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- 基礎からよくわかる 実践的CFD(数値流体力学)入門 脳血管編
商品情報
内容
脳血管疾患(特に、脳動脈瘤)に焦点を当て、脳血管疾患に関する基礎からCFDを用いた最新の研究動向までを網羅的に紹介した初心者向けの専門書。研究用CFDフリーソフトがDL出来るパスコード付きで、今すぐにCFDを始められます。
序文
わが国における数値流体力学(computational fluid dynamics:CFD)の研究は1980年代から理工学分野を中心に盛んとなり,2000年以降は産業界において設計・研究開発用のツールとして日常的に有効活用されるようになっている.現在では,多数の商用あるいは無償のCFDソフトウェア(いわゆるCFDソルバー)が開発され,所有するコンピュータの性能や使用用途に応じて,さまざまなCFDソルバーを入手・利用できるようになっている.また,CFD解析を効率的・効果的に行うためには,CFDソルバーが良いだけでは不十分であり,CADデータやCT画像等から3次元モデルを構築するためのモデラ―ソフト,3次元モデルの内外に計算格子(メッシュ)を構築するための格子生成ソフト,CFDソルバーから得られる流れ場データをグラフや動画にするための可視化ソフトといった周辺ソフトウェアも使い勝手が良いことが必要である.これらの周辺ソフトウェアも2000年以降充実してきており,現在,ソフトウェアの面からCFDの障害になるようなことはほとんどなくなっている.
医療分野におけるCFDの利用は1990年代から研究レベルで始まっていたが,CT,MRI,DSAといった画像診断装置の発達とともに,2010年頃からは臨床現場への展開を目指した研究開発が精力的に行われるようになっている.産業界においてCFDが便利なツールとなったように,医療分野においても,CFDが医療現場での診断・治療を支援する便利なツールになりつつあるというのが現状のように思われる.
本書『基礎からよくわかる実践的CFD(数値流体力学)入門』は,脳血管疾患(特に,脳動脈瘤)に焦点を当て,脳血管疾患に関する基礎からCFDを用いた最新の研究動向までを網羅的に紹介した初心者向けの専門書である.本書では,脳動脈瘤の発生・成長・破裂に関連するさまざまな流体力学(血行力学)的なパラメータ,コイルコンパクション,ステントに関する流体力学的・材料力学的解析,頚動脈狭窄症やもやもや病へのCFDの応用など,多岐にわたるテーマが取り上げられている.また,CFDの結果を正しく理解するためには,CFDソルバーの中で何がどのように処理されているのかを知ることが必須であるとともに,流体力学の基本的な知識,流れの計測方法,流体構造連成などに関する知識も必要となる.このため,本書では,これらのテーマについても複数の章を割いて平易に解説を加え,読者の理解を助けるように配慮した.
本書を通読していただければ,脳血管疾患にCFDがどのように利用され,臨床現場にどのように展開されようとしているのかを容易かつ実感を伴って理解できるであろう.医学・理工学を問わず,わが国の医療に携わる人々がCFDをより深く理解し,医療現場のツールとしてCFDを活用していただける日が近い将来訪れることを期待している.最後に,本書の出版に際しては,多くの専門家の方々に執筆を依頼させていただき,皆様からご快諾いただいた.ここに,心よりの感謝の意を表して,本書出版の辞としたい.
東京理科大学副学長・工学部機械工学科教授
山本 誠
目次
・推薦のことば
・序 文
・執筆者一覧
・略語一覧/研究用CFDフリーソフトについて
【序 章 流体力学の基本知識】
[1]CFDの結果を正しく理解するために
【第1章 脳血管疾患と血液の流れ】
[1]知っておきたい血管解剖の基本
[2]脳動脈瘤 ~未破裂脳動脈瘤の疫学~
[3]脳卒中(脳梗塞)
[4]頚動脈狭窄症
[5]もやもや病とSTA-MCA バイパス
〔Topics 1〕フローダイバーターステント
【第2章 血流解析に必要な流体力学の基礎】
[1]血液の"流れ"を理解するために
【第3章 血流解析に必要なCFDの基礎】
[1]脳動脈瘤の血流解析におけるCFDの解析手法とその原理
[2]脳動脈瘤CFD解析の具体的手順
[3]脳動脈瘤におけるCFDのパラメータ
[4]最注目"WSS"を知る ~ CFDから得たWSS データを正しく活用するために~
[5]Wall shear stress gradient(WSSG)の計算方法とgradient oscillatory number(GON)
【第4章 脳血流に対するCFD解析】
[1]脳動脈瘤
(A)脳動脈瘤のCFDと心電同期再構成3D-CTA(4D-CTA) (B)脳動脈瘤におけるCFD解析と術中所見 (C)脳動脈瘤の開頭手術とCFD~直視下観察による瘤壁の性状と圧力の関係に着目して~ (D)脳動脈瘤壁の硬化性変化 (E)コイルコンパクション症例に対するCFD活用例 (F)脳動脈瘤のCFDの現在と今後の動向[2]ステント
(A)有限要素法を用いたステント留置術の構造解析 (B)フローダイバーターステントを伴う血流解析手法 (C)ステントの最適デザインを考える[3]その他(頚動脈狭窄,バイパス等)
(A)Water hammer 効果に関する考察 ~ CFDの結果を正しく解釈するために~ (B)頚動脈狭窄症の血行動態 ~ CFDによる粥状硬化性病変へのアプローチ~ (C)脳動静脈奇形に対するCFD解析の可能性と課題 (D)STA-MCA バイパス術に対するCFD活用の可能性 (E)流体構造連成解析を用いた粥状硬化性病変の数値解析 (F)CFDと血液の数値モデリング【第5章 さまざまな血流解析】
[1]脳動脈瘤の実験的血流解析のための流速測定法:PIV
[2]フローダイバーターステントの仕様と血流抑制効果・機械特性の関係
〔Topics 2〕構造力学的観点から見た脳動脈瘤の破裂現象 ~FSI の重要性~
【第6章 CFDの実践】
[1]研究用CFDフリーソフト「新CFD」について
【第7章 CFDを用いた医療】
[1]CFDと脳血管内治療の歴史
[2]CFDと医工連携の歴史
〔Topics 3〕CFDを用いた脳動脈瘤研究(論文)の最近の動向
[3]CFDを原理から現場へ
[4]CFDの論文の書き方ポイント
[5]CFDの脳血管内治療への可能性 ~Potential of using CFDfor the treatment of cerebrovascular disease ~
・おわりに
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書籍情報
- ISBN:9784840461474
- ページ数:288頁
- 書籍発行日:2017年4月
- 電子版発売日:2017年12月28日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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