効きすぎ)」

3 抗パ剤の副作用による非運動症状

1 ドパミンアゴニストの副作用による衝動制御障害(ICD)

2 ドパミンアゴニストの副作用による反復常同行動punding

3 ドパミンアゴニストの副作用によるドパミン調節異常症候群(DDS)

4 パーキンソン病の手術療法と認知症

1 視床腹中間核(Vim)破壊術

2 脳深部刺激療法(DBS)

《症例1》術前の精神症状に気付かずSTN‐DBSを施行した女性例

《症例2》術前に軽度脳萎縮を呈しており,術後に認知症・脳萎縮が進行した女性例

7章 パーキンソン病の鑑別診断

1 非変性疾患によるパーキンソニズム

1 血管性パーキンソニズム(VaP)

2 薬剤性パーキンソニズム(DIP)

3 中毒性パーキンソニズム

4 脳炎後パーキンソニズム

5 脳外科的疾患などによるパーキンソニズム

2 神経変性疾患によるパーキンソニズム

1 多系統萎縮症(MSA)

2 大脳皮質基底核変性症(CBD)

3 進行性核上性麻痺(PSP)

8章 中期~後期以降のパーキンソン病

1 どのような合併症が出現してくるのか?

1 感覚障害/疼痛・しびれ感

2 睡眠障害

3 疲労

2 運動系合併症

1 症状の日内変動

2 不随意運動

3 ジストニア

4 歩行障害

5 姿勢異常

6 嚥下障害・流涎など

3 進行期症状

1 排尿障害

2 便秘・消化管機能異常

3 発汗異常

4 起立性低血圧

9章 パーキンソン病に併発しうる疾患・終末像

1 PDに併発しうる疾患:生活習慣病の視点から

1 PDと糖尿病

2 PDと体重変化(特に減少)

3 PDと高血圧

2 PDの終末像は?

1 PD終末像までの自然経過

2 PD終末像の精神症状

3 どこまで治療を行うべきか?〜治療の中止・治療内容の変更〜

1 認知症(PDD)の悪化のため,内服アドヒアランスが低下してきた

2 嚥下障害のため,内服が困難になってきた

3 運動症状が進行し,内服治療などにもかかわらず寝たきり(H‐Y5度)になった

4 金銭的問題で,高価な薬剤の投与を続けられなくなった

5 自宅での介護力の低下により,施設入所せざるをえなくなった

4 パーキンソン病の死因

《症例》体重減少が膵癌発見のきっかけとなったPD症例

附録 パーキンソン病と公的扶助

1 公的支援としての難病医療費助成制度

1 難病医療費助成制度とは?

2 支給認定の申請のしかた

3 臨床調査個人票の記載のしかた

2 介護保険制度

3 身体障害者福祉法

4 書類作成の事務的な事項について

附録資料①「臨床調査個人票(新規)」の記載のしかた

附録資料②「臨床調査個人票(更新)」の記載のしかた

索引

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