ヘルスケアプロバイダーのためのがん・生殖医療

  • ページ数 : 264頁
  • 書籍発行日 : 2019年4月
  • 電子版発売日 : 2019年7月12日
¥4,620(税込)
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商品情報

内容

若年がん患者のサバイバーシップを支えるヘルスケアプロバイダー必携!

がん治療が生殖機能に及ぼす影響、生殖補助医療の基本と妊孕性温存治療など、がん・生殖医療に携わる医療者に必須の知識をビジュアル解説。さらに、妊孕性温存に至るまでのチーム医療を事例で紹介するとともに、多様で個別的な支援に役立つ視点をQ&Aで提供。患者・家族説明にも役立つ一冊。

序文

がん・生殖医療は、小児、思春期・若年成人(adolescent and young adult;AYA)世代がん患者における、治療後の妊孕性温存のための選択肢を検討する医療と定義されます。がん治療においては、アルキル化薬を含む化学療法レジメンや放射線照射による性腺毒性によって、治療後に妊孕性(生殖機能)が喪失する場合があります。医療の進歩とともに生存率が改善された現状においては、がんサバイバーシップ向上のため、可能であればがん治療開始前に妊孕性温存に関する正確な情報を、的確なタイミングで、がん患者とその家族に提供する必要性があります。しかしながら、がん・生殖医療と一般不妊治療との大きな違いは、対象ががん患者であることです。そのためまずは何よりもがん治療を優先とする中で、いかに患者やその家族の自己決定を促すことができるか(子どもを持たない選択に関しても)が重要となります。

ベルギーのDonnez博士らが2004年、若年ホジキンリンパ腫患者における卵巣組織凍結保存・移植による生児獲得を報告したことで、あらためてがん患者に対する妊孕性温存の診療(がん・生殖医療)が世界中で注目され、2006年以降、本領域に対する取り組みが進んできました。2006年に米国臨床腫瘍学会(American Society of ClinicalOncology;ASCO)が米国生殖医学会(American Society for Reproductive Medicine;ASRM)と共同で作成したASCOガイドラインは、2018年に3回目の改訂が行われ、妊孕性温存のための意思決定におけるヘルスケアプロバイダーと患者とのコミュニケーションの重要性がより強調されています。

一方、日本癌治療学会が2017年7月に刊行した「小児、思春期・若年がん患者の妊孕性温存に関する診療ガイドライン 2017年版」はわが国初の本領域に関するガイドラインです。今後の課題として、①がん・生殖医療におけるインフォームドアセント(小児、思春期)ならびにインフォームドコンセントの指針など、治療選択のための体制整備、②妊孕性温存を希望しなかった患者や妊孕性温存療法の適応外となった患者に対する配慮、2012年頃以前にがん治療を受療したがんサバイバーのQOL維持と向上を目指した医療介入、③がん・生殖医療のさらなる啓発と情報発信の促進(がんサバイバーによるピアサポートを含む)、④妊孕性温存療法に対する公的助成金補助制度の検討、⑤がん・生殖医療に関わる専門医療従事者の育成、⑥がん・生殖医療の技術革新、が挙げられています。がん治療医と生殖医療を専門とする医師のみでは、より良いがん・生殖医療の提供は難しく、本領域では看護師、心理職、薬剤師、遺伝カウンセラー、そしてがん専門相談員など、多領域にわたる医療従事者(ヘルスケアプロバイダー)の参画と連携が必要かつ大変重要です。

本書では、より理解が深まるよう多くのイラストを用いました。2章と3章は患者ならびに家族への説明にそのまま使用できるよう構成しています。また4章では、がん患者とその家族の意思決定支援のポイントとヘルスケアプロバイダーの連携をさまざまな事例を用いて紹介しました。1章と5章では、がん・生殖医療の基本的な事柄や生じやすい疑問について解説しています。本書が、ヘルスケアプロバイダー全体で「がんと希望を持って闘う小児、AYA世代がん患者やその家族」を支えるための一助となることを祈念しています。

最後に、本書の執筆者の皆さまに深謝申し上げます。


2019年3月吉日

鈴木 直

髙井 泰

野澤 美江子

渡邊 知映

目次

・序

・編集・執筆者一覧

・本書の使い方

【第1章 がん・生殖医療で知っておきたい基礎知識】

(1)がん・生殖医療とは?

(2)生殖機能に関する基礎知識 女性の生殖機能

(3)生殖機能に関する基礎知識 男性の生殖機能

(4)小児・AYA世代のがん患者の課題

(5)がんサバイバーシップとしての妊孕性温存への支援 がん看護の立場から

(6)がんサバイバーシップとしての妊孕性温存への支援 生殖看護の立場から

(7)がんサバイバーシップとしての妊孕性温存への支援 医師の立場から

(8)がんサバイバーシップとしての妊孕性温存への支援 薬剤師の立場から

(9)がんサバイバーシップとしての妊孕性温存への支援 心理職の立場から

(10)がんサバイバーシップとしての妊孕性温存への支援 がん専門相談員の立場から

(11)がんサバイバーシップとしての妊孕性温存への支援 遺伝カウンセラーの立場から


【第2章 がん治療が生殖機能に及ぼす影響】

(1)治療別に学ぼう! 放射線治療

(2)治療別に学ぼう! 化学療法~女性~

(3)治療別に学ぼう! 化学療法~男性~

(4)治療別に学ぼう! 分子標的治療薬

(5)治療別に学ぼう! 造血幹細胞移植

(6)疾患別に学ぼう! 婦人科がん

(7)疾患別に学ぼう! 乳がん

(8)疾患別に学ぼう! 泌尿器科がん

(9)疾患別に学ぼう! 骨・軟部腫瘍

(10)疾患別に学ぼう! 造血器腫瘍~小児~

(11)疾患別に学ぼう! 造血器腫瘍~成人~

(12)疾患別に学ぼう! 悪性リンパ腫

(13)疾患別に学ぼう! 脳腫瘍

(14)疾患別に学ぼう! 消化器がん


【第3章 妊孕性温存療法と親になる支援】

(1)生殖補助医療の基礎知識

(2)女性がん患者に対する妊孕性温存療法 胚(受精卵)凍結保存

(3)女性がん患者に対する妊孕性温存療法 未受精卵子凍結保存

(4)女性がん患者に対する妊孕性温存療法 卵巣組織凍結保存・自家移植

(5)女性がん患者に対する妊孕性温存療法 卵巣位置移動術

(6)女性がん患者に対する妊孕性温存療法 婦人科がんにおける妊孕性温存療法

(7)男性がん患者に対する妊孕性温存療法 精子凍結保存

(8)小児がん患者に対する妊孕性温存療法

(9)がん治療終了前後の生殖機能の評価方法~女性~

(10)がん治療終了前後の生殖機能の評価方法~男性~

(11)妊孕性温存が困難な場合の心理支援~女性~

(12)妊孕性温存が困難な場合の心理支援~男性~

(13)親になる支援 家族づくりの在り方


【第4章 事例で学ぶがん・生殖医療】

(1)乳がん×未受精卵子凍結保存

(2)思春期(AYA)血液がん×未受精卵子凍結保存

(3)小児がん×卵巣組織凍結保存

(4)急性リンパ性白血病×micro-TESE×精子凍結保存

(5)子宮頸癌×広汎子宮頸部摘出術×妊娠・出産

(6)乳がん×胚(受精卵)凍結保存×妊娠・出産


【第5章 がんと診断された時から始まる妊孕性温存支援 Q&A】

(Q.1)挙児希望をいつ・どのように確認しますか?~成人女性~

(Q.2)挙児希望をいつ・どのように確認しますか?~成人男性~

(Q.3)挙児希望をいつ・どのように確認しますか?~小児~

(Q.4)がん治療による生殖機能への影響をどのように説明しますか?

(Q.5)がん治療前の妊孕性温存療法への意思決定をどのように支援しますか? がん看護の立場から

(Q.6)がん治療前の妊孕性温存療法への意思決定をどのように支援しますか? 生殖看護の立場から

(Q.7)患者とパートナーや親の意向が異なる場合にはどのように支援しますか?

(Q.8)がん治療と生殖医療との連携をどのようにとっていきますか?

(Q.9)がん治療終了後、挙児希望があるが自然妊娠が難しい女性をどのように支援しますか?

(Q.10)小児がん経験者の長期的な健康管理をどのように支援しますか?~女性~

(Q.11)小児がん経験者の長期的な健康管理をどのように支援しますか?~男性~

(Q.12)がん治療後のライフイベント(恋愛・結婚)をどのように支援しますか?

(Q.13)がん患者の妊娠・出産に関するピアサポートにはどんな効果がありますか?

(Q.14)セックスカウンセリングなど性的ニーズがあるがんサバイバーをどのように支援しますか?~女性~

(Q.15)セックスカウンセリングなど性的ニーズがあるがんサバイバーをどのように支援しますか?~男性~

(Q.16)がん・生殖のため配偶子や胚を凍結していた患者さんが離婚した場合、パートナーが亡くなった場合はどう支援すればよいですか?

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書籍情報

  • ISBN:9784840468756
  • ページ数:264頁
  • 書籍発行日:2019年4月
  • 電子版発売日:2019年7月12日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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