「先生、私の矯正治療はいつ頃終わりますか」

多くの場合、この厄介な質問に対する回答は患者を落胆させ、矯正医はフラストレーションに陥る。20世紀半ばには多くの矯正歯科医が「無制限」料金を見積り、組織反応の変動に応じて調整し、どの時点で「完了」とするかの判断は患者に任せていた。だが、診療習慣の進化と第三者の料金制限によって多くの21世紀の医師たちが困った状態に陥り、優れた基準を求められても、予測可能な基盤に基づいてこれらの基準を単一料金で達成することは、多くの場合難しい。

それは、多くの生物系と同じように、我々の患者は大きな不均一性と予測不可能な交絡変数によって特徴づけられているためである。そのため、固定料金という柔軟性のない制約はしばしば非現実的な期待を課し、早期の治療成功患者は、遅延患者と非効率な生体力学を援助しなければならない。幸いなことに、多くの革新的なテクニックが進化し、効率的な臨床管理に対するこれらの打撃を和らげている。また、外科処置を併用した急速矯正処置（SFOT）を提案する人もいるが、これには大きな手術や入院が含まれる。本著で歯科矯正のためのcorticotomy（ODC）と呼ぶ、SFOTをさらに改良した外来治療は、先進的な考えをもつ専門家たちにさらに大きな革新を約束している。

～中略～

診療を始めたばかりの若い矯正医に、本著は重大な質問を投げかける。あなたは一体何者なのか？技術者？それとも科学者？あなたは何を信じると選択するのか？あなたはどの道をたどるのか？あなたは仲間を先導するタイプ、それとも後からついていくタイプなのか？ ODCは確かに、あなたの父親の時代の歯科矯正学ではない。しかし、我々がサイエンスの約束に忠実であろうとするならば、それが従来から存在するアートに矛盾していても、自ら進んでその豊富な成果を取り入れていかなければならない。あなたは仲間に先駆けてこの機会を活用するタイプなのか、それとも最後に学ぶタイプなのか。Quo vadis? （どこへ行くのか？）若き矯正医よ、Quo vadis?

本著の編集者と寄稿者は、本著の内容がトランスレーショナル・サイエンスの原則に忠実に従い、論理実証主義の伝統を守り、なおかつ実施に当たっては実用的で患者に対して健康的な見返りを与えられるものになるよう努めている。このような素晴らしい寄稿者たちがあなたを現状に甘んじたうたた寝から目覚めさせようとしているのである。だから不信の念は一時保留にしよう。21世紀がそこまで来ている。しっかりと読んで、しっかりと実践し、そして何よりも、世界中の多くの歯科学の教授たちが切望しているように、Carpe Diem!（いまという機会を捕えよ！）