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- 関節外科 2019年10月増刊号 レジデントはどの治療法を選択すればよいのか−日常よく遭遇する疾患− (Vol.38 No.14)
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内容
>関節外科バックナンバー
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序文
序 文
本特集号はテーマを「レジデントはどの治療法を選択すればよいのか−日常よく遭遇する疾患−」としました。本特集を選んだ理由は,超高齢社会を迎え,専攻医はますます運動器疾患に遭遇する機会が増えることになり,標準的な治療を習得することや新専門医制度における専攻医取得にも役立つ書を,と考えたからです。初診の患者を診察した際,治療方針を決定するための診断は重要であり,性別・年齢などの社会的背景と疾患の病期などを総合的に評価検討し,ガイドラインや指針などを参考に,治療法を選択します。特にレジデントが外来で患者を診察したり,入院患者の主治医として診療に当たる際に,治療方針を決定するための診断は重要です。この診断法に関しては,関節外科2019年4月増刊号「レジデントにとって必要な運動器疾患の診断法−Tips and Essence−」を参考にしていただければ幸いです。診断の次には,治療方針を決定する必要があります。そこで,日常よく遭遇する疾患を対象に,「レジデントはどの治療法を選択すればよいのか」という特集を組みました。整形外科専門医を目指している医師は,スポーツ外傷・障害から変形性脊椎症や膝関節症などの変性疾患,腫瘍や先天異常など多岐にわたり研修する必要があります。診断後は,レジデントが標準的な治療ができるための道しるべとなり,汎用される治療法(ガイドラインがあれば準拠して)を中心に執筆をお願いしました。すべての疾患を取り上げるわけにはいきませんでしたので,以下の項目に重点を置きました。
「総論」では,運動器疾患の治療に際し聴取すべき背景・病期などと治療法決定に必要なキーポイントについて解説をお願いし,治療に当たっては,保存療法と手術療法各々の長所と短所を理解して,エビデンスとインフォームドコンセントに基づいた治療法の選択を行う必要があると,まとめていただきました。
「各論」では,成長期と青壮年・中高年期に分け,変性疾患・骨代謝疾患・腫瘍,外傷や成長期のスポーツ障害など代表的疾患の治療を中心に概説していただきました。変形性膝関節症の治療法の選択に関しては,なぜこの治療法を選択するのか,保存療法では,レジデントが実施可能な方法(外傷などは除いて)を記載していただき,手術療法に関しては,レジデントが実施する手術療法は限られていますが,手術適応を中心に記載していただきました。疾患によっては,レジデントが選択すること自体難易度が高いものもあり,執筆いただいた先生方にはご面倒をおかけしましたことを誌面にて恐縮ですが,お詫びならびに御礼申し上げます。代表的疾患の要約を記載します。「変形性膝関節症」の治療の基本は,投薬,運動療法,関節内注射などの保存療法です。定期的なX線検査を含めた注意深い観察が必要であり,保存療法の効果,日常生活の不自由さを総合的に判断して,手術療法を検討します。「変形性股関節症」では,手術療法が中心に議論されてきましたが,レジデント時代から保存療法に対する知識を深め,保存療法の指導も行えるようにすべきです。「腰部脊柱管狭窄症」では,日常生活での姿勢指導が重要であり,プロスタグランジンE製剤の投与,硬膜外注射,コルセット装着などのリハビリテーション医療を行い,保存療法に抵抗する場合は手術療法を選択します。「頚椎症性脊髄症」では,手術のタイミングが遅れると障害を受けた脊髄の回復が得られにくいため,漫然と保存療法を続けることは避ける必要があることを強調されました。「骨粗鬆症」の薬物療法では,骨折抑制効果の高い薬剤から,年齢や骨密度,既存骨折に基づいた骨折リスクに応じて使い分けます。「凍結肩」の治療の主体は理学療法を中心とした保存療法であり,効果が不十分な難治性凍結肩に対しては,鏡視下肩関節受動術を考慮します。「手根管症候群」は,絞扼性神経障害のなかで最も頻度が高く,投薬や装具療法などを行いますが治療効果の高い手術療法の時期を逃さないようにします。「足関節捻挫」は最もよく遭遇するスポーツ外傷で,重症度と患者のニーズに応じ固定法(保存療法)を選択し,受傷後早期からのリハビリテーション医療を行い,後遺症の発症予防に努めます。「前十字靱帯損傷」の場合,18 〜35歳の身体活動性の高い症例や半月損傷合併例ではACL再建術が推奨されています。「野球肘」の障害の多くは内側上顆障害で,有痛時の投球中止や制限が重要であり,離断性骨軟骨炎は診断・治療に難渋することがあり,専門家にコンサルトすることが望ましい。また,治療で必要と思われる用語はコラムのような形で項ごとに「用語解説」として記載していただきました。執筆は,それぞれの分野の第一人者の方々にお願いし,「Tips and Essence」となるように,イラスト,実際の画像や表などを多用し,治療のポイントを系統立てて記載していただきました。また,重要な用語の解説を随所に取り入れ,必要不可欠な知識を限られた範囲内に簡単にまとめていただきました。ただ,誌面の制約上,取り上げることのできなかった疾患があることや,執筆にご無理を申し上げましたことを御容赦願います。専門医を目指すレジデントが実臨床において診療の手助けとなり,治療法の選択の説明に際しても有用な書となると思っています。
本特集号は整形外科専門医を目指すレジデントを対象として企画しましたが,各先生方に簡潔にわかりやすく重要な点をまとめて執筆していただきましたので,運動器疾患の診療に携わる専門医やメディカルスタッフを含めた医療関係者すべてにも役立つものと考えています。
最後に,ご執筆いただいた先生方には大変ご多忙のなか,執筆に際し一定の形式に則ってご依頼したため,大変ご苦労されたと拝察致しております。本特集にご執筆いただいた先生方に改めまして深謝するとともに,本特集号が常に診療の傍らに置かれ,読者の皆様方の臨床に役立つことを祈念し序文の挨拶と致します。
宮崎大学医学部整形外科
帖佐悦男
目次
序文/帖佐悦男
Ⅰ. 総論
運動器疾患(成人)の治療法決定に必要なキーポイント/吉矢晋一
診断と情報の収集
治療方針の決定に当たって
各領域の疾患の治療法決定のポイント
運動器疾患(小児)の治療法決定に必要なキーポイント/薩摩眞一
小児運動器疾患の概念
診断治療へのステップ
診断後の治療開始時期
治療
Ⅱ. 各論 1.変性疾患,骨代謝疾患,腫瘍など
変形性膝関節症/岡崎 賢
疾患概念
発症と進行のリスク因子
注意すべき臨床所見(レッドフラッグス)
診断確定後の治療方針
変形性股関節症/山本豪明ほか
診断基準と病期分類,臨床評価法
診断法
治療法の選択
手術療法
保存療法
腰部脊柱管狭窄症/森平 泰
腰部脊柱管狭窄症の病態と自然経過
腰部脊柱管狭窄症の診断に有用な診察所見
腰部脊柱管狭窄症の診断に有用な画像所見
腰部脊柱管狭窄症における薬物療法
腰部脊柱管狭窄症における硬膜外ステロイド注射
腰部脊柱管狭窄症における理学療法
腰部脊柱管狭窄症に対する装具療法
腰部脊柱管狭窄症における手術療法の適応
腰部脊柱管狭窄症における最新の手術療法
頚椎症性脊髄症/山崎正志
『頚椎症性脊髄症診療ガイドライン2015 改訂第2版』をどう読むか?
病態
診断
保存療法
手術療法
骨粗鬆症/萩野 浩
骨粗鬆症の定義と病態
骨粗鬆症の診断
骨粗鬆症の治療
凍結肩(肩関節周囲炎,いわゆる五十肩)/岩堀裕介
概略
診断
治療
手根管症候群/岩月克之ほか
診断
病態
治療
単純性骨嚢腫(特徴と鑑別疾患について) /佐々木裕美ほか
SBCの特徴
SBCの治療
嚢腫病変をきたす骨腫瘍について
Ⅱ. 各論 2.外傷
大腿骨頚部骨折/渡部欣忍
診断
周術期(入院から術前)
手術法
周術期(術後から退院)
大腿骨転子部骨折(大腿骨頚基部骨折を含む)/中野哲雄
骨折の有無の診断
骨折の型の診断と分類
治療
手術術式,インプラントの選択
リハビリテーション
橈骨遠位端骨折/今谷潤也
疫学,病態
診断
治療方針
手術法
保存療法の実際
脛骨骨幹部開放骨折/中村嘉宏
下腿部局所解剖
コンパートメント症候群について
診察のポイント
治療計画
脛骨骨幹部開放骨折への根治的骨接合に関して
リハビリテーション
Checkrein deformityとは
患肢温存 vs. 下肢切断
足関節捻挫(足関節外側靱帯損傷)/篠原靖司
解剖と受傷メカニズム
臨床症状および診察
画像検査
鑑別診断
治療
小児の足関節外側靱帯損傷
前十字靱帯損傷/遠山晴一ほか
病態
診断
保存療法
手術療法
アキレス腱断裂/谷口 晃ほか
アキレス腱断裂の疫学
アキレス腱断裂の診断
アキレス腱断裂の治療
アキレス腱断裂のリハビリテーション
突き指(DIP病変)/善家雄吉ほか
末節部の解剖
診断のポイント
治療方針の立て方
末節骨tuft骨折と爪甲脱臼
末節骨骨幹部骨折
腱性槌指
骨性槌指
DIP関節脱臼
合併症や偶発症への対応
小児や高齢者への対応
Ⅱ. 各論 3.成長期
Osgood病/松本秀男
症状
診断
鑑別診断
再発予防と遺残性Osgood病
野球肘/松浦哲也ほか
診断
治療
障害予防について
治療
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書籍情報
- ISBN:9784008203814
- ページ数:205頁
- 書籍発行日:2019年9月
- 電子版発売日:2021年7月22日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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