救急·集中治療(26巻5・6号)徹底ガイド DICのすべて2014-15

  • ページ数 : 395頁
  • 書籍発行日 : 2014年7月
  • 電子版発売日 : 2015年3月20日
7,150
(税込)
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商品情報

内容

救急集中治療医学と血栓止血学の叡智を結集した最新のDIC学!

DICの病態理解を深め、DIC診療に必須である血液凝固線溶系の基本的知識の習得を可能とすべく、基礎から臨床を網羅した構成になっている本書。よくあるマニュアル本やハウツー本とは一味違います!救急集中治療に携わる多くの方々に、じっくりと腰を据えて熟読していただきたい一冊です。

序文

徹底ガイドDIC のすべて2010 を上梓してから4 年近く経ちましたが,この期間にDIC に関する多くの新知見が公表されました.病態生理ではマイクロパーティクルや補体経路と凝固・炎症反応の関わりが明確となり,血管内皮細胞の役割が再認識されDIC 治療との関わりが議論されるようになりました.診断に関しては,日本血栓止血学会が厚生省(現厚生労働省)診断基準に代わる新DIC 診断基準作成を検討中であり,日本救急医学会急性期DIC 診断基準が感染症性DIC 診断に最適であることが証明されました.治療に関しては,国際血栓止血学会は日本血栓止血学会,英国血液標準化委員会,伊国血栓止血学会のDIC 診療ガイドラインをまとめた国際DIC 診療ガイダンスを公表しました.日本集中治療医学会は日本版敗血症診療ガイドラインを公表し,その中でDIC 治療の重要性を取り上げています.特筆すべきは,活性化プロテインC がPROWESS-SHOCK Trial の結果を受けて全世界市場から撤退したことでしょう.新たな治療薬である遺伝子組換えアンチトロンビンの国内第3 相臨床試験が終了し,近々に販売予定であることも話題の一つです.

本書はこれらの動きを視野に入れて企画・編集し,救急集中治療医学と血栓止血学の泰斗の叡智を結集して最新のDIC 学の全貌を平易に解説しました.DIC の病態理解を深め,DIC 診療に必須である血液凝固線溶系の基本的知識の習得を可能とすべく基礎から臨床を網羅した構成としました.本書は昨今,巷間あふれるマニュアル本やハウツー本ではありません.一部の読者には多少取りつきにくいと感じる内容かとも思料しますが,ぜひじっくりと腰を据えて本書を熟読してください.その過程で,読者諸氏が「種々の基礎疾患に続発する症候群であり,かつ全身を侵す病態であるがゆえに多領域の叡智による集学的治療を必要とする病態,DIC」を十分に理解し自家薬籠中のものとしていただけると確信いたします.救急集中治療に携わる多くの方々が本特集を通じて世界のDIC 学を主導して来た日本のDIC 学の最先端に触れ,DIC に興味をもっていただければ,編集者にとり望外の幸せです.

研究そして臨床業務で多忙な中,本特集の意義をご理解いただきご執筆いただいた諸先生に心から御礼申し上げます.

特集編集 丸藤 哲

北海道大学医学研究科 侵襲制御医学講座 救急医学分野

目次

Ⅰ 総 論

DIC学の現在


Ⅱ 疫学と基礎疾患

DICの疫学と基礎疾患


Ⅲ 概念と定義,分類

DICの概念と定義,病態

線溶抑制型DICと線溶亢進型DIC

controlled DICとuncontrolled DIC


Ⅳ 病態生理と病理

血小板・白血球

凝固反応

凝固制御機序

線溶反応

炎症と凝固

血管内皮細胞

マイクロパーティクル

補体反応

消費性凝固障害

臓器不全

病理組織

凝固炎症反応と病理組織


Ⅴ 凝固線溶系の諸指標

血小板,フィブリノゲン,プロトロンビン時間

FDP/Dダイマー

アンチトロンビン

凝固系分子マーカー

線溶系分子マーカー

FDP/Dダイマー検査の標準化


Ⅵ 診断基準

急性期DIC診断基準

厚生省DIC診断基準

ISTH DIC診断基準

産科DIC診断基準

新生児DIC診断基準

三診断基準の比較と診断基準に求められる条件

従来の診断基準の問題点


Ⅶ 診断と治療の指針

本邦のエキスパートコンセンサス

欧米のガイドライン

ISTH DIC診療ガイダンス

日本版敗血症診療ガイドラインとDIC


Ⅷ 基礎病態と治療

敗血症

外 傷

熱 傷

心停止後症候群

ARDS

急性膵炎

急性肝不全

熱中症・蛇毒・脂肪塞栓症候群

血管性病変

造血器悪性腫瘍

産科疾患

新生児


Ⅸ 治療薬

基礎疾患の治療と補充療法

ヘパリン・低分子ヘパリン

ヘパリン類似物質

合成プロテアーゼインヒビター

アンチトロンビン濃縮製剤

遺伝子組換えアンチトロンビン

可溶性トロンボモジュリン(内科)

可溶性トロンボモジュリン(外科)

活性化プロテインC

抗線溶薬(内科系)

抗線溶薬(外科系)


Ⅹ 類似病態,鑑別すべき病態

TMA-TTP/HUS

HELLP症候群

APS(抗リン脂質抗体症候群)

HPS(血球貪食症候群)

HIT(ヘパリン起因性血小板減少症)(松尾美也子) 963

SOS(類洞閉塞症候群)とTLS(腫瘍崩壊症候群)


Ⅺ 症例呈示

救急集中治療とDIC


索 引

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書籍情報

  • ISBN:9784883785292
  • ページ数:395頁
  • 書籍発行日:2014年7月
  • 電子版発売日:2015年3月20日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:2

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