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- 加来 浩平
- DPP-4阻害薬―効果的で安全な臨床使用のために―
商品情報
内容
現状の糖尿病治療が抱える課題と,インクレチン効果に着目したこれからの糖尿病治療への期待を,DPP-4阻害薬を中心に糖尿病研究の第一人者二人が討論。新しい経口糖尿病治療薬であるDPP-4阻害薬の特性を理解し,有効な治療に役立てる一助に。
序文
序
糖尿病患者数の増加が世界的規模で深刻化している。特に中国やインドといったアジアの新興国においては,富裕層のみならず,貧困層においても爆発的な罹患者数の増加を呈している。わが国においても患者数は890万人と推計され,その対策にはもはや一刻の猶予もないにもかかわらず,残念ながら,これまでの多様な作用機序を有する薬剤や治療法をもってしても,効果的な成果をあげるには至っていない。
しかし一方で,糖尿病の病態解明に向けた研究は,疾患感受性遺伝子の同定をはじめ分子生物学レベルでも近年飛躍的に進歩を遂げ,有効な治療法の確立に向けて着実に歩を進めつつある。その成果の一つとして期待されているものが,インクレチン関連薬である。インクレチンとは食事摂取に伴う栄養素の消化管通過刺激によって消化管から分泌されインスリン分泌促進に働くホルモンの総称で,GIPとGLP-1が知られている。近年,インクレチンをターゲットとした治療薬の研究開発が進み,GLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬として臨床応用されるに至った。
GLP-1はインスリン分泌促進作用以外にも消化管運動抑制や食欲抑制,膵β細胞増加などの糖代謝改善作用を有するが,血中に存在するプロテアーゼ(分解酵素)のDPP-4によって速やかに分解され失活する。GLP-1受容体作動薬はDPP-4による分解を受けにくい構造をとることで強力なGLP-1活性を発現し,一方DPP-4阻害薬はDPP-4の活性を阻害することで内因性のGLP-1,GIPの生理活性を維持し,血糖低下作用をあらわす。
本書では,特にDPP-4阻害薬を中心に糖尿病治療におけるインクレチン関連薬の意義とポジショニング,さらに今後の期待などについて討論させていただいた。
国内では2009年のシタグリプチンを皮切りに,早くも4剤のDPP-4阻害薬が登場するに至っている。本書が,新しい経口糖尿病治療薬であるDPP-4阻害薬の特性を理解し,有効な治療に役立てていただける一助になれば,これに勝る喜びはない。
2011年10月
加来浩平,門脇 孝
目次
1.糖尿病人口の増加と日本人2型糖尿病の病態
1)アジアにおける2型糖尿病の増加
2)新しい臨床診断基準とその意義
3)糖尿病の病態
4)原因遺伝子の同定
5)アディポネクチン仮説
2.2型糖尿病に対する従来治療の課題
1)2010ガイドライン以前
2)インクレチン関連薬登場前の糖尿病治療:UKPDSで明らかになった課題
3)UKPDS以降に明らかになってきたこと
4)低血糖とそのリスク
5)膵β細胞の保護と早期介入
6)大血管症を抑制すること
7)膵β細胞の機能を保護すること
3.2型糖尿病におけるインクレチン効果不足
4.DPP-4阻害薬による糖尿病治療の意義
1)DPP-4とその活性阻害
2)GLP-1の抗糖尿病作用
3)インクレチン抵抗性:GIPとGLP-1
5.DPP-4阻害薬の種類と特徴
6.DPP-4阻害薬の多彩な作用
1)インクレチンの膵外作用
2)骨代謝作用
3)体重増加抑制
7.DPP-4阻害薬の効果
・長期投与における効果
・α-GIとの併用効果
・メトホルミンとの併用効果
・DPP-4阻害薬の効果のまとめ
8.DPP-4阻害薬の副作用
9.DPP-4阻害薬の大規模臨床試験:TECOS
10.DPP-4阻害薬のポジショニング
11.DPP-4阻害薬への期待
・J-DOIT3
・早期介入でこそ有用性発揮
・第52回日本糖尿病学会年次学術集会のメッセージ
・アクションプラン「DREAMS」
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書籍情報
- ISBN:9784862700353
- ページ数:104頁
- 書籍発行日:2011年12月
- 電子版発売日:2018年12月19日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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