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- NICUマニュアル 第5版
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序文
第5版の序
NICU マニュアルは平成元年に第1 版が刊行されて以来,NICU で診療する医師や看護師など多くの方々に利用され,今では新生児診療の必須アイテムとなっている。本書第1 版は,新生児医療連絡会を立ち上げた先達の諸先生方〔井村總一・多田裕・仁志田博司・(故)内藤達男〕が企画・編集し,第一線でご活躍されていた新生児医療連絡会のメンバーの方々によって執筆された。
この当時,我々編集世話人はこのマニュアルをベッドサイドに置きながら,NICU で寝食を忘れて日夜働いていたことを今更ながらに思い出す。その風景は今も変わることがないように思われるが,新生児医療は時を経て大きく変化していることは紛れもない事実である。具体例を挙げると,リスクの高い新生児の救命のみならず,生存し得た児のアウトカムも重要な指標として位置づけられるようになってきた。また,経験値に重きが置かれた新生児医療から,エビデンスに基づく医療(evidence based medicine;EBM)へと大きくシフトしつつある。EBM は新生児医療の標準化に欠かせないが,すべての医療行為に確立されたエビデンスがあるわけではなく,依然としてcontroversial な面も多い。今後,この部分のエビデンスの確立については,新生児医療の現場で診療に従事されている方々に期待するところである。
第5 版を手にしてまず驚くのは,従来のNICU マニュアルと違い書籍のサイズが大きくなったことかも知れない。しかし単に外観が変わっただけではない。第1版以来版を重ねるたびに,項目の追加や内容の修正を行い,最新の新生児医療の内容が盛り込まれてきたが,今回の第5 版は,これまでとは大きく異なる特徴を持って上梓されている。最も大きな特徴は,すべての項目の原稿が新たに執筆され,現在確立しているエビデンスを取り入れた点である。また,多くの項目において,第一線で診療にあたる諸先生方に新たに執筆をお願いした。さらに,編集にあたっては,従来の編集世話人以外に,各章それぞれを担当する代表編集者を置き,できるだけ内容に偏向がないよう配慮した。
本書はNICU で診療に従事しているスタッフのみならず,産科医や助産師の方々,多くの小児科医にも必ず役に立つと思われる。小児科医を志す医師には,専門医取得のために新生児医療の研修が必須となっていることが本書を推薦する理由の一つである。また,最近の周産期医療の進歩により多くのハイリスク新生児が生存退院できるようになって小児科を受診する機会も増えてきている。そのため本書は,新生児医療を専門としていない小児科医にとっても,これらの児の新生児期の疾患概要やNICU 入院中の診療内容を理解するための一助となるはずである。
おわりに,お忙しい中,快くお引き受けいただいた執筆者各位,ならびに各章の代表編集者各位に厚く御礼を申し上げる。本書がわが国の母子の幸福に少しでも貢献できれば編集者としてこの上ない喜びである。
平成26 年7 月
編集世話人
板橋家頭夫,楠田 聡,田村正徳
目次
I章 新生児医療の原則
A 新生児医療総論
B リスク評価
II章 正期産新生児
A 分娩室でのケアと新生児蘇生
B ルチン診察
C 標準的ケア
III章 ハイリスク児
Overview NICU
A NICU入院児のルチン
B 主要症候に対する診断学的アプロ-チ
C リスクの予測される児への対応
D ハイリスク児の基本的管理
E ハイリスク児の病態・疾患別管理
IV章 ベッドサイドの検査とモニタリング
A ベッドサイド検査
B モニタ用機器の使用法
V章 手技
A 基本的手技
B X線検査
C 呼吸管理
D 超音波断層
E CT
F MRI
G 脳波/聴性脳幹反応
H 心電図検査
I 腹膜透析(PD)
J 持続血液ろ過(CHF)、持続血液ろ過透析(CHDF)
K ECMO
L 交換輸血
M 低体温療法
VI章 新生児医療をめぐる諸問題
A 倫理的問題
B 診療ガイドライン
C 新生児医療に関する行政通知
VII章 新生児医療に必要なデ-タ
A 正常値
B 薬剤(使用量、副作用ほか)
C 母体・母乳の影響
D 新生児関連医療統計デ-タ
E 換算表
F 予後
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書籍情報
- ISBN:9784307170680
- ページ数:912頁
- 書籍発行日:2014年7月
- 電子版発売日:2020年6月5日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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