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- 頭頸部がん手術ノート 輪層の外科
商品情報
内容
頭頸部のうち、特に頸部はその筋と筋膜を概念化すると同心円モデルと捉えることができ、そのうえで原発臓器の切除術について、剥離の層(Layer(英)、Schicht(独))を明らかにし、術式の解説を行う。
外科はサイエンスとアートと言われ個人技を確立していくものだが、著者の豊富な経験から導き出された手術の法則を豊富なイラストと術中写真で解説しており、本書を熟読し、追体験することで必ず個人技を確立する一助となるだろう。
頭頸部がん手術に携わる外科医必携の一冊。
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序文
はじめに
手術書というのは数多く出版されている。おそらく頭頸部がんに関する書籍は比較的少ないがそれでも多くはある。その中で他に無い本書の特徴は頭頸部がん手術法の概念を基盤に書かれていることである。私は手術についてこれまで考えてきた。
外科はサイエンスとアートと言われるが、アートの部分に重きが置かれることが多い。元々手術は個人技であり、個々の経験からその多くが成り立っている。多くの外科医は学んだ技術を自己流に消化し己の手技を確立する。
一方、手術には法則がある。安全かつ根治性に優れた手術を容易に行うにはどうしたら良いか、そしてそれは汎用性の高い手術法であることが必要であると考えていた。そして、それは筋膜・筋間隙に基づく手術法であると結論に至った。
それを、どのように伝えたらよいか。本書では自らの手技の確立に著者の経験を少しでも役立ててほしいという思いで書かれている。頭頸部がん手術には数多くの術式があるが、本書では著者が比較的多く経験した手術が著されている。その意味で手術ノートとした。
筋膜・筋間隙に基づく手術法は従来から言われてきたことで特に新しい概念ではない。頸部郭清術については既に「愛知県がんセンター 頸部郭清術」を著し、筋膜の手術としての手技を解説した。
本書ではこれに続き原発臓器に対して、筋膜・筋間隙の手術を多くの手技に適応しその普遍化を図った。その結果、頭頸部がんの手術には解剖学的共通性があり、その共通性を理解し論理的な手法を用いることにより、より安全で習熟の容易な手術法を行うことができると考えた。
その解説には著者のやや独断的な考え方が含まれているかもしれない。読者は批判的な考えも入れて、本書を読んでこれを消化いただきたい。
目次
推薦の言葉
まえがき
1.頭頸部がん治療の歴史
がんの外科
頸部郭清術
放射線治療
薬物療法
2.手術手技の基本
切開
剥離
結紮
縫合
3.手術用エネルギーデバイスの種類と特徴
高周波電流タイプ
加熱タイプ(熱メス)
ハサミ(鉗子)型エナジーデバイス
4.頭頸部がん外科治療輪層の外科の基本概念と筋間隙による論理的手術
同心円モデルと筋膜
筋間隙
剥離の層(レイヤー)を定義する
5.頭頸部がん手術の構成
原発部位切除術
頸部郭清術
再建術
6.頸部郭清術
全頸部郭清術ND(SJP)
選択的頸部郭清術ND(SJ1-2)
7.口腔がんの手術
早期口腔がんの手術
舌半切-亜全摘術
舌全摘術
8.喉頭がんの手術
喉頭全摘術と音声再建術
放射線治療と薬物療法
喉頭機能温存手術
喉頭全摘術の手技
9.上咽頭がんの手術
上咽頭へのアプローチ法
上顎スウィング法
10.中咽頭がんの手術
経口法
外切開法
中咽頭側壁がんの手術
前壁がんの手術
11.下咽頭がんの手術
経口法
外切開法
12.鼻副鼻腔の手術
上顎全摘術および拡大上顎全摘術
13.唾液腺の手術
耳下腺
顎下腺
舌下腺
14.甲状腺がんの手術
甲状腺葉峡切除術
甲状腺全摘術について
甲状腺被膜外浸潤の手術
甲状腺手術時の副甲状腺温存移植術
15.レイヤー手術のまとめ
文献
あとがき
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書籍情報
- ISBN:9784765318396
- ページ数:192頁
- 書籍発行日:2020年8月
- 電子版発売日:2020年8月7日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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