重症小児患者ケアガイドブック

  • ページ数 : 300頁
  • 書籍発行日 : 2018年10月
  • 電子版発売日 : 2018年11月16日
3,850
(税込)
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商品情報

内容

急性期にある重症小児患者の看護ケアに焦点をあてて刊行!

PICUのみならず,散発的に重症小児患者を看護ケアする成人中心のICUでも看護ケアの指針として活用できる根拠と実践的な内容を具体的に示した指南書。「重症小児患者の受け入れ」「重症小児患者のフィジカルアセスメントとケア」「重症小児患者の基本的な管理とケア」「小児集中治療室で行われる特殊な治療とケア」についての根拠と実践的な看護ケアが学べるように組み立てられています。

序文

はじめに

わが国の重症小児患者の治療・ケアを集中的・専門的に提供する小児集中治療室(Pediatric Intensive Care Unit,以下PICU)の設置は僅かながら漸増傾向にあるものの,いまだ施設数,機能面において極めて不十分であり,発展途上の状態といえます.いずれにせよ,その現実は,多くの小児の急性・重症患者は,全国のgeneral ICUや救命センターICU,はたまたHCUなどの場で,非恒常的(散発的)に入院・加療を受けている場合が少なくありません.そこで日々奮闘する看護師の方々は,散発的に遭遇する小児の急性・重症患者とその看護ケアに関して,自らが有する知識と経験に関してやや不安を感じながら実践していることを耳にします.しかし,それは求められる理想に対して仮に不足があったとしても,今ある技量を最大限に発揮しながら実践を提供していることも述べておきたいと思います.

これまでのそう遠くない昔の歴史を振り返ってみると,この不安を少しでも少なくするかもしれない小児の急性期にある重症患者の看護ケアを対象とした看護専門書の存在は散見される程度であり,また,その後のfollow-upの目的でupto-dateされたものがとても少ないのが実感です.そのためか,かねてより日々の臨床実践に活用できる時勢にマッチした新しい急性期にある重症小児患者の看護ケアの専門書が多くの方々から要望がありました.

そこで,PICUのみならず,散発的に重症小児患者を看護ケアする成人中心のICUでも看護ケアの指針として活用できる根拠と実践的な内容を具体的に示した指南書刊行の企画にとりかかりました.企画,執筆者の采配に際しては集中ケア認定看護師であり,重症小児患者看護のスペシャリストである三浦規雅氏に全面的に協力頂きました.この場をお借りして心より感謝申し上げます.

重症小児患者看護に精通した方々によって綴られた本書の主な構成は,「重症小児患者の受け入れ」「重症小児患者のフィジカルアセスメントとケア」「重症小児患者の基本的な管理とケア」「小児集中治療室で行われる特殊な治療とケア」についての根拠と実践的な看護ケアが学べるように組み立てています.

成人看護とは異なる小児看護の中の特に急性期にある重症小児患者の看護ケアに焦点をあてて刊行した本書が多くの看護師の方々に少しでも役立って頂けたらとても嬉しく思います.是非ともご賞味ください.


2018年10月

道又 元裕

目次

第1章 重症小児患者の受け入れ

1.重症小児患者の入室前に得るべき情報

情報収集(SAMPLE)/成長発達段階/予防接種歴,感染症接触歴/家族歴,家族背景/入院前自立度評価

2.重症小児患者の入室時評価

入室時の全身状態の把握/観察するポイントと迅速に介入するべきポイント

3.小児の蘇生

小児・乳児の定義/小児の心停止の特徴と小児の一次救命処置(pediatric basic life support:PBLS)/PBLSの手順と注意点/PALS(小児二次救命処置)/頻拍への緊急対応/徐脈への緊急対応/緊急処置:気道確保/緊急処置:骨髄針/緊急処置:電気的除細動とカルディオバージョン/気管挿管と介助方法/ECPR

第2章 重症小児患者のフィジカルアセスメントとケア

1.重症小児患者の呼吸評価とケア

小児の呼吸評価/小児の呼吸障害の種類とケア/呼吸障害のある子どもへのケア

2.重症小児患者の循環評価とケア

小児の循環評価/小児の循環障害の種類とケア

3.重症小児患者の脳神経系の評価とケア

小児の脳神経系の評価/小児の脳神経障害の種類とケア

4.重症小児患者の消化器系の評価とケア

小児の消化管の特徴/消化器系のフィジカルアセスメント/消化器系の客観的指標のアセスメント/消化管の機能と障害/重症小児患者の消化器系の特徴/主に使用される薬剤/消化器系の障害とケア

第3章 重症小児患者の基本的な管理とケア

1.小児の集中治療管理に必要な基本的ケア

①安全確保

重症小児患者のおかれている状況/重症小児患者の安全確保に関するケア

②皮膚障害予防とケア

褥瘡のリスクアセスメント/予防措置と観察/皮膚保護剤の種類と使い方/おむつかぶれ(おむつ皮膚炎)への対応/点滴漏れへの対応

③感染管理

標準予防策/経路別予防策/小児の免疫応答の特徴/入室前の感染性疾患の曝露歴の聴取と対応/デバイス関連感染対策/PICU等における院内感染対策

④栄養管理

小児集中治療室での栄養投与/重症小児患者の栄養の評価/重症小児患者の栄養投与/経腸栄養,経静脈栄養の管理方法/重症小児患者の生体反応と栄養管理/経腸栄養に用いられる,母乳,ミルク,経腸栄養剤/母乳,ミルク,経腸栄養剤の取り扱い方/経静脈栄養に用いられる製剤/経管栄養から経口摂取への移行

⑤体温管理

小児の体温調節の特徴と評価方法/低体温への反応と保温方法/高体温への反応と冷却方法

⑥鎮痛・鎮静・せん妄

集中治療を受ける子どもへの鎮痛・鎮静の目的/鎮痛管理/鎮静管理/小児のせん妄

⑦体位とリハビリテーション

ICU-AWとは/小児PICUでのリハビリテーションの実際

2.小児の人工呼吸管理

侵襲的陽圧換気療法/気道の管理/人工呼吸管理/非侵襲的陽圧換気療法

3.特殊なモニタリング

①頭蓋内圧(ICP)モニタリングとケアへの活用

ICPモニタリングの意義と適応/ICPモニタリングの実際/ICPモニタリングの評価/ICPモニタリングのケアへの活用

②持続脳波モニタリングとケアへの活用

持続脳波モニタリングの適応/持続脳波モニタリングの実際/持続脳波モニタリングの評価/持続脳波モニタリングのケアへの活かし方

③腹腔内圧(IAP)モニタリングとケアへの活用

IAPモニタリングの意義と適応/IAPモニタリングの実際/IAPモニタリングの評価/IAPモニタリングのケアへの活用

4.重症小児患者とその家族へのケア

①子どもの成長発達と支援

子どもの成長発達と支援/重症小児患者の成長発達と支援

②家族ケア

重症小児患者の家族のニード/家族システム論と実際

③児童虐待問題

児童虐待のスクリーニング/児童虐待への対応/児童虐待を受けた被害児への対応/児童虐待を行った家族への対応

④終末期ケア

終末期の迎え方/小児の脳死判定基準/終末期患者・家族へのケア/小児のエンゼルケア/きょうだい支援

第4章 小児集中治療室で行われる特殊な治療とケア

1.低体温療法

低体温療法の目的と適応/低体温療法の実際/低体温療法中および復温時の観察とケア

2.体外式ペースメーカ

体外式ペースメーカの意義/ペースメーカの種類と適応/ペースメーカの機能とモード/体外式ペースメーカ装着中の看護のポイント

3.NO吸入療法

NO吸入療法の目的/NO吸入療法の適応/NO吸入療法のメカニズム/NO吸入療法中の観察点/NO吸入における看護上の注意点

4.高頻度振動換気(HFOV)

HFOVの目的/HFOVの適応/HFOVのメカニズム/HFOVのガス交換の機序/患者の観察ポイント/看護上の注意点

5.急性血液浄化療法

急性血液浄化の仕組みと種類/急性血液浄化療法の適応/バスキュラーアクセスとカテーテル/回路・機器の観察とモニタリング/患者観察とケア

6.ECMO

回路の基本構成/ECMOの適応/VA ECMOとVV ECMO/ローラーポンプと遠心ポンプ/ECMO回路・機器の観察とモニタリング/患者観察とケア/ウィーニングと離脱

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書籍情報

  • ISBN:9784883786671
  • ページ数:300頁
  • 書籍発行日:2018年10月
  • 電子版発売日:2018年11月16日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:2

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