1日でマスターする 心不全の基本知識と患者ケア-5stepで学ぶ最もやさしいテキスト-

  • ページ数 : 144頁
  • 書籍発行日 : 2017年2月
  • 電子版発売日 : 2017年5月12日
2,750
(税込)
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商品情報

内容

心不全診療の流れをしっかりおさえる!

心不全診療に関わる医師・看護師のための基礎知識が学べます。「どうしてこの薬がひつようなのか」といった患者さんの疑問にもしっかり対応できる一冊。心不全の流れを理解することで、心不全の全体像を把握できます。

序文

はじめに

心不全は,疾患名でなく症候群なので,原因もさまざま,病態もさまざまで捉えどころがないと言われます.したがって,細部にこだわりすぎると全体像を見失います.全体像を常に意識するためには,症状・徴候をきたす病態,病態に合った治療,そして,それを実現するために行うチーム医療という心不全診療の流れをしっかりおさえておくことが重要です.心不全の原因はさまざまでも,そこから生じる病態は,肺水腫,全身的な浮腫,低心拍出による低灌流の3 つの病態に分けることができます.このように病態を単純化して理解することは,よりよい看護につながります.本書では,心不全をしっかり理解し,よりよいチーム医療を行うために,5 つのStep に分けて心不全診療をかみ砕き,明日からの看護に活かせる実践的なポイントを解説してあります.

Step1 は,心不全の定義と分類,Step2 では,病態,特にうっ血所見についてのポイントを解説し,病態に基づいた治療についてはStep3 で,薬物と非薬物に分けて解説してあります.さらに,Step4 では,薬剤についての基本的な知識と患者さんに標準治療薬の必要性を理解してもらうためのポイントを解説してあります.最後に(Step5),実例をもとに,看護師を中心とする心不全チーム医療の実施の仕方についてわかりやすくまとめました.

このようなStep を踏んで,心不全診療の流れを理解することで,心不全の全体像を把握できると思います.そして,心不全診療にかかわるすべてのメディカルスタッフが,この心不全診療の流れを共有し,多職種による多角的アプローチを実践することができれば,それは,患者さんに対してすばらしい診療を提供することになります.すなわち,このようなアプローチが,心不全診療で最も解決されなければならない重要な課題である心不全悪化や再入院の問題を改善することにつながるのです.

本書を参考に,よりよい心不全チーム医療をぜひとも実現していただければ,我々にとってこの上ない喜びです.


2017年2月

日本医科大学武蔵小杉病院循環器内科教授
佐藤直樹

目次

Step1 心不全のステージ分類を理解する!―急性と慢性は一連の流れとして捉える!―

1 心臓の解剖と生理

心拍出量

心拍出量の分配

心臓の収縮拡張のサイクル

血圧とは?

前負荷とは?

後負荷とは?

2 心不全を病態変化で考える

急性心不全の定義

慢性心不全の定義

海外の心不全のガイドラインでは?

心不全の分類

3 心不全を原因で考える

冠動脈疾患

弁膜症

拡張型心筋症

高血圧性心疾患

4 心不全は,いろいろな見方がある

急性心不全と慢性心不全

左心不全と右心不全

収縮不全と拡張不全

低心拍出性心不全と高心拍出性心不全

Step2 バイタルサインはこうみる!―うっ血所見の取り方のコツ―

1 血圧と心拍数をしっかりと評価しよう!

2 うっ血の評価

右心不全によるうっ血

左心不全によるうっ血

うっ血の胸部X線による評価

うっ血の血行動態による評価

Step3 心不全治療の基本を知る―薬物療法,非薬物療法の適応はこれでわかった!

1 まず症例で考えてみてみよう!

検査と診断

治療

2 呼吸管理の基本

3 薬物療法の基本

利尿薬

血管拡張薬

強心薬・昇圧薬

4 補助循環装置

大動脈内バルーンパンピング(IABP)

植込み型除細道器(ICD)

心臓再同期療法(CRT)

経カテーテル的大動脈弁留置術

人工心臓

心臓移植

Step4 患者さんへの服薬指導のコツ―どうしてこの薬が必要なのか?―

1 標準的心不全薬物療法を理解するための心不全分類

2 心不全の標準薬物療法

レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAA系)

交感神経系(β遮断薬)

利尿薬

3 実際の症例でみてみよう!

4 薬物療法の効果を最大限にひき出す服薬指導のコツ

なぜ,この薬を飲む必要があるのか?

それぞれの薬剤をどんな目的で飲むのか?

どうして続けなければいけないのか?

どうして増量していかなければいけないのか?

Step5 事例から学ぶ 心不全チーム医療と心不全看護

1 心不全パンデミックに備えて

2 症例を通してチーム医療による介入ポイントを学ぼう!

症例の概要

病態把握と初期対応

治療経過1

退院に向けて,社会的背景,生活背景の情報を収集する

セルフモニタリングを指導する

早すぎた退院の結果

心不全増悪の要因をアセスメントし,病態を把握する

治療経過2

再入院予防への対策

退院前評価

退院後の継続介入と評価

3 心不全チーム医療

心不全におけるチーム医療

連携と心不全チーム医療の今後の課題


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書籍情報

  • ISBN:9784883788941
  • ページ数:144頁
  • 書籍発行日:2017年2月
  • 電子版発売日:2017年5月12日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:2

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