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- 心臓を守る!ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬
商品情報
内容
ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)は従来アルドステロン拮抗薬と言われていたものである.近年,ミネラルコルチコイド受容体(MR)の新たな作用機序が続々と明らかになり,高血圧,CKD,メタボ,2型糖尿病,動脈硬化,そして心不全の病態進展に重要な役割を果たすことがわかってきた.本書では,MRの最新の病態生理からMRAの臨床エビデンス,そして次世代の非ステロイド型MRAの可能性までをエキスパートによる解説でまとめた.
序文
ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)は従来アルドステロン拮抗薬といわれていたものである.スピロノラクトン,エプレレノンは古くからある薬であるが,降圧効果もあまり強くなく,利尿効果も弱い.さらに,高カリウム血症への懸念や糖尿病性腎症で使いにくいなど,ネガティブイメージが先行しているため実際には使用頻度はあまり高くない.これらの薬がアルドステロン拮抗薬ではなくなぜMRAと名称が変更されたのか,その理由すら知らない医師も多いのが現状である.そのため,レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系という概念にとらわれるあまり,ACE阻害薬(ARB)でアルドステロンは制御可能であると考えている人も少なくない.ところが,近年,ミネラルコルチコイド受容体(MR)の新しいバイオロジーが続々と明らかになり,高血圧,慢性腎臓病(CKD),メタボリックシンドローム,2型糖尿病,動脈硬化そして心不全の病態進展に重要な役割を果たすことがわかってきた.特に,収縮不全患者ではMRAは必須の薬剤である.さらに,従来のMRAの副作用を軽減させた非ステロイド型MRAが市販され,MRAの降圧を超えた多面的な心血管保護作用を再認識する必要に迫られている.本書はMRの最新の病態生理からMRAの臨床エビデンス,そして非ステロイド型MRAへの展望などをQ&A形式でわかりやすく各分野のエキスパートに解説していただいている.
日々の循環器診療にどのようにMRAを役立てたらよいかヒントを得ることができたと言っていただければ執筆者一同の喜びである.
2019年2月
伊藤 浩
目次
PART1 アルドステロンとMRを理解する
Q1 ミネラルコルチコイド受容体(MR)はどのようなものでしょうか? その働きとともに教えてください
Q2 MRの腎上皮細胞における作用を教えてください
Q3 MRは腎臓以外に広く分布すると聞きました.どのような臓器に分布するのか,そしてその役割についても教えてください
Q4 アルドステロンは副腎皮質だけでなく他の組織でも産生されると聞きました.それに関して教えてください
Q5 組織にはコルチゾールが高濃度存在し,アルドステロンとほぼ同じ親和性でMRに結合すると聞きました.なぜ,腎上皮細胞ではMRにアルドステロンのみ作用するのでしょうか?
Q6 組織にはコルチゾールが高濃度存在し,アルドステロンとほぼ同じ親和性でMRに結合すると聞きました.心筋のMRではコルチゾールとアルドステロンがどのような関係になるのでしょうか?
Q7 なぜアルドステロン拮抗薬ではなく,ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)と呼ぶようになったのでしょうか?
Q8 アルドステロンの非上皮作用(腎上皮以外)に関して教えてください
Q9 アルドステロンとアンジオテンシンIIおよび交感神経系との相互作用に関して教えてください
Q10 アルドステロンのゲノム作用と非ゲノム作用を教えてください
Q11 MRはどのようなとき,あるいは刺激で活性化されるのでしょうか?
Q12 心不全,CKDや2型糖尿病でMRは活性化されているのでしょうか?
Q13 MRAに抗炎症作用効果があると聞きました.その機序に関して教えてください
Q14 MR活性化の中枢神経に対する生理的そして病的作用について教えてください
Q15 MR活性化の血管に対する病的作用に関して教えてください
Q16 MR活性化の心臓に対する病的作用に関して教えてください
Q17 MR活性化の腎臓に対する病的作用に関して教えてください
Q18 ACE阻害薬そしてARBでも出現するアルドステロンブレークスルーの機序と病的意義を教えてください
PART2 MRAの臨床効果を検証する
降圧薬としてのMRA
Q19 欧米,日本の高血圧ガイドラインにおけるMRAの位置づけを教えてください
Q20 スピロノラクトンとエプレレノンの使い分けに関して教えてください
Q21 ACE阻害薬・ARBにMRAを加えるときのメリットと注意点を教えてください
Q22 MRAと併用するとより強い降圧効果が得られる組み合わせを教えてください
Q23 原発性アルドステロン症の病態と治療方針を教えてください
心不全
Q24 MRAの多施設共同試験を解説する(HFrEF):RALES試験
Q25 MRAの多施設共同試験を解説する(HFrEF):EMPHASIS-HF研究とJ-EMPHASISHF研究
Q26 HFrEF患者にはtriple blockadeが必要といわれています.なぜ,ACE阻害薬やβ遮断薬にMRAを加えると相加効果を出すのでしょうか?
Q27 HFrEF患者ではACE阻害薬やARBを最大限まで使用しないとMRAを併用してはいけないのでしょうか? あるいは,MRAの先行投与はいけないのでしょうか?
Q28 HFrEF患者の入院急性期からMRAを使用したほうがよいでしょうか?
Q29 HFrEF患者にMRAを用いる場合に徐々に増量したほうがよいでしょうか?
Q30 ガイドラインではNYHA II度からMRAが推奨されていますが,NYHA I度の患者には使用すべきでしょうか?
Q31 超重症のHFrEF患者にもMRAは使うべきでしょうか?
Q32 MRAはHFrEF患者の突然死を減少させると聞きました.そのエビデンスと機序を教えてください
Q33 MRAの多施設共同試験を解説する(HFpEF):TOPCAT試験
Q34 HFpEF患者にはMRAは無効なのでしょうか?軽症例に使用するメリットはあるでしょうか?
Q35 MRAの多施設共同試験を解説する(心筋梗塞):EPHESUS試験
Q36 MRAには交感神経抑制作用があるのでしょうか?
Q37 どのような心筋梗塞患者にMRAが推奨されるのでしょうか?
Q38 MRAの心肥大抑制効果に関して教えてください
Q39 MRAでしばしば高K血症が問題になりますが,心不全患者における適正な血清K値に関して教えてください
血管保護作用
Q40 MRAの血管内皮機能とスティフネスに対する効果を教えてください
Q41 MRAの心血管イベント予防効果とその機序に関して教えてください
利尿薬としてのMRA
Q42 ループ利尿薬単独よりもMRAを加えたほうがよいといわれています.なぜなのでしょうか?その理由を教えてください
Q43 慢性心不全患者の利尿におけるMRAそしてサイアザイドの役割を教えてください
腎保護効果
Q44 MRAは腎不全患者で使いにくい印象があります.腎保護効果はあるのでしょうか?
Q45 MRAは糖尿病性腎症の蛋白尿に対する効果があると聞きました.そのエビデンスと機序を教えてください
状況別使用法
Q46 75歳以上の高齢高血圧患者に対するMRAの適応と注意点に関して教えてください
Q47 高血圧を合併する2型糖尿病患者にMRAを使用するメリットと注意点を教えてください
MRAの副作用とその対策
Q48 MRAで誘発される高K血症の機序とそのハイリスク群を教えてください
Q49 MRAの高K血症対策:どこまで許容し,どのように対応したらよいのか教えてください
Q50 MRAの禁忌に関して教えてください
PART3 次世代MRAの可能性を探る
Q51 非ステロイド型MRAとはどのようなものでしょうか?
Q52 非ステロイド型MRAはスピロノラクトン,エプレレノンと異なり,どのような利点があるのでしょうか?
Q53 非ステロイド型MRAにはどのようなものがあるのでしょうか?
Q54 非ステロイド型MRAの降圧効果に関して教えてください
Q55 非ステロイド型MRAの腎保護効果の機序と糖尿病性腎症に対する効果に関して教えてください
Q56 非ステロイド型MRAの心不全に対する効果に関して教えてください
Q57 非ステロイド型MRAの副作用に関して教えてください
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書籍情報
- ISBN:9784830619465
- ページ数:148頁
- 書籍発行日:2019年3月
- 電子版発売日:2019年5月22日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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