皮膚病診療Vol40, No.9(2018年9月号)

  • ページ数 : 108頁
  • 書籍発行日 : 2018年9月
  • 電子版発売日 : 2018年9月7日
¥3,080(税込)
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商品情報

内容

Vol.40 No.9【外陰部・肛囲の皮膚病(女性)】

本誌は「臨床医のための月刊皮膚病総合雑誌」を標榜しており、以下の7つを特徴としております。

1.毎号特集形式―実地診療に役立つ 2.カラー印刷―わかりやすく伝える臨床情報 3.多彩な執筆陣―全国にまたがるネットワーク 4.アンケート特集―実地医家の生の声を 5.学会ハイライト―日皮会総会、支部総会の情報を 6.座談会―著名な臨床家、研究家によるディスカッション 7.増刊号―通常号に加えてさまざまな情報を

このほか、読者の方からの意見や投稿を掲載する「声」欄も充実しています。

序文

「母斑」という用語について

広島で開催された日本皮膚科学会総会の教育講演で,小児の母斑・血管腫についてのレクチャーをした際に,神戸市立医療センター中央市民病院皮膚科の村田洋三先生より,「母斑という言葉はそろそろ見直したほうがよいのではないか」というご提言をいただいた.村田先生によると,そもそも「母斑」はドイツ語の"Muttermal"に由来し,Mutte(r 母)からもらったMa(l 斑点)という意味をそのまま「母斑」と訳したということらしい.明治初期のドイツ医学の導入に際して直訳されたものと思われる.日本でも古来より「妊娠中に火事を見ると児に赤あざができる」という迷信があったらしく,いまでもときどき患児の母親から「私が妊娠中に火事を見たからだと言われるのですが,そうなのですか?」と聞かれることがある.慌てて「ただの迷信ですよ」と否定しているが,ドイツでも同じようなニュアンスが感じられる.まるで「親の因果が子に祟り」的な言葉なのかもし れない.

昨年は,日本遺伝学会が「優性遺伝」を「顕性遺伝」に,「劣性遺伝」を「潜性遺伝」に改訂している.その解説によると,『「優性,劣性」は遺伝学用語として長年使われてきたが,優・劣という強い価値観を含んだ語感に縛られている人たちが圧倒的に多い.疾患を対象とした臨床遺伝の分野では「劣性」遺伝のもつマイナスイメージは深刻でさえある.一般社会にもすでに定着している用語ではあるが,この機会に,歴史的考察もしながら,語感がより中立的な「顕性,潜性」に変更することになった.』とのことである(//gsj3.jp/revisionterm.html).皮膚科関連でも,「らい」が「ハンセン病」に,「いちご状血管腫」が「乳児血管腫」に,「単純性血管腫」が「毛細血管奇形」に変わっている.

いまをまさに好機と捉えて,ぜひ皮膚科学会でも,「母斑」という,すべて母親に責任を押し付けるような語感のある言葉をやめ,改訂に踏み切るべきときではないかと私も考える.問題は代案であるが,村田先生は「母斑」の代わりの言葉として,痣(あざ)は「し」と読めるので「痣疾(ししつ)」とする案や,ほかにも「過誤腫」「奇形」「形成異常」「ニーバス」などが考えられるとのことであった.私もあれこれ考えてみたが,nevusを日本語にするのに,生来もっている斑点といったニュアンスを込めて,「痣」と「斑点」をくっつけて,「痣斑」(しはん)ではどうであろうか?しかし,「しはん」という音は,どうしても紫斑を思い起こしてしまうのでややこしくなりそうでもある.いっそのこと,ニーバスとそのままカタカナ表記にするのもすんなりと覚えやすいかもしれない.すでに「スピッツニーバス」などと使われていてなじみもある.代案を考えるのはなかなかむずかしいと思うが,日本皮膚科学会でも会員から広く案を募って,改訂を目指してはいかがかと思う.


馬場 直子

目次

臨床例

血管腫様外観を呈したBartholin腺囊胞

superficial angiomyxoma

血管筋線維芽腫の2例

大陰唇に生じた結合織母斑

経過中に尖圭コンジローマ,外陰癌を発症した症候群と全身性強皮症の合併例

臀部肉芽腫

肛囲結節が診断の契機となったCrohn病の女児例

HPV16型陽性の外陰部Bowen病

HPV陽性bowenoid papulosisの2例

大陰唇に生じたlinear basal cell carcinoma

外陰部に発生した線状基底細胞癌

外陰部に生じた基底細胞癌(BCC)

外陰部粘膜移行部の慢性湿疹病巣より生じた有茎性有棘細胞癌

外陰部硬化性萎縮性苔癬より生じた有棘細胞癌

Mohsペースト処置により縮小と止血が得られた腟悪性黒色腫

外陰悪性黒色腫

英文抄録

editorial

「母斑」という用語について

topics

梅毒の現状と治療

原因のない陰部瘙痒症

蝶の博物詩

生態39

学会ハイライト

第81回日本皮膚科学会東京支部学術大会を終えて

私の歩んだ道

悠々と急いで,少し休憩

皮心伝心

継続は才能なり

診察室の四季

残暑

皮膚科のトリビア

第159回

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書籍情報

  • ISBN:9784992000339
  • ページ数:108頁
  • 書籍発行日:2018年9月
  • 電子版発売日:2018年9月7日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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