整形外科 Knack & Pitfalls 膝関節外科の要点と盲点

  • ページ数 : 332頁
  • 書籍発行日 : 2005年4月
  • 電子版発売日 : 2021年5月7日
16,500
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商品情報

内容

整形外科の領域において日常診療に役立つ“コツ”と,陥ってはならない“落とし穴”をまとめた実践的なシリーズ!

膝関節は外傷による損傷など外科的治療の適応が多く,しかも熟練した手技の習得が必要とされる.スタンダード編では,一般整形外科医に必須のスタンダードレベルの,主な膝関節の外傷・障害に対する治療方針・基本的手技に加え,コツと落とし穴をわかりやすく記載した.応用編では,研究会や学会で繰り返し取り上げられる話題や,新しい手術手技の最前線を紹介し,究極の膝関節外科手技のエッセンスを学び取れるものとしている.

あわせて読む → 「Knack & Pitfalls」シリーズ

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序文

「膝関節外科の要点と盲点」序文


整形外科Knack & Pitfallシリーズの,「膝関節外科の要点と盲点」を担当させていただくことになりました.

整形外科の中でも,膝関節外科は外傷による損傷,オーバーユースによる障害に加えて,変性疾患や関節炎の発症の頻度も高く,外科的治療を最も必要とする部門です.膝関節は単純な蝶番関節からほど遠い複雑な構造を有しており,可動性と安定性を同時に獲得し,安定した手術成績を上げるためには,相当に熟練した手技の習得が必要になるのは言うまでもありません.

本書では,スタンダード編で教科書的な知識や基本的な手技を項目別に解説することにより,知識を整理しながら,応用編で同時に理解を深めることができるよう工夫を凝らしました.各項目を解説していただいた筆者の先生方は,臨床の第一線で活躍されている整形外科医であり,単なる基礎知識の解説だけでなく,本書の特徴であるコツと落とし穴が分かりやすく記載されています.一昔前までは,外科医としてそれなりの手技を習得するには,厳しいtraining systemのもとで相当の時間を費やす必要があるだけでなく,先輩のskillを経験により盗むという過程が必要でした.本書では,専門家に,基本的なskillに加えてコツや落とし穴までを披露していただき,かつ各傷害・障害ごとにまとめて記載していただいており,従来の書物には無い特徴があります.読者の皆さんは,項目別に熟読することで,一歩踏み込んだ実践的な知識を身につけていただけるはずです.

また,応用編では,研究会や学会で繰り返し取り上げられている話題や,新しい手術手技の最前線を紹介しています.研修中の読者には,現時点での膝関節外科の話題がどのようなポイントにあるのかということを,また,一般整形外科医の読者には膝関節治療専門医の目指している最新の治療レベルを読み取っていただきたいと思います.さらに,膝関節治療を専門にしようと思っておられる読者には,究極の膝関節外科手技のエッセンスを本書から学び取っていただけるものと確信しています.

本書がわが国における膝関節外科の治療成績の向上に貢献するとともに,新しい外科治療開発の礎となることを願っています.


2005年4月
神戸大学教授 黒坂昌弘

目次

I 膝関節のサージカルアプローチに必要な解剖

1.関節鏡視下手術のための解剖

2.膝内側の解剖

3.膝外側の解剖

4.膝後方の解剖

II 診断の基本

1.問診のとり方

2.代表的疾患の徒手検査

 1)靱帯損傷の診察

 2)半月板損傷の診察

 3)関節炎の診察

 4)膝蓋大腿関節の診察

3.単純X線撮影

4.MRI撮影

 1)靱帯損傷

 2)半月板損傷

 3)関節炎

 4)関節骨・軟骨損傷

 5)関節内腫瘍類似疾患

5.CT撮影

6.関節液の検査

7.関節液の検査

8.関節鏡検査の基本手技

III 半月板損傷

【スタンダード編】

1.半月板損傷に対する治療

【応用編】

1.半月板縫合術

IV 靱帯損傷

【スタンダード編】

1.靱帯損傷に対する治療方針

2.靱帯損傷に対する保存的治療

3.ACL損傷の手術治療

4.PCL損傷の手術治療

5.MCL損傷の手術治療

6.PLC損傷の手術治療

【応用編】

1.ACL損傷に対する二重束再建術

2.PCL損傷に対する二重束再建術

3.多重折りハムストリング腱を用いたMCL再建術

4.PLC再建術

V 膝蓋骨のmalalignment

【スタンダード編】

1.膝蓋骨のmalalignmentに対する治療方針

2.膝蓋骨のmalalignmentに対する外側解離術・distal realignment

3.膝蓋骨のmalalignmentに対するproximal realignment

【応用編】

1.人工靱帯を用いたMPFL再建術

2.半腱様筋腱を用いたMPFL再建術

VI その他の傷害

1.膝蓋腱・大腿四頭筋腱腱断裂の治療

2.離断性骨軟骨炎の治療

3.overuseによる傷害の治療

4.分裂膝蓋骨の治療

5.タナ傷害の治療

6.関節軟骨損傷の診療

7.RSDの基本概念

VII 変形性膝関節症

【スタンダード編】

1.変形性膝関節症に対する治療方針

2.変形性膝関節症に対する保存的治療

3.変形性膝関節症に対する関節鏡によるdebridement

4.変形性膝関節症に対するclosed wedgeによる頚骨骨切り術

5.変形性膝関節症に対する単顆型置換術

6.変形性膝関節症に対する人工関節置換術

【応用編】

1.open wedgeによる頚骨骨切り術

2.頚骨骨切り手術(open wedge法)でのalignment決定法

3.MISによる単顆型置換術

4.人工関節置換術

VIII その他の障害

1.関節リウマチの治療

2.大腿骨顆部特発性骨壊死の治療

3.痛風・偽痛風・化膿性関節炎・結核性関節炎・神経病性関節症の治療

4.腫瘍類似疾患の治療

5.膝関節拘縮の治療

IX 術後の後療法の実際


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書籍情報

  • ISBN:9784830627514
  • ページ数:332頁
  • 書籍発行日:2005年4月
  • 電子版発売日:2021年5月7日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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