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- 黒田 泰弘
- 救急・集中治療(28巻11・12号)神経集中治療-いま最も知りたい20の論点-
商品情報
内容
最初の課題は、総論であるとともに基調項目からはじまり、最後は灼熱環境における中枢神経障害に関して、 病態生理と治療法を解説していただいた1冊となっています。
序文
神経集中治療は,ターゲットとなる急性障害臓器が脳であるわけですが,脳以外の重要臓器と脳とのinterfaceを考えて治療する必要があります.例えば,体温管理療法は,呼吸循環状態を安定化させた上で行うということです.また,急性多臓器不全をターゲットとする集中治療は,重症度と生存率との関係でその機能評価が行われますが,神経集中治療の機能評価は,死亡率の減少だけでなくむしろ神経学的転帰良好率が改善したことで判断されます.現在,ICUを退室してからの長期予後が重要な集中治療の課題となっていますが,神経機能の障害度は長期予後を決定的に左右する因子の1つです.その意味で今後,神経学的転帰の改善を考えることは,神経集中治療というよりもむしろ集中治療全体の課題です.さらに脳神経障害への対応では,救急外来,診断,手術,集中治療の一連の流れ,すなわち救命救急医療と集中治療をシームレスに考えておく必要があります.以上3つを強調させていただきたいと思います.
本特集は神経集中治療において,いま,とっても重要で関心度も高い論点,昔から基本としておさえておかねばならない事項の中から20項目を厳選し,第一線で活躍されている若手の先生に御執筆をお願い致しました.最初の課題「神経集中治療では,体内環境を整える地道な努力で神経学的転帰が改善する」は,総論であるとともに基調項目になっています.重症頭部外傷においては,脳灌流圧減少の回避の重要性,頭蓋内圧亢進時でもPEEPは安全に使用できる,低体温療法の意義とその限界,早期栄養の必要性,を論点としました.心停止後症候群においては,自己心拍再開後における障害脳評価の難しさ,脳酸素飽和度はそれに影響する因子を踏まえて解釈する必要性,持続脳波モニタリングの意義と限界,体温管理療法時の鎮静鎮痛はシバリング防止の観点から通常の鎮静法とは異なること,に注目しています.非痙攣性てんかん,およびてんかん重積発作に関しては,疫学,どうやって疑うのか,診断における持続脳波モニタリングの意義(周期性発射のevolvingなど),治療と転帰,を論点としています.くも膜下出血については,転帰を最も左右する病態early brain injuryの概念,低ナトリウム血症治療の重要性,神経原性肺水腫の概念の整理,そして脳血管攣縮,遅発性脳虚血がいまどうなっているのか,に注目しました.脳梗塞においては,脳主幹動脈閉塞例,血栓回収後に意識レベルの悪い例,呼吸循環体温などが不安定な症例が神経集中治療の対象になります.最近の論点として敗血症関連脳障害においては,診断における鎮静深度およびせん妄の評価の重要性と,持続脳波,画像などの意義,病態と治療法に注目しています.最後は,灼熱環境における中枢神経障害に関して,病態生理と治療法を解説していただきました.
神経集中治療のこれらの論点は神経学的転帰改善の方策につながるものであり,今後の発展が非常に楽しみな領域です.
特集編集 黒田 泰弘香川大学医学部 救急災害医学講座
目次
・成人の神経集中治療が機能するために必要なものとは?
・重症頭部外傷に対する神経集中治療は,脳灌流圧を優先して管理したほうが良い?
・PEEPが頭蓋内圧へ影響を及ぼすときの条件とは?
・重症頭部外傷に対して低体温療法は有効か?
・頭部外傷における栄養療法は,早期から開始すべきか?
・心停止後の体温管理療法の開始に際しては,脳傷害の程度を評価すべきか?
・心肺蘇生中,心停止後症候群における脳酸素飽和度モニタリングは,予後評価に有効か?
・心拍再開後脳障害における持続脳波モニタリングは,どのように施行し治療に活かすべきか?
・体温管理療法,低体温療法時の鎮静鎮痛法は,通常とどこが違うのか?
・非痙攣性てんかん,非痙攣性てんかん重積発作の診断において,持続脳波モニタリングはどのように使用すべきか?
・神経集中治療における非痙攣性てんかん,非痙攣性てんかん重積発作の疫学と転帰は?
・くも膜下出血におけるearly brain injuryの疫学,治療,転帰は?
・くも膜下出血の神経集中治療における血清ナトリウム濃度異常の疫学,治療,転帰は?
・くも膜下出血における神経原性肺水腫の疫学,治療,転帰は?
・くも膜下出血における脳血管攣縮,遅発性脳虚血の疫学,治療,転帰は?
・脳塞に対するrt-PA投与,および脳血管内治療後の集中治療の適応とは?
・敗血症関連脳障害の検査・診断に,持続脳波モニタリング,画像検査,経頭蓋ドプラ,バイオマーカーはどのように有用なのか?
・敗血症関連脳障害に対して,有効な治療法はあるのか?
・灼熱環境における中枢神経障害の病態,疫学は?
・灼熱環境における中枢神経障害に,有効な治療法はあるのか?
索引
28巻総目次
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書籍情報
- ISBN:9784883785452
- ページ数:160頁
- 書籍発行日:2016年11月
- 電子版発売日:2017年2月3日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:2
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