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- 髄内釘による骨接合術―全テクニック公開、初心者からエキスパートまで―
商品情報
内容
さらに、髄内釘の歴史から近年海外で発表された特殊ネイルの紹介まで、とことん「髄内釘による治療」にこだわった整形外科医必携の一冊です。
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序文
序文
『壮観である』
本書のゲラ刷りをみた私の率直な感想です.
長管骨骨折の治療法として,髄内釘固定とプレート固定とは2 つの主流です.外傷カンファレンス等の症例検討会では,プレートより髄内釘を好む外科医のことをネイラー,その逆をプレーターと呼んでそれぞれの立場から討論することがよくあります.軟部組織損傷を含めて,各骨折に対して治療法の最適解があるのだから,ネイルやプレートに固執するのは良くないという考え方もありますが,最適解を模索するなかで好きな固定材料にこだわってみるのも悪くはないと私は思っています.
プレート固定法は,歴史的にその固定原理や固定方法がそれらしく体系的に解説・説明されてきました.それ故,しっかり勉強しなければプレートを上手には使いこなせないと考えている若い先生は多いと思います.一方で,髄内釘固定法というのは,長管骨の端っこに孔を開けて,そこから骨髄腔に金属の棒を通すだけなので,大して勉強する必要はないと思っている整形外科医がけっこういます.本書を精読してもらえば,その考えが見当違いであることがわかるはずです.
髄内釘固定法にこだわった研修会をやりたいと,最上,渡部,井上,野々宮,白濵の5 人が発起人となって,“AIM 14”という研修会を行ってきました.“IM”はもちろんintramedullary nail のIM です.2014 年から研修会を始めたことに加えて,髄内釘の魅力を示す14 の“A”Advanced,Aggressive,Amazing,Astonished,Aiming…を託して,研修会の名称を“AIM 14”にしました(これはこじつけで,実はAKB48 をもじって“AIM 14”という名称にしだけなのですが,全くウケませんでした).会を発足した当初から,髄内釘固定法の基本手技から裏技までを解説した実践的な教科書を作りたいという思いが5 人にはありました.全日本病院出版会の協力を得て,2015 年の秋に教科書の草案を作りました.選んだ著者は気心の知れた髄内釘固定の猛者ばかりです.文章を書いてもらうだけでなく,草案そのものをみんなで修正してもらうことにしました.「こんな方法は,あまり聞いたことがありません」と,出版社からは驚かれました.前例がないことはやってみるに限ります.「ここが抜けている」,「そこは俺にも書かせろ」,「彼にあれを書いてもらったら」等々,本当にありがたい意見をたくさんいただきました.共著になっているところがあるのは,その影響です.
以上のような経緯で完成したのが本書です.そして,本書に対する私の率直な感想が「壮観」なのです.このあと,他の4 人の編者にもリレー形式で序文(もどき?)の続きを書いてもらうことにします.これも空前絶後かもしれません.
帝京大学医学部整形外科学講座 渡部欣忍
『裏本』
これが,本書の“別名”です.編者の間ではそう呼んでいます.淫靡な響き(!)になりますが,一言で言えばそういった内容です.「巷にあふれるありきたりの教科書的じゃ面白くない!」「通常は書かれないような筆者(術者)の本音(奥義)や裏技(秘義)を満載にした本にしよう 」…そんな思いが実を結びました.髄内釘固定法を成功に導く“秘伝の書”をとくとご覧あれ…
順天堂大学静岡病院整形外科 最上敦彦
『髄内釘骨接合術を極める!』
“AIM 14”を立ち上げた我々5 人のネイラーが,本書に込める熱い思いです.そのために,髄内釘骨接合術の手術手技にこだわる先生方に執筆をご依頼して協力して頂きました.本書が,ネイラーを目指す若い先生方の道標となることを願っています.
髄内釘整復固定の理論(バイオメカニクス)を知り,技術を駆使して整復位を獲得し,至適挿入点からの髄内釘を挿入する,この髄内釘骨接合術の基本的過程を確実に自分のものにすること,加えて多くの経験豊富な先生方の知見を聴く(読む)ことで,先生方の明日からの髄内釘骨接合術のレベルアップに役立つことを期待しています.
東北労災病院関節外科 井上尚美
『髄内釘骨接合術を極める! part 2』
リレー形式なので,井上先生のバトンを受け取り『極めるための極意』を書きたいと思います.髄内釘は直視できない骨折を,透視画像を見て行う手技です.したがって,2D の透視画像を見て,目の中・頭の中では患側骨の3D 画像を見ながら手術を行う必要があります.さらに,整復操作等では,骨膜を含めた軟部組織も見ながら手術を行わなければなりません.そのためには,正常骨の形態を含めた解剖が頭の中になければ手術はできません.そして,手術を行うにあたっては,透視画像を見ながら行うのではなく,指先の目・手に持った器具の先の目で見ながら手術をすることが大切です.
「レントゲンを見たら骨膜を想像する.手術は指先・手にした器具の先の目で見て行う.適応外は理論と工夫で適応になる.」行間に込めて,私が皆様に伝えたいことです.
静岡赤十字病院第二整形外科 野々宮廣章
『髄内釘こそ真のMIS,匠の技がなせる極』
ロッキングプレートが普及して,長管骨骨折や脆弱性骨折に対して小侵襲で固定可能だという風潮がある.しかし,骨の外に大きなインプラントを挿入して何が小侵襲といえる,軟部組織に刺激がないわけはない,脆弱な骨の一部のみを固定して安心できるはずはない.わずかな切開から骨の中にしっかりした心棒を入れてこそ,本当の小侵襲・強固な固定である.関節内骨折は除き,骨幹端だからとあきらめるのは早い.ほとんどの部位の長管骨は髄内釘で固定可能であり,それを可能にする技を習得することである.目で見て,耳で聞いて,手で感じて,脳で想像し工夫することが重要である.こういう風に書くと髄内釘は難しいと思われるかもしれないが,教科書どおりではダメで,常に新しい発想と工夫,鍛錬が必要である.この書を参考に自分の技を磨いて欲しい.
久留米大学医学部整形外科学教室 白濵正博
2017年3月
目次
Ⅰ 総 論
1.髄内釘固定法とは
1)髄内釘固定の歴史 櫻井 敦志
2)髄内釘固定のバイオメカニクス 渡部 欣忍
3)髄内釘固定法の基本手技
整復(ブロッカーピン,モノコルティカルプレート,創外固定を含む)・ガイドワイヤー挿入・リーミング,横止めスクリュー固定のコツ 寺田 忠司
4)髄内釘固定法の合併症 寺田 忠司
Ⅱ 新鮮骨折に対する髄内釘の実践テクニック
1.大腿骨骨折に対する髄内釘固定
1)大腿骨転子部骨折 福田 文雄 井上 尚美
① ヒップネイルの基本手技
② 正確な整復位を獲得するためのコツ
③ 粉砕骨折に対するヒップネイルのコツ
2)大腿骨転子下骨折 松村 福広
① 体位,整復法
② ピットフォールとその対策
3)大腿骨骨幹部骨折 白濵 正博
4)Infra-isthmal fractureに対する髄内釘固定 野田 知之
①Infra-isthmal fractureのピットフォール
②Infra-isthmal fractureを上手に固定するコツ
5)大腿骨顆部・顆上骨折に対する髄内釘固定 安原 良典
① 何に注意してどんなインプラントを用いるか?
② どこまで治せるか?
③ 代表的逆行性髄内釘の特徴と今後の可能性
6)大腿骨頚基部骨折に対するcephalomedullary nailの応用 徳永 真巳
2.脛骨骨折に対する髄内釘固定
1)脛骨骨幹部骨折 正田 悦朗
① 単純な骨折に対する基本手技:体位,エントリーポイント
② 応用編:分節骨折・粉砕骨折に対する髄内釘固定
2)脛骨近位部骨折:関節内および関節近位1/3 野々宮廣章
① 何に注意してどんなインプラントを用いるか?
② どこまで治せるか?
3)脛骨遠位部骨折(ピロン骨折を含む) 最上 敦彦
① 何に注意してどんなインプラントを用いるか?
② どこまで治せるか?
3.上腕骨骨折に対する髄内釘固定
1)上腕骨近位端骨折 井上 尚美
① 髄内釘の適応となる骨折型
②2-part骨折に対する髄内釘骨接合術の基本手技
③3-part骨折,4-part骨折に対する髄内釘骨接合術の基本手技
2)上腕骨骨幹部骨折 櫻井 敦志 最上 敦彦
① 順行性髄内釘の基本手技:体位,整復法
② 分節型骨折,粉砕骨折に対する髄内釘固定
③ 腱板疎部(RI:rotator interval)アプローチによる順行性髄内釘固定法
3)上腕骨遠位部骨折 寺田 忠司 野々宮廣章
① 何故,ネイルを使うか?
② どうすれば固定できるかの理論と実践
③ 経肘頭アプローチ
4.前腕骨骨折に対する髄内釘固定
1)橈骨骨折(遠位端・近位端)に対する髄内釘固定 岩部 昌平
① 橈骨遠位端骨折に対する髄内釘固定
② 橈骨近位端骨折に対する髄内釘固定
2)前腕骨骨幹部骨折に対する髄内釘法 岩部 昌平 高畑 智嗣
5.鎖骨骨折に対する髄内釘固定
1)経皮ピンニングの手技 野々宮廣章
6.小児下肢骨折に対するelastic nail固定―小児大腿骨骨幹部骨折に対するEnder nail法― 中澤 明尋
7.特殊症例に対する困ったときのEnder法 中澤 明尋 高畑 智嗣
8.手・足部の骨折に対する髄内ピン,髄内整復法 野々宮廣章
9.開放骨折に対する髄内釘固定:治療戦略 松村 福広
10. 番外編 猟奇的髄内釘の数々 二村謙太郎
Ⅲ 癒合不全・感染の治療:実践テクニック
1.遷延癒合・癒合不全(偽関節)に対する治療 渡部 欣忍
2.深部感染・骨髄炎に対する治療 松村 福広
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書籍情報
- ISBN:9784865192216
- ページ数:245頁
- 書籍発行日:2017年5月
- 電子版発売日:2021年7月21日
- 判:A4変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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