統計手法のしくみを理解して医学論文を読めるようになる本

  • ページ数 : 136頁
  • 書籍発行日 : 2021年10月
  • 電子版発売日 : 2021年10月27日
3,080
(税込)
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商品情報

内容

統計学を敬遠しがちな全医療者へ!
論文のStatistical Analysisを読み飛ばしがちな方々へ!
統計手法のしくみをわかりやすく解説!


t検定やP値、信頼区間のしくみ・・・実は不安ではないですか?
統計学の勉強の最短ルートを提供します!

論文を正しく読んで、明日の臨床を変えましょう!

【誰でも論文を診療や研究に役立てられる最短ルートを提供する東大康永研が送る最強シリーズ!】 本書は大好評 『膨大な医学論文から最適な情報に最短でたどり着くテクニック』に続く シリーズ続編となります。
医学論文、わからないのは統計だけ? 肝心要の研究デザインがわかる本』も同時刊行!

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序文

はじめに


医学論文を読むことに苦手意識を持っている臨床家は少なくないようです.ときどき出番が回ってくる「論文抄読会」で否応なしに論文を読む必要性に迫られますが,億劫に感じずにいられません.

英語が読めないわけではありません.よくわからないのは,統計学です.統計の知識が足りないために,Methods に書かれてあるStatisticalanalysis はたいてい読み飛ばしてしまいます.そのせいで,論文に書かれてある内容がなんとなくしか理解できません.

そんな状況を打開しようと,いざ奮起して,統計学の勉強に本腰を入れようと試みる方も少なくないでしょう.しかし,「初心者向け」と書かれた解説書を読んでも,内容が浅すぎて,わかったようでわからないもやもや感は解消されません.逆に,応用的な統計学書は数式ばかり書いてあって,ほとんど理解困難です.こうして多くの臨床家は,統計の勉強が結局は中途半端になってしまっているのではないでしょうか.

Methods に記載されている細かい統計手法など気にせずに,Tableに書かれてある “P-value” だけを見て,「P < 0.05 だから有意差あり」さえわかれば,ひとまず安心できます.しかし,そもそもP 値の意味を知らなければ,その結果を正しく理解することはできません.

t 検定,カイ二乗検定,ログランク検定などの統計手法は,医学論文にも頻出します.しかしその基本的なしくみがわからなければ,その結果の意味するところをきちんと把握することはできないはずです.そこで今回筆者らは,初心者向けの入門書では飽き足らないと感じられている臨床家の方々のために,統計手法のしくみの基本を理解するための一歩進んだ参考書として,本書を執筆いたしました.もちろん統計に関する入門書をまったく読んだことがない方でも,難なく読み進むことができるように配慮しています.


具体的な本書の特徴は,以下のとおりです.

① 医学論文で頻出する統計手法を広くカバーしている

② 初心者向けの入門書よりは深い内容を扱いつつ,初心者に理解しやすい表現・構成を用いている

③ 簡単な例を用いて,それぞれの統計手法における統計量などを手で計算することを通して,その基本的なしくみを理解できる

特に③は,本書の大きな強みです.実際に計算問題を説いてみることで,抽象的な概念が具体的にイメージできます.

本書を通読すれば,必ず統計学に対する苦手意識は氷解するでしょう.なお本書は,同じ新興医学出版社から刊行されている『医学論文,わからないのは統計だけ?肝心要の研究デザインがわかる本』の姉妹書です.こちらと併せてご活用いただければ,医学論文を読みこなすための疫学・統計学の知識を総合的に身に付けることができるでしょう.


2021年9月

橋本洋平,山名隼人,康永秀生

目次

第1章 データの分布を確認しよう

1.平均値と標準偏差

2.中央値と四分位範囲

3.割合、比、率

4.実際の論文に触れてみる

第2章 推定と検定

1.母集団、標本

2.区間推定、信頼区間

3.検定

第3章 連続変数の比較

1.変数の種類

2.t検定

3.マン・ホイットニーU検定

第4章 カテゴリー変数の比較

1.ピアソンのカイ二乗検定

2.フィッシャーの直接確率検定

3.割合の差の検定

第5章 3群間の比較

1.多重検定の問題

2.一元配置分散分析

3.多重比較

第6章 対応のある検定

1.対応のあるt検定

2.ウィルコクソン符号付き順位和検定

3.対応のある検定(2値変数)

4.実際の論文に触れてみる

第7章 なぜ多変量解析が必要か

1.複数の説明変数と交絡

2.層別解析

3.回帰分析とは

4.点推定値と信頼区間、P値

5.回帰分析の限界

第8章 重回帰分析

1.重回帰分析とは

2.重回帰分析の応用

第9章 ロジスティック回帰分析

1.ロジスティック回帰分析とは

2.多変量ロジスティック回帰分析

3.ロジスティック回帰分析の応用

4.リスクスコア・傾向スコアへの応用

第10章 回帰分析に関する応用事項

1.独立変数の種類

2.交互作用

3.マルチレベル分析

4.実際の論文に触れてみる

第11章 生存時間分析

1.イベント発生までの「時間」

2.カプラン-マイアー法

3.2群間の生存時間の比較

4.コックス比例ハザードモデル

5.実際の論文に触れてみる

コラム

P値 ~ZOOM飲み会~

正規分布はなぜGaussian/normal distributionなのか?

スチューデントとは誰?

統計ソフトの統計

森鴎外 = 作家 + 医師 + 統計学者 のスーパーマン

さまざまな「回帰」

数学力は必要?

医学統計を学ぶ「裏技」

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書籍情報

  • ISBN:9784880029153
  • ページ数:136頁
  • 書籍発行日:2021年10月
  • 電子版発売日:2021年10月27日
  • 判:A5変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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